島田紳助さんはこの状況を感じて引退を覚悟したのだろう・・・

　２０１２年２月１３日、芸能活動の引退を表明した元タレントの島田紳助さん（５５）＝本名・長谷川公彦＝が、引退会見で認めた暴力団幹部との関係が次第に明らかになってきている。テレビでの発言をめぐる右翼団体とのトラブルを幹部が処理した十数年前に付き合いが始まり、親密さを深めていったとみられる。暴力団排除の機運が高まるなか、専門家は「芸能界には、ある程度の付き合いは仕方がないという甘えがあったのではないか」と、“黒い交際”との決別を求めているのだ。引退を表明した２０１１年８月２３日夜の会見で、紳助さんは時折涙ぐみながら、「Ｂさん」とは十数年の付き合いで、４、５回会ったことがあると説明。その一方で「頻繁に会ったこともなく、交際とか交流とかいう認識はなかった」と強調したのだ。Ｂさんとは指定暴力団山口組の若頭補佐と呼ばれる最高幹部。両者の親密さは警察の捜査で明らかになっているのだ。大阪府警が２００７年、恐喝未遂事件で、元ボクシング世界王者の渡辺二郎被告（５６）＝恐喝未遂罪で実刑判決を受け上告中＝を逮捕した際、渡辺被告の携帯電話を押収した。会見では渡辺被告をＡさんと表現したのだ。芸能界で屈指の人気を誇った紳助さんが引退に追い込まれた背景には、暴力団排除の社会的機運の高まりがあるからだ。２０１０年は相撲界で、土俵下の特等席が暴力団に渡っていたり、野球賭博で現役力士が暴力団関係者から恐喝されたりする事件が発覚。日本相撲協会は２０１０年８月に暴力団排除宣言を出し、力士や親方を対象に講習会を開いている状況である。島田紳助さんはこの状況を感じて引退を覚悟したのだろう・・・（佐々木和夫）