俺の死因

ばっちい話で恐縮だが、最近痰が酷い。

介護の仕事をしていた時、ちょうど介護士が痰の吸引を認可するのしないの騒いでいたのね。

当時、痰の吸引なんて何で必要なのかわからなかった。大袈裟な機械まで用意して。

しかしながら、今は大変よくわかります。

寝たきりでこれだけ痰が出ていたら、間違いなく気管に詰まってあの世行き。

まあ、寝たきりでなくとも俺の死因は痰詰まりの窒息の可能性が高い。

喫煙者なので肺癌を罹患するかもしれないけど、直接の死因は窒息。これだな。

もちろん交通事故とか座間のアパートへ連れ込まれるとかもあるけど

「たられば」を言っていたらきりがないので、現状をしっかり自己分析。

今起こりうる死因をイメージしておかなければ。

ある日急に机の引き出しが開き、中から猫型ロボット（メイド服とか着てないやつ）が出てきて

「２２世紀から来た。あんたの面倒見てやるよ。まずその餅をよこせ」的なことに遭遇。

よくよく話をしてみると、猫型は俺の死因を知っている。

人間、いつかは死ぬとわかっていても、リアルに死に様を知ってるやつに会いたくない。

いや、もうすでに会っているのかもしれない。俺に黙っているだけで。

猫型じゃないだけで、俺がどのように死んでいくのか知っている。でも黙ってる。

そうなれば俺も負けてはいられない。ぎりぎりまで死ぬ素振りを見せない。

野生動物のように。

そんな中、ちゃんと死因をイメージしておかないと相手を欺けない。

あくまで俺の死因は俺が決める。