アロマテラピー学習ブログ

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参照。

ストレスや疲労に負けない健康学~1~

2008-01-24 17:38:32 | メカニズムと健康的なライフスタイル
 どのようなときでも私たちの身体の中では、常にバランスを保とうとする仕組みが働いている。私たちは軽い症状であれば自然に治癒する力を持っている。このバランスを保とうとしている仕組みを恒常性(ホメオスターシス)といい、これを体内でコントロールしているのが脳の中心に位置する視床下部と言う部分である。視床下部は体内のいろいろな情報を取り入れ、恒常性を保つよう指令を出している。2つの拮抗的(互いに相反する)な作用を持つ自律神経系である交感神経と副交感神経の働きにより調節されている。しかし、ストレスに負け、この2つの神経系のバランスが崩れると自律神経の失調と言う状態になってしまう。また、視床下部には自らホルモンを分泌し、あるいは下垂体からホルモンを放出させて体内の特定の器官に指令を出し、身体中のバランスをとる仕組みを備えている。さらに免疫と言う身体の防衛反応とも協力し合っており、ウィルスや細菌などから身を守るだけでなく、がんの発生にも監視機構が働き未然に防ぐことのできる仕組みが備わっている。ところが、栄養に大きな偏りがあったり、生活リズムの乱れが続くと、この巧妙な仕組みもうまく働かなくなり、病気を引き起こしかねない。
 
栄養と健康
 人は呼吸し、体温を保ち、歩いたり考えたりするのにエネルギーを必要とする。私たちは食物の中の栄養素を消化、吸収、代謝してエネルギーを産生し、そのエネルギーを利用して生きている。

 6つの栄養素
 食物に含まれている成分のうち、生命の維持に欠かせない成分を栄養素と言い、糖質、タンパク質、脂質、無機質(ミネラル)、ビタミンを「5大栄養素」という。また食物繊維はエネルギー源にも身体の構成成分にもならないが特別の栄養学的効果を持つので6つ目の栄養素と位置づけられている。
 糖質(米やパンなど)、タンパク質(肉、魚、牛乳、豆など)、脂質(バター、サラダ油など)は3大熱量素と呼ばれ、それぞれ1g当たり糖質=4kcal、タンパク質=4kcal、脂質=9kcalのエネルギーを作り出す。
 寝ている間も呼吸し、心臓を動かして血液を運び、脳の神経細胞を働かせるためのエネルギーが必要であり、これを「基礎代謝量」と言い、これに生活活動に必要なエネルギーを加えたものが「エネルギー所要量」である。
 各栄養素の摂り方も健康を維持するには大切なポイントで、1日に必要なエネルギーの約50~60%を糖質で摂るのが望ましいとされている。
 
 糖質の中でも砂糖や果糖の摂りすぎは肥満や生活習慣病へとつながるため、デンプン質で摂取する方がよい。
 
 タンパク質は身体を構成する成分で、必要量を摂取しないと発育障害や病気に対する抵抗力が低下する原因となる。一般に動物性タンパク質と植物性タンパク質を1:1で摂ることが健康に最もよいといわれている。
 
 脂質の栄養価は含有されるいろいろな脂肪酸の質によっても変わってくる。植物性脂肪や魚介類の脂肪は身体にとって欠かせない必須脂肪酸を多く含んでいる。また、コレステロールも私たちの身体の構成成分として重要な物質である。しかしこれらも摂り過ぎると血管障害や免疫系の過剰反応など有害な働きをし、高脂血症、動脈硬化など生活習慣病の引き金となってしまう。1日に必要なエネルギーの20~25%を脂質から摂取するのが良い。
 
 身体の機能を調節する栄養素として、無機質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、鉄、マグネシウムなど)とビタミン(A、B群、C、D、E、Kなど)がある。これらは体内でほとんど合成できないため食事から必要量を摂取することが大切である。
 日本人は特にカルシウムが不足しがちで、骨や歯の大切な成分であるカルシウムの摂取が少ないと、骨粗鬆症の原因となる。
 
 食物繊維とは、野菜、果物、海草、穀類などに含まれる難消化性多糖類である。肥満、高脂血症などの生活習慣病が増加している原因の一つとして、食生活の近代化に伴う食物繊維の摂取量の減少が考えられている。食物繊維は食後の血糖上昇を抑えたり、便量を増加させ、生活習慣病を予防するなど多くの有益な栄養学的効果がある。

 伝統的な食生活の見直し
 最近、日本人の食生活は肉や乳製品中心の副食が多い欧米型に変わってきた為、栄養状態や体格の改善には目覚しいものがある。その反面、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の増加、高齢化社会における骨粗鬆症の増加問題など、健康面での健康面での問題が多く発生してきている。このため、米、野菜や豆中心の伝統的日本食が再び見直されている。

運動と健康
 生活習慣病の増加は現在の日本における重大な問題であり、その要因の一つの運動不足が挙げられる。心身の発達と、生涯を通しての健康の維持・増進には、正しい食生活と共に、日常生活の中に積極的に運動を取り入れることに大きな意味がある。運動をするということは、身体に何らかの負担をかける(負荷)ということで、適度な負荷は体力を増すよう働きます。

 運動にはどんな効果がある?
 適度な運動を習慣的に続けていくと、身体の基礎的な働きを高め、その結果として持久力、適応力や抵抗力が増す。運動は体力の維持や向上に効果があるばかりでなく、現代社会が抱える生活習慣病の増加とその低年齢化の問題を解消する一つの手段として、また予防医学や病気治療上の運動療法としても効果が期待されている。また運動による心地よい疲労はストレス解消に大いに役立つ。
 ただし、いくら運動が身体に良いといっても自分の体力や身体の状態を無視した過剰な運動は、身体に重大な障害を引き起こすことがある。糖尿病や心臓病など何らかの問題を抱えている方は、医師の指導のもとに運動を行うことが大切である。
 運動による身体への効果
 全身への効果
 免疫機能強化
 生活習慣病予防(高血圧/高脂血症/糖尿病)
 肥満予防・改善/骨粗鬆症予防
 体温調節機能向上/基礎代謝量上昇/自律神経機能改善
 各器官への効果
 脳…リラックス/リフレッシュ/ストレス発散/情緒安定/満足感/安眠/脳活性化
 肺…肺活量・酸素供給量増加/呼吸筋強化
 心臓…血流促進/血管の柔軟性/心筋発達/拍出量増加/耐久力増加
 消化器官…食欲増進/消化促進/便秘解消
 その他…骨・関節・筋肉維持/筋力強化/持久力・柔軟性・敏捷性向上

 健康づくりのための運動
 無酸素運動(アネロビクス)…全力疾走や重量挙げのような短時間に多くのエネルギーを必要とする運動で、筋肉肥大、筋肉増強、バランス力増加、瞬発力増加の効果があるが、エネルギー産生過程において酸素の供給が間に合わず、不完全燃焼となって乳酸が生じるため疲労しやすくなり、長く運動を続けることができない。
 有酸素運動(エアロビクス)…軽いジョギングやマイペースの水泳など中程度、あるいは歩行などの軽度の運動で、心肺機能増強(拍出量増大/心拍数減少/酸素摂取量増大)、血流増加、血小板粘着能低下、血圧降下、体脂肪減少、動脈硬化予防(LDL減少/HDL増加)、糖・脂質代謝活性化、ホルモン分泌増加、骨・関節・筋強化、骨密度増加の効果がある。この場合は、エネルギー産生過程における酸素の供給が十分にある為、完全燃焼して乳酸は生じず、水と二酸化炭素に分解されエネルギーを出し続けることができる。またこの運動ではエネルギー源として血中ブドウ糖に加え、身体に貯蔵された脂肪も利用する。血液循環が促進され血圧を下げたり、血中の総コレステロールや中性脂肪値を下げるなど生活習慣病の予防効果がある。

休養・睡眠と健康
 疲労と休養
 脳の興奮が長く続くと神経細胞を働かせるエネルギーが出せなくなり、活動が停止してしまう恐れがある。それを防ぐため視床下部が脳を休ませる指令を出す。すると脳から身体の各部に出されていた指令が変わり、筋肉活動が低下し「疲れた」と言うことを認識する。
 疲労を回復させるには睡眠が一番大切で、大人の場合、通常の場合であれば1日6~8時間で生理的な疲れは回復する。通勤電車の中や昼休みに15分程度の睡眠をとるだけでも、とても効果的である。
 疲れたときにその回復を図るためには、休息のほかに糖質やビタミンB群などの栄養の補給も大切である。ストレスを感じるときはタンパク質やビタミンCなども不足がちになるので、同時に補給すると良い。
 普通の生理的な疲れであれば、十分な睡眠と栄養の補給で自然と回復するものである。しかし、いつまでも疲れがとれないような時は、何らかの病気が原因となっていることもあるので、医師の診察を受けること。

 睡眠とは
 101時間以上の断眠実験での被験者の様子については、「体温、血圧など身体面での影響は見られなかったが、精神面では3日目頃より活動が急速に低下、錯覚や幻覚などの異常が見られた」
 このような実験から高等な精神活動をしている大脳は、2日以上継続して働き続けることはできないのではないのかと考えられている。このように、睡眠は栄養や運動とともに健康維持する上で必要な基本的条件である。

 脳の眠りと身体の眠り
 睡眠は脳を休ませるための時間と考えられている。生きるために欠くことのできない呼吸や循環などの中枢がある延髄、内臓や血管などの働きを調節する間脳などは眠っている間も働き続けている。これらの場所を脳幹といい、生命の維持に必要な命令を睡眠中も出し続けていると同時に、脳幹を覆う大脳皮質への刺激を抑えて休息させていると考えられている。
 1952年、シカゴ大学の生理学者クレイトマン教授によって、睡眠中に2つの違ったパターンの睡眠があることが発見された。
 レム(REM ”Rapid Eye Movement”)睡眠…眼球運動がある。尿量が減少する。骨格筋が弛緩する。ノンレム睡眠中に機能が低下した大脳を再び目覚めさせるため血圧や心拍数は上昇し不規則に変化するが、筋肉の緊張はほとんど消失し、この間に身体の休息をはかっている。夢はレム睡眠中に見るといわれている。レム睡眠の占める割合は新生児では約50%、成人では約20~25%。
 ノンレム(non-REM)睡眠…エネルギー消費量が減少し、体温が低下する。大脳を休息させるため血圧や心拍数など生理機能が低下する。ノンレム催眠は、レム催眠以外の状態で、脈拍・呼吸・血圧は安定しているが、筋肉の緊張は多少見られる。ノンレム催眠は脳が高度に発達した動物だけに見られるものである。
 眠り始めはノンレム睡眠、次第にレム睡眠とノンレム睡眠が約90分ごとに繰り返され、明け方に向かって浅い眠りとなり目覚める。

 睡眠の質と量
 人は地球の自転のリズムに合わせて昼間活動し、夜になると休息をとって生きている。体内の調節も地球のリズムに合わせるようになっている。これをサーカディアンリズムという。
 私たちが眠っている間にも自律神経の働きやホルモンの分泌を介して、身体の代謝促進や調節が行われているし、免疫機能も活発に動いている。
 心地よく眠るには、眠る前から次第に刺激を少なくして精神的にも肉体的にもリラックスし、いつも決まった時間に床につくのがよい。リラックスするためには、心を落ち着かせる作用のある精油を使い少しぬるめのお風呂にゆっくり入るのも効果的。


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