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ミネラルの生理作用・欠乏症

2008-03-08 03:42:28 | 健康と食生活
ミネラル(無機質)とは、人体を構成する酸素、炭素、水素、窒素以外の元素を指す。体重に占めるミネラル(無機質)の割合は4%であり、残り96%は人体を構成する炭水化物、たんぱく質、脂質、水などの有機化合物である、酸素、炭素、水素、窒素が占める。
ミネラル(無機質)は燃焼すれば灰として残るが、有機化合物は燃え残らない。ミネラル(無機質)は、尿や汗によって日々、一定量が排泄されているため、欠乏症が起きやすいという特徴がある。ミネラル(無機質)の摂取が不足した場合は排泄を抑制し、摂取過剰の場合は排泄を促進するよう腸や腎臓が調節しているが、過剰摂取が長期にわたれば過剰症を引き起こす可能性もある。


ミネラル・無機質の栄養と役割
ミネラルの働きは、骨や歯などの硬組織の形成や酵素・ビタミン・ホルモン・ヘモグロビンなどの構成成分または活性化、体液の浸透圧、酸・塩基平衡、水分平衡の保持に関わる。また、神経や筋肉の興奮性保持、血液凝固にも関わる。様々な働きをするミネラルは、互いに協力しあって、一定のバランスを取りながら働いている。
ミネラルの種類は、体に無害のものと有害のものがある。例えば水銀のような重金属はミネラルの仲間だが、有害物質なので注意が必要。人体に無害で生体に欠かすことのできないミネラルを必須ミネラルといい、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄などがある。

カルシウム(Ca)…1日の標準摂取量は体重1㎏あたり約10㎎。腸から吸収されるが、加齢により吸収力が低下し骨粗鬆症を招きやすい
【生理作用】
細胞の分裂・増殖・分化に関与。網膜細胞の感光に関与。神経細胞の興奮に関与。血液凝固に関与。骨格筋・心筋・平滑筋の収縮に関与。 エネルギー代謝などに関与する酵素を活性化する。

【欠乏症】
骨歯の形成不全、成長遅延、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症、関節痛、関節炎、血液凝固が遅くなる、リウマチ、皮膚ガン、ストレス抑圧状態、イライラ、神経痛、生理痛、腰痛、頭痛、痙攣、下痢、喘息、痴呆、不眠、アレルギー性鼻炎、結膜炎

【含まれている食品】
チーズ、わかさぎ、煮干し、きびなご、利尻昆布、青のり、油揚げ、炒りごま、さくらえび、モロヘイヤ、パセリなど。

リン(P)
【生理作用】
歯や骨を作る。脂肪と糖質の代謝に関与。核酸代謝に関与。脂肪輸出のためのリン脂質を形成する。神経・筋肉の機能正常維持。ナイアシンの吸収補助。体液の浸透圧やpHの調節に関与。 ※カルシウムの吸収を阻害するため、リンを多量摂取した場合には、カルシウムをサプリメントなどで補ってください。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。炭水化物の多量摂取者には「低無機リン酸症」が見られることがある。欠乏症は、虚弱体質、集中力の欠如。

【含まれている食品】
粉乳、チーズ類、卵黄、魚介類の乾燥した物、小魚等の佃煮、胚芽、ぬか、加工食品(リン酸塩として添加)、種子類、豆類、海草類など。

ナトリウム(Na)
【生理作用】
細胞外液にあり浸透圧を維持したりpHの調節に関与。カリウムに対抗して筋肉の弛緩。血中のカルシウムの溶解補助。炭酸ガスの排出補助。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。下痢、嘔吐、発汗などが長期に渡って続いた場合は欠乏症の恐れあり。

【含まれている食品】
食塩、みそ、しょうゆ、調味料、加工食品など。外食が多いと過剰摂取になりがち。

カリウム(K)
【生理作用】
細胞内外の浸透圧、水分バランス、pHの調節に関与。骨格筋の収縮、タンパク質合成、グリコーゲン合成。高血圧予防。心臓発作抑制。ガン予防や治癒。便秘治癒。胃液分泌促進。
※カリウムとナトリウム(塩分)の理想的な摂取バランスは1:1。身体は塩分を排出するとカリウムを取り込もうとするが、バランスが崩れ、体内の塩分を排出しきれないと高血圧になる。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。欠乏症は、むくみ、疲労感、吐き気、便秘、関節炎、痺れ、不整脈や高血圧などの心臓症状。

【含まれている食品】
干しヒジキ、切り干し大根、海苔、昆布、大豆、きな粉、納豆、ほうれん草、さつまいも、アーモンド、パセリ、たけのこ、きのこ、干しプルーン、ピーナツ、黒砂糖など。

硫黄(S)
【生理作用】
軟骨、骨、腱を作る。皮膚、爪、髪を作る。補酵素として糖質、脂質の代謝に関与。

【欠乏症】
皮膚、髪の毛、爪などに障害を起こす。

【含まれている食品】
卵、牛肉の赤身、豆腐、キャベツなど。

塩素(Cl)
【生理作用】
血中のアルカリと酸のバランス調整。肝臓の機能補助・体内老廃物除去。消化補助。身体の柔軟性維持。

【欠乏症】
水道水に多量の塩素が含まれているため、日本では欠乏症は起こりえない。

【含まれている食品】
食塩、水道水など。

マグネシウム(Mg)
【生理作用】
筋・神経の興奮性に関与。軟組織のカルシウム沈着防止・腎臓結石防止。高血圧改善・冠動脈疾患防止。血中の糖代謝において酵素を活性化する。抗ストレス作用。血液を固まりにくくする。アルコール多量摂取者やピル常用者は多めに摂取してください。

【欠乏症】
疲労感、貧血、食欲不振、嘔吐、動悸、不整脈、心臓発作、筋力低下、精神症状、四肢の震えや痙攣などの神経症状。

【含まれている食品】
青海苔、昆布類、わかめ、ヒジキ、落花生、大豆、アーモンド、かぼちゃの種、バジル、パセリ、お茶の葉、インスタントコーヒーなど。

亜鉛(Zn)
【生理作用】
インスリン構成元素。炭酸脱水酵素の成分。DNA・RNA・タンパク質合成に関与・細胞の新生促進。ビタミンA代謝に関与。アルコールの分解に関与。鉛や水銀の毒性を弱める。コラーゲンの生成に関与。乳酸(筋肉内の疲労原因物質)の除去。

【欠乏症】
味覚障害、性機能の発育不全、脱毛、夜盲症、生理不順、にきび、爪の白斑点。

【含まれている食品】
牡蠣、あわび、ほたて、小麦胚芽、舞茸、ゴマ、煮干し、レバー、牛肉(赤肉)、イワシの丸干し、数の子(乾)、たらこ、抹茶(葉)、グリンピース、きなこ、高野豆腐、アーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種、松の実など。

銅(Cu)
【生理作用】
ヘモグロビン合成のために、鉄の吸収や利用を助ける。冠動脈疾患の予防。関節炎の治癒。ビタミンCの代謝補助。

【欠乏症】
人工栄養の乳幼児、摂取量が少ない事の他、亜鉛の多量摂取(銅の吸収阻害)や低タンパク栄養不良(銅利用不全)などによる欠乏。貧血、縮毛、うつ病、免疫低下、血圧上昇、脂質の代謝低下、肺気腫、動静脈瘤、血管が弱くなる。

【含まれている食品】
ほたるいか、するめ、塩辛、海老、たこ、シャコ、牛の肝臓、大豆、きなこ、ゆば、アーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種、くるみ、ゴマ、ひまわりの種、茶葉、など。

ヨウ素《ヨード》(I)
【生理作用】
甲状腺ホルモンの構成分。甲状腺ホルモンの役目である「細胞の新陳代謝」「皮膚や毛髪の健康維持」といった働きを補助。成長作用。

【欠乏症】
「世界三大欠乏栄養素」の一つだが、日本では1日当たり1~4mgのヨウ素を摂取しているので、欠乏症はほとんど見らない。欠乏症は甲状腺腫、低血圧、疲労感、精神反応の鈍化、クレチン病。。 ※甲状腺腫は、欠乏しても過剰摂取しても起こる。

【含まれている食品】
昆布、ワカメ、ヒジキ、ノリなど海藻類、ナマコ、魚介類など。

マンガン(Mn)
【生理作用】
糖質の酸化、尿酸生成、タンパク質の加水分解などに関与する酵素を活性化させる。生殖・中枢神経の機能を正常維持。記憶力を高める。チロキシン(甲状腺の主要ホルモン)の生成補助。骨粗鬆症予防。筋肉の反射補助。骨や糖質の代謝に関与。

【欠乏症】
欠乏症の心配はほとんどない。欠乏症は、運動失調、血液凝固機能低下、不妊や出産障害、耳鳴り、骨の発育不全や変形など骨筋関係の症状、愛情性欠如。

【含まれている食品】
精製されていない穀物、大豆、柿、シジミ、ナッツ類、栗など。

鉄(Fe)…男性では10mg、女性では12mg、妊婦では20mg の摂取が必要とされる
【生理作用】
ヘモグロビン構成分・酸素を運搬。ミオグロビン構成分・血中の酸素を筋肉に届ける。細胞内で酵素の構成分・酸素を活性化させエネルギーの産出補助。タンパク質の代謝に関与。コラーゲンの形成に関与。カロチンをビタミンAに変換。

【欠乏症】
顔色(皮膚)が青白い、疲労感、動悸・息切れ、食欲不振、無気力、口角炎・舌炎など粘膜の症状、鉄欠乏性貧血。

【含まれている食品】
スッポンの血、豚レバー、牛レバー、鶏卵、うずらの卵、牛肉、豚肉、鶏肉、赤身の魚、アユ、イワシの丸干し、スジコ、アカ貝・牡蠣・シジミ・ハマグリ、ヒジキ、青海苔など。

コバルト(Co)
【生理作用】
ビタミンB12の補因子。ヘモグロビンを生成。神経細胞の防御。

【欠乏症】
悪性貧血、動悸、筋力低下。

【含まれている食品】
レバー、牡蠣、ハマグリ、アサリなど。

ケイ素(Si)
【生理作用】
腱やコラーゲン、血液、皮膚、髪や爪などの結合組織強化。コレステロール低下作用。

【欠乏症】
爪が割れやすい。脱毛。皮膚のたるみ。動脈硬化の進行。

【含まれている食品】
スギナ、精製されていない穀類、ホタテ、ホヤ、サザエ、豆類、レバー、ほうれん草、にんじん、粟など。

フッ素(F)
【生理作用】
歯のエナメル質強化・虫歯予防。骨の強化。

【欠乏症】
虫歯。

【含まれている食品】
魚類、海草類、番茶、野菜類など。

モリブデン(Mo)
【生理作用】
糖質や脂質の代謝補助。尿酸の代謝補助。鉄の利用を高める造血作用・貧血予防。銅の排泄を増大させる。

【欠乏症】
貧血、疲労、尿酸代謝異常、不妊。

【含まれている食品】
海草、豆類、納豆、牛肝臓、牛乳、乳製品、玄米、小麦胚芽、カリフラワー、グリンピース、ほうれん草、ニンニクなど。

クロム(Cr)
【生理作用】
糖質の代謝に関与・糖尿病予防。脂肪酸とコレステロールの合成促進・動脈硬化・高血圧の防止。身体に有用なクロムは三価クロムで、環境汚染物質であるクロムは六価クロム。全く違う作用をする。

【欠乏症】
過剰な運動、糖質の多量摂取、妊娠・授乳などにより欠乏症が見られる。欠乏症は、糖尿病、動脈硬化、高脂血症、高血圧、発育不全、生殖機能低下、肥満、末梢神経炎

【含まれている食品】
レバー、肉類、はまぐり、しじみ、あさり、かき、ほたて、ワカメ、海苔、ヒジキ、小麦胚芽、ほうれん草、キャベツ、卵など。

セレン(Se)
【生理作用】
血液凝固抑制・動脈硬化防止。抗ガン作用。精子形成に関与。タンパク質合成に関与。水銀・カドミウム中毒防止。消炎作用促進。免疫機能上昇。核酸や粘膜の酸化抑制・老化防止。

【欠乏症】
欠乏症はほとんど見られない。欠乏症は、成長の遅延、男性の不妊症、脱毛、不整脈、変形爪、免疫力低下。

【含まれている食品】
ワカサギ、イワシ、ホタテ、小麦胚芽、レバーなど動物の内臓、肉類、乳製品、穀物、トマト、ブロッコリー、にんにく、たまねぎなど。



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