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スキルアップ

2012-05-27 06:06:29 | 担任雑記
5月27日(日)

 今年度は、土日は、小学校の先生方が中心に開催されている勉強会に参加している。

 中学校勤務の時は、週末は部活動があったり、自分の専門教科の教材研究や授業の準備などをしていた。
だが、小学校の、それも担任となると、土日は、まさにその週のうちにできなかった仕事の整理と、翌週の授業の準備、教材研究をしっかりやっておかないと、どんどん授業が遅れてしまう。
 ベテランの先生方は、たくさんの引き出しやスキル、資料やプリントを持っていらして、先を見通した授業の組み立てができていらっしゃる。
 講師の私には、初任者研修担当の先生がついてくださるわけでも、公費や出張で研修を受けられるわけでもないから、自力と自腹を切って研修に出かけていくしかない。
 昨年は、それができなかった。いや、しなかった。その反省のもとに、今年は、積極的、意欲的に各学習会に出かけて行っている。
 そこではまた、新たな出会いがあり、充実した時間を過ごさせてもらっている。
 中学校美術の教員としてのスキルしかなかった私が、小学校全教科の指導方法や、学級づくりのコツを学ぶことは、どれも新鮮で、興味深いことばかりだ。
 特に、先日の金環日食の授業のヒントは、私自身がワクワクして、学習会の後は、早くそれを子どもたちに実践してあげたくて、うずうずしていた。その結果は、まさに大ヒット!子どもたちの観察日記も、力が入った出来だった。

 先週は、『大きなかぶ』の勉強だった。小学校1年生の教科書では、この話の訳には2種類あると言うことを知り、驚いた。
一般的には、A.トルストイ『おおきなかぶ』内田莉莎子訳、佐藤忠良絵、福音館書店が有名だが、小学校1年生の国語の教科書には、西郷竹彦訳の『大きなかぶ』というのが主流になっているのだそうだ。
 大きな違いは、かぶを引っ張る登場人物の書き方の順番だ。

〈内田訳〉
ねずみが ねこをひっぱって ねこが 犬をひっぱって 犬が まごをひっぱって まご
が おばあさんをひっぱって おばあさんが おじいさんをひっぱって おじいさんがか
ぶをひっぱって

〈西郷訳〉
かぶを おじいさんがひっぱって おじいさんを おばあさんがひっぱって おばあさん
を まごがひっぱって まごを 犬がひっぱって 犬を ねこがひっぱって ねこを ね
ずみがひっぱって

 1年生を迎える会などでこれを劇にして演じる場合は、西郷訳でやり、最後に、
『6年生から2年生まで頑張ってもできないけれど、1年生のみんなが協力してくれたらできることがたくさんあります。一緒に頑張りましょう!ご入学おめでとうございます!』
と結ぶと、1年生はとても喜ぶのだそうだ。
 敵対関係にあるネズミが猫を引っ張ること自体も面白いが、小さな力の弱い者が加わることで、『とうとう』かぶは抜けるということに視点を置いているところが興味深い。
 それを印象付ける訳としては西郷訳の方が、印象に残るということだった。。

 小学1年生が初めて出会う本格的な文芸作品として、『おおきなかぶ』が選ばれている理由がわかったような気がした。
う~ん、『国語』は、なかなか奥が深い教科だ!勉強になりました~!


 昨日はまた、自己PR文の書き方や、集団面接の受け方についての講義、模擬面接と集団討論会を体験してきた。
 自己PRは、文章で書くのも、1分間で話すのも本当に難しい。 私は、書くのも話すのも、一文が長くなってしまうので、要点を端的にまとめて話すことが課題だ。そして、書くには、誤字脱字はあってはならない。これもまた大きな課題だ。話す時は、姿勢、表情、目線、声の大きさや速さに気を付けて、1分間以内で言いたいことを言いきらなくてはならない。これは、本当に訓練が必要だと思った。
 集団面接と討論会は、自分がやるより、他人がやっていることを面接官の視点で傍聴していると、すごくよくわかる。
これもまた、自分にとっての課題を見つけ、スキルアップするためにも、必要な訓練だと思った。

 勉強会に参加して思うのは、職場とは違う志を同じくする『同志』達と出会い、成長し合える時間を共有できることの大切さだ。
そこにいらっしゃる講師の方も、たくさんの『引き出し』を持っていらして、若い、意欲のある『後進』達に、惜しげもなく教えてくださるのだ。
 職場でも、毎週のように研修会があり、研究授業についての取り組みがあり、管内での教育研究会もある。でも、それは、『仕事』として『やらされている』感がぬぐえない。それは私の意識が低く、認識不足から来ているだけかもしれないが…。

 『求めよ、さらば与えられん』
 自分から出かけて行って門をたたけば、そこには私の求めるものがあり、それだけでなく、そこには私を待っていてくれた人がいたという、ありがたい、充実した週末を過ごすことができている幸せに感謝する。

 この充実感を、月曜日にはクラスの子どもたちに還元し、いつかは、これから教師を目指す若い人たちに伝授できるような教員になりたいと思っている。
 
 

教えることは、教わること  金環日食

2012-05-22 04:48:37 | 担任雑記
5月21日(月)

いよいよ、金環日食当日。朝から校庭には、たくさんの子どもたち、保護者の方々が集まってきた。
ところが、6時台にはなんとか見えていた太陽が、金環日食になる頃には、熱い雲に覆われてしまった。
遮光グラス片手に、雲間からわずかでも見えるオレンジ色の太陽を、必死に目をこらして見つめる。
半ば、あきらめかけたその時、まさに、金環日食その瞬間に、熱い雲が過ぎ去り、うっすらと太陽が現れた!
肉眼でも見える金環日食だった!!
遮光グラスを通して見ると、くっきり見えるその金環日食は、本当に神秘的だった。
子どもたちも、大興奮で、終わってからも
「感動した~!!!」
「すごかったね~!!」
「きれいだった~!!」
と感無量の様子だった。

始業時間になり、子どもたちは教室に入った。
私も職員玄関から教室に行こうとした時、窓から廊下に差し込む木漏れ日が、見事に日食を起こしているのに気がついた。
急いで教室に行って、子どもたちをその場所に連れてきた。
みんな大興奮だった。
木漏れ日の一つ一つが部分日食を起こしているのだ!

理科の授業で、日食の勉強をして、その仕組みや現象を教えたのだが、実際にその現象を肉眼で見ることができると言うのは、本当に貴重な体験だった。

小学3年生の理科は、モンシロチョウの卵から成虫になるまでの観察をはじめ、自然の不思議や仕組みをたくさん学習する。
子どもたちの『好奇心』を上手にくすぐり、『興味』の種をまくと、ものすごい勢いで『意欲』の目が出てくる。

「教える」ことは「教わる」こと。
子どもたちに教えながら、私もまた子どもたちからたくさんのことを学ばせてもらっている。
私も、授業で教える以上、事前に自分でも『日食』について勉強した。
凄く面白かった。
教師が自分でも面白がって教えることは、子どもたちも面白がって覚える。そして、忘れない。
さらに、それをきっかけにして、子どもたちは自分でどんどん興味と知識の輪を広げていく。
そして、そこから得たものを、こぞって私に報告に来るのだ。
私もまた、そこからたくさんの情報を得たり、疑問が生じれば調べる。
私は、専門家ではないので、引き出しは少なく浅いが、最近、ものすごい勢いで増え続けている。
昔の引き出しも、何十年振りかで復活してきたものもある。

体力的な衰えは、年齢的にも逆らえないものがあるが、好奇心と学習意欲は、学生時代よりも、今の方が旺盛かもしれない。

さて、子どもたちの雨後の竹の子みたいな興味・関心・意欲を、どう育てていくのか。
自分のスキルアップと一石二鳥で、楽しみながら授業を頑張ろう!



前進

2012-05-20 06:51:47 | 徒然なるままに
5月20日(日)

久しぶりの日記更新。近況を書こうと思う。

【仕事面】
 今年は、小学校3年生35人の担任。去年の2年生の続きの学年ではあるが、学校は違うので、いろいろなことをリセットし、現勤務校ならではの新しいやり方をインプットしながら、何とか1ヶ月半が過ぎた。
 昨年の反省から、週末は、あちこちで開催される『学習会』に参加して、学級づくりや分かりやすい授業のやり方などを学んでいる。
 8年間の中学校美術の講師や副担任としての経験は、小学校という現場ではほとんど役に立たない。まさに『畑違い』なのだ。
 あらゆることが同時進行で、間に合わないこともあるが、昨年1年間の経験(失敗も含めて)を生かし、なんとか日々の仕事をこなしている感じだ。
 毎日がドラマチックで、刺激的で、忙しい。週末は『整体』に通って、身体のメンテナンスを心がけながら、頑張っている。 
 
 6月2日の運動会を目指して、明日から猛練習が始まる。
 明日は早朝から、金環日食観測会がある。希有な天体ショーを子どもたちと楽しもうと思う。



【プライベート面】
 波乱万丈、激動の昨年度に比べれば、今年の大変さはまだ平和な感じがする。   
故郷の復興の様子は、挫けそうなことが起きるたび、私を励まし、支え続けてくれた。
「こんなことで弱音を吐いてはいけない。石巻で頑張っているみんなに比べれば、こんなの苦労でも何でもない。」
そう思うことで、どんな辛いことでも乗り越えてこられたと思う。
個人的には今年もまた、越えられそうもない壁に阻まれ、八方塞のような状況ではあるが、
『壁は、乗り越えられる人の前に現れる』
『諦めたら、そこで試合終了ですよ』
の言葉を支えに、一つずつ『片付け』ながら解決して行くしかない。前に進んで行こう。
社会人2年目の息子、我が道を驀進中の長女、自分の進むべき道を暗中模索中の高2の末娘。
この子たちのためにも、自分の生き様を見せる『大一番』が待っている。
気力、体力を維持できるように、メンタル面のケア、健康管理、優先順位を間違えないスケジュール管理で、『大一番』に挑んでいこうと思う。
『ピンチをチャンスに変える』ぞ!