常夏ならば振り向くかも

語り部である私が提供する、今そこにあるチープでホットな噺の数々を口承するブログ。一話解決を目指して今日も喋ります。

バス、釣り

2006年11月21日 | 『光源Xを探れ』 殿(私)の見物検証記
今日は色々あった。全部書いていても「あ、そう」と思われるのが癪だし一つだけ書く。
今から遡ること6時間前

バスが着て乗り込んだ。目指すは吉祥駅。料金は210円なので財布から5000円札を取り出し投入機に入れた。つり銭ボタンを1度押す、出ない。
2度目を押す、出ない。
3度目、めんどくさいので車掌に
「出てきませんよ」
と伝える。

すると
「ボタン押して」

と既に2度試みたことをまたやるように言われた。なんだよという気で

「5000円札入れたんですがね」

とハキハキ答えると

「あ、5000円札ではカードしか買えないよ」

とアッサリしゃべるのだ。ならば両替してもらおうと思い

「入れた5000円を1000円札に両替してもらえませんか」

とお願いした。どうせ黒いバックかなんかに予備の金が入っているんだからと予測を立てたからである。


「できないよ」

はっ?

「入れたんだからカード買うしかないよ」

ええっ!?

おいおいおい!なんじゃそら!もうここからはハキハキ口調ではなく。諸にとまどい口調。ぼそぼそ喋る。
「あ、え、ち、ちょっと困ります」
「も、もう26円しかないし、まずいし

ここでいうまずいしというのは
[俺すなわち私は、この東京の区いや、ここは市だったな…の近辺の住民並びに勤務先とか登下校に曲りなりとも使うことは0㌫に近い人間なんで、カードを5000円分買ったとしても使うことはまず無いというか、使うとしても近隣に住む前提ならそうしても良いのですが…あ、この吉祥寺近辺は住みやすい街であるとは思いますよ!そこは認めます。でもまだ早いというか…若いというか…なので、これも若気の至りあってこその過ちってことで、どうかご配慮していただけないと]
ゆえにまずいという含みをもっていました。

世間ではこんなにズラズラと述べずに
「おれ、アレだから」とアレの一言で済ますんでしょうが、アレが出ませんでした。

ボソボソ吉岡秀隆口調で喋っていたので運転手は

「間違って買ったと言ってよ、駅着いたら発売所に行ってよ」

と仕方がない若人なので苦肉の策を立ててくれました。
これ以上の策はバス会社をM&Aするしかないでしょう。

仕方ないと座って忘却しようと努めていたらば、運転席の方でゴニョゴニョと無線で喋る声がしました。どうやら
「ってなお客さんがいてね、頼むわ」
との内容みたいです。

客商売とはいえ、いい人です。
駅に着いて前の扉から出ようとすると

「にーちゃんさ、マルイの方に発売所あるから、そこで言ってよ」
「あとで俺金取りに行くからさ、じゃ

とキザに決めてくれました。

これぞ中高生が理想とする、幅の利くチョイ悪親父でしょう
考えてみれば交通安全期間なのに、ワケの分からない変人を対応しながら運転してくださっていうのは、申し訳ない。乗客の方もいつ映画「スピード」のようになるか冷や冷やしただろうに、めっちゃすまぬ。

ここで心に誓ったよ。
今後は万札、五千円札は千円札に切り崩して持ち歩こうとね。
最後に
「申し訳ございませんでした。有難うございました」
と深く、より深く頭を下げて、ランラン♪スキップしながら発売所を目指しました。

世の中金でありながら人情もチョロリというわけです。
みんなもカードとか大きい札ばかり持っていると痛い目にあるからな。
貨幣に慈しもう。ポッケをジャラジャラさせて歩こう。