ヤバ過ぎ「市の名前、売ります」大阪・泉佐野

2012-03-21 16:10:58 | 政治
財政破綻一歩手前の大阪府泉佐野市は、新たな歳入確保策として、企業から広告料をもらう代わりに市の名称を企業名や商品名に変更する自治体名の命名権(ネーミングライツ)売却に乗り出すことを決めた。

 契約期間は1~5年で、国内外の企業を対象に6月から11月末まで募集、広告額は企業から提案してもらう。名称変更は市議会過半数の賛成で可能だが、市民からの反発も予想される。

 自治体名の命名権が売却されるケースは総務省でも「聞いたことがない」(市町村体制整備課)という。

 計画では、市の名称のほか、香川県の「うどん県」のような愛称の命名権も売却。また、市役所庁舎や、市道の通称も売却対象とし、市職員が着用する制服などへの企業広告も募る。企業の誘致による、雇用創出や税収アップも期待している。

不況下の小売り優等生・アウトレットに異変

2012-03-21 14:11:06 | 経済
東京湾アクアラインの木更津金田出口に程近い海沿いの土地で現在、急ピッチで工事が進んでいる。4月13日に開業を控える「三井アウトレットパーク木更津」。敷地面積21万5000平方メートルと、三井不動産が運営するアウトレットモールの中でも最大規模で、開業時には日本初出店の高級店を含む171ブランドが出店する。

アウトレットモールの市場規模の推移

「東京、横浜からバスで40分余りという好立地。都心客の取り込みが狙える」と、開発に携わる商業施設本部の片山朋之主事は期待を膨らませる。羽田空港からもわずか25分とあって、アジアを中心とした海外観光客取り込みも可能と見る。

■老舗アウトレットが閉鎖 市場が突如減速したワケ

不況によって百貨店やショッピングセンターなど商業施設の苦戦が続く中、アウトレットモールは市場規模の拡大が続いている(図)。高級ブランド店の在庫品が格安価格で購入できるお得感に加え、観光地やテーマパークなどに隣接する施設が多いことが付加価値となり人気が定着した。イオンが埼玉県越谷市に「レイクタウンアウトレット」を、東京急行電鉄が神奈川県横浜市に「シブヤ109アウトレット」を出店するなど、アウトレット専業者以外の新規参入も目立っている。

が、右肩上がりで成長してきた業界に異変が起きている。

昨年6月、老舗モールが「アウトレット」の看板を下ろした。1993年に国内初のアウトレットモールとして誕生した埼玉県ふじみ野市の「アウトレットモールリズム」だ。

開業当初は40のブランドが出店していたが、2000年以降退店するテナントが出始め、閉店時にはわずか数店しか残っていなかった。運営するエス・オー・ダブリューは「規模が小さく、施設を広げる余地もない。このままアウトレットとしてやっていっても、2強(三井不動産とプレミアム・アウトレットを運営するチェルシー・ジャパン)に太刀打ちできない」と話す。同商業施設はイオンモールの力を借り、7月にSCとして新たに出直す計画だ。

08年に大阪コスタモール、09年には千葉のコンサート長柄が閉鎖するなど、アウトレットが廃業するのは初めてではない。が、当時とは状況が異なる。アウトレット市場は00年以降、年率5%以上の成長を続けてきたが、11年は前年比約2%の成長にとどまったとされる。東日本大震災の影響があるものの、業界内には「一時の勢いはない」(大手デベロッパー)との声も出始めている。

アウトレットの“減速"について、船井総合研究所の岩崎剛幸上席コンサルタントは「完全にオーバーストア状態」と分析する。実際にアウトレットはこの5年間で全国に8カ所増加。既存施設の増床も積極的に行われている(表)。

さらに、こうした状況はアウトレットの魅力自体を低下させる別の事態も引き起こしている。

もともとアウトレットは、アパレルブランドなどが都心の百貨店などで処分できなかった在庫商品を、値引きして販売するのが特徴。ところが、店舗数が増えるにつれて、近年「リーマンショック後に在庫圧縮が進み、(アウトレットに)回せる商品が減っている」(大手メーカー)。いきおい、売り場を維持するためにアウトレット向けの専門商品が作られ始め、中には「5割以上が専用商品になっている店もある」(同)。

だが、専用品の氾濫は目の肥えた消費者の客離れを招くおそれもある。今後さらに出店や増床が続けば、商品不足に拍車がかかり、アパレルだけでなく、アウトレット自らのクビを絞める事態にもなりかねない。

■品定めするアパレル 2強以外は逆風も

こうした中、今後はアウトレットの中でも明暗が分かれることになるだろう。

一段と勢いを増しそうなのが、三井不動産とチェルシーの2強だ。すでに全国38カ所あるアウトレットの半数は両社が運営しているが、「会社帰りに立ち寄れる駅前施設、カジュアルブランドをそろえたスーパー隣接施設、レジャーと一体化し、幅広いブランドをそろえた郊外施設など、差別化すればアウトレット市場はまだまだある」(三井不動産・商業施設本部の清水聖主事)と今後の出店にも意欲を見せる。

実際、11年から13年の開店と増床のほとんどは、同社とチェルシーによるもの。怒濤の店舗拡大によってチェルシーの12年3月期の売上高は308億円、営業利益は87億円に上り、それぞれ5年前に比べて約70%膨らむ公算と、業績は順調に伸びている。

対して、集客力のカギを握るアパレル側は「(アウトレットに)該当する商品はそう多くない。出店は少なくなる」(大手アパレル幹部)と消極的だ。ただ、「三井不動産とチェルシーは有力アウトレットを持つ重要な取引先。誘われたら、ほかのモールから撤退してでも出たい」(同)との本音も漏らす。

こうした傾向が強まれば、拡大する2強のあおりを受けるアウトレットが出てくることは必至。市場成長が続く一方、生き残りを懸けた戦いが始まりつつある。

公務員 規模大きい企業のみ調査し「民間の方が退職金高い」

2012-03-21 11:31:43 | 政治
地方公務員の給与をさっさと削減しろ 

「公務員の退職金が高すぎる」との批判を受け、川端達夫・総務相は「民間並みに退職金を引き下げる」と大見得を切った。しかしこの「退職金減額」には詐術が潜んでいる。人事院調査で公務員の退職金が民間を上回ったが、これまでの調査では常に「民間の方が少しだけ高い」という発表がなされてきた。

 2006年調査では、民間は2980万円で国家公務員の2960万円より20万円高い。そして、「民間並みにする」という理屈のもと、退職金の底上げや職域加算の必要性を唱えてきた。ところが、同時期に行なわれた厚労省「就労条件総合調査」によると、大卒者の退職金平均額は2026万円で、人事院の調査と乖離がある。

「人事院の調査対象は企業規模が50人以上で、サービス業が除かれるなど、最初から“高給企業のみ”になっている。中小企業のサラリーマンの退職金や給与の実態は全く反映されていない。そもそも約4割の民間企業には企業年金がありません」(社会保険労務士の北村庄吾氏)

 退職金の前提となる調査の「お手盛り」だけでなく、公務員の退職金には「二重取り」が横行している。官僚トップの事務次官の退職金は約8000万円であるが、彼ら「スーパー官僚」は“渡り”とよばれる天下りを繰り返して、複数の天下り先から2度目、3度目の退職金を得ている。

 天下りの恩恵が少ない地方公務員には、「水増し」のテクニックがある。公務員の退職手当は、係長や課長などの役職に応じた「階級」と、勤続年数に応じた「号給」で決まるが、多くの自治体では「合成」と呼ばれる階級の操作で退職金を水増ししている。関東地方のA市役所職員が明かす。

「課長補佐は5級、課長は6級といった具合に、給料は階級ごとに増えます。簡単にいえば『合成』とは、5級と6級を合体して“新5級”を作り、課長補佐でも課長と同じ給与水準にすることです。退職金の額もそれに比例して増やすことができる」

 退職直前に号給を引き上げる「特別昇給」という裏ワザもある。“勤続年数を延ばしたこと”にして、支給額を水増しするのだ。A市役所を例に取れば、課長補佐が「合成」と「特別昇給」を経て退職した場合、退職直前の給与は約41万円から約46万円となり、それに伴い約2600万円の退職金は1割以上もアップするという。

※週刊ポスト2012年3月30日号