地方公務員の人件費を大幅に削減

2013-06-16 09:07:10 | 政治

地方公務員の人件費を大幅に削減

 週間ダイヤモンド12年12月29日・13年1月5日合併号に載った東大大学院教授 井堀 利宏さんの主張を抜粋してご紹介します。


地方公務員の人件費は地域の民間企業給与並みに削減すべき


 東日本大震災の復興財源に充てるため、2012年度から国家公務員の給与を2年間引き下げた結果、8割超の地方自治体で職員給与が国家公務員給与を上回っている。

 13年度予算編成では、国家公務員の水準と合わせるため、自治体の給与財源でもある地方交付税の削減が検討されている。

 過疎の地方になるほど、地方公務員とその地域での民間労働者の給与格差は大きい。

 中でも、現場の技能労務職員(正規雇用)の給与は高過ぎる。公営交通の運転手、ごみ収集の従業員、学校給食の調理員、保育所の保母保父など現業部門の地方公務員では、民間の賃金と比べて、極端に割高な場合が多い。特に、過疎地の地方自治体でこの傾向が顕著である。

 その理由の一つは地方公務員に顕著な年功序列賃金体系にある。

 経験とともにそれほどスキルが上昇しない職種であっても、年齢とともに賃金は上昇する。しかも、その程度が国家公務員や民間企業と比較して、地方公務員では相当大きい。その結果、民間と比較すると、特に中高年齢層で割高になりやすい。


 地方公務員の給与は、制度的には国家公務員と地域の民間企業の給与水準を総合的に勘案して決められることになっているが、実態は大都市の民間に準拠して決定される国家公務員給与に大きく依存して決定される。そのため、地方圏では地方公務員給与と地域の民間の給与水準の差が拡大している

 地方交付税などから財源を得ている地方公務員の給与水準は、成果主義の観点からも、国家公務員給与に準拠するより、地域の民間給与の実情に合わせて、大胆に削減することが必要だろう。