自民党 公務員特有の給与構造を見直し みんなの党10万人削減

2013-06-09 19:15:30 | 政治

みんな10万人削減、維新は民間登用拡大… 公務員改革競う

与野党が夏の参院選をにらみ、国家公務員制度改革案を競い合っている。2014年4月からの消費増税を控え、行政の効率化は有権者の共感を得やすいとみるからだ。みんなの党や日本維新の会が大胆な改革案を打ち出す一方、自民、民主両党は現実性を加味するなど温度差はある。

 旗を振るのはみんなの党だ。渡辺喜美代表ら同党幹部は8日、参院選公約に「国家公務員の10万人削減」を盛り込む方向で調整に入った。当初案の5万人から踏み込む。

 「各省庁の事務次官は廃止」。7日に国会提出した幹部公務員法案は、みんなの党が呼びかけ、維新と民主が共同提案に応じた。「事務方トップの次官は『省益』優先で調整しがちだ。いなくなれば閣僚、副大臣ら政治家が直接指揮でき、天下りも防げる」(共同提出者の一人)とみる。

 維新共同代表の橋下徹大阪市長は、大阪で実績を上げた公務員制度改革を参院選の争点にするよう国会議員団に指示している。維新は幹部公務員の民間採用拡大に向け、国家公務員の管理職試験を民間人が受験できるようにする案を検討中だ。

 自民は、各省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」設置を参院選公約に明記し、対抗する。秋の臨時国会に関連法案を提出する政府方針を後押しするものだ。公務員特有の給与構造を見直し、能力と実績で差をつける方向性なども打ち出す。消費増税への地ならしの思惑もある。

 自民は公約に「行政の能力を最大限に発揮させることも政治の責任だ」と盛り込む。麻生内閣では内閣人事局長を官僚にするのか、政治家が担うのか、政府・自民内で見解が割れた。今回の設計は明らかではない。

 「脱官僚」と「政務三役主導」を強く訴えて09年に誕生した民主党政権は、政と官の対立が運営を難しくした。民主は09年以前から訴えてきた、国家公務員総人件費の2割削減を今回の参院選公約でも維持する。だが、政治主導の主張はかつてより弱まる見通しだ。

 大胆さか、現実性か。改革を測る有権者の物差しが一つではなくなったことを、各党も認識している。