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薬師寺展、東山魁夷展、井上雄彦最後のマンガ展・・・

2008-08-08 00:15:00 | 徒然なるままに
今年は結構、美術展を見に行っている。

『薬師寺展』は、日光・月光像はもちろんだが、聖観音立像の凛々しさ、若々しさ、美しさに惹きこまれた。複製とはいえ、『水煙』の美しさ。思いの深さ。
日光・月光象の背中を見上げながら、たとえ普段は誰も見ることができないところにも、細心の注意を払い、完壁に仕上げているところに改めて感動した。魂をこめると言うことは、こういう仕事をすることだと感じ入った。

『井上雄彦最後のマンガ展』は、何度も会場に行っては入場できず(当日券)、ようやくナイトチケットを予約して見ることができた。それに合わせて『バガボンド』を読み、宮本武蔵についても少し下調べをして行った。
本当に素晴らしい、渾身の展覧会だった。無二斎に『後は何が望みだ』と問いかけられた場面の次の間では金縛り状態になり、その空間の少年の姿をした武蔵と対峙した時、涙が止まらず、ずっと武蔵の目を見て立ち尽くしてしまった。
最後の間の小次郎と砂浜に消えていく場面では、本当に波音が聞こえてきそうだった。
まさにあの会場で書き下ろしたと言う水墨画のような一枚一枚の絵を見て、井上雄彦氏は現代の絵師だと思った。
見る人の視点、視線を意識して描いたと言う登場人物達の目線は、本当に魂が宿っていて、こちらを見ているようだった。

『モジリアニ展』は、学生時代に見たときほどの感動はなかったが、なかなかよかったと思う。展示にもっと工夫がほしかった。

『東山魁夷展』は良かった。『道』は学生時代にも見ているが、年齢を重ねて、さらに伝わってくるものがある。北欧の絵も良いが、やはり、日本の四季を描いたものが素晴らしい。高校の現代国語で習った円山公園の夜桜と月の絵は絶品だ。鑑真が渡って来た海を描いた襖絵も、いつまでもその場に身を置いて、潮騒を聞いていたいような気持ちになった。

『コロー展』は、時間がないまま慌しく見てしまい、もったいなかった。でも、有名な「真珠の女」の実物を、穴のあくほど見ることができた。彼女の灰色の瞳は本当に魅惑的だ。私は昔からダヴィンチのモナリザより、こちらの方が好きだ。

『対決-巨匠たちの日本美術展』は、長谷川等伯の『松林図屏風』も俵屋宗達の『風神雷神図屏風』も見られず、がっかりだったが、迫力のある水墨画が見られて最高だった。
作品一枚、一作を人ごみにもめげず、3時間かけて舐めるように鑑賞してきた。
歌麿と写楽の浮世絵は、すごい!絵師、彫師、刷師の技を堪能した。応挙の弟子のトラの絵の迫力も良かった。
同じテーマや素材でも、それぞれの個性や、生き方が投影されて、とても興味深い展覧会だった。

『黄金の国ジパングとエル・ドラード展』は、はっきり言って期待はずれ。勉強になるところもあったが、企画倒れ。

明後日、佐倉市立美術館で開催中の『エッシャー展』を見に行く。先日、事前にエッシャーの生涯と作品を紹介したビデオを見て、とても興味深かった。開催中に2回ワークショップ・サポーターをやる。エッシャーの世界を体感する!


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