2012年のエドガー賞受賞作、喪失(モー・ヘイダー)を
読んでみた。
同年、東野圭吾氏の「容疑者Xの献身」と競って、受賞した
とのことだ。
著者は、東京でホステスや英語の教師をして暮らしたことも
あるというからユニークだ。
和書なのに488ページもあり、ちょっと、分厚いと尻込みを
したが、84章に分かれており、約5ページごとに場面が変わる
というのが、非常にスピーディーに感じた。
ストーリーとしては、少女が、車の後部座席に乗ったままで
車ごと拉致される事件が多発する。カージャック目的なのか、
すぐに降ろされる子もいるが、帰ってこない子もいるのだ。
また、主人公の捜査責任者と副主人公ともいえる潜水捜索隊の
リーダーの女性捜査官には共通の秘密があるのだ。
著者が、女性のせいか、拉致された女の子に対する母親の心配や
愛情の深さの描写が、すごいなと感じる。ちょっと、ウルっと
くる場面もあった。
潜水捜索隊というだけあって、洞窟探検などのシーンも豊富であり、
私の好きなプレストン&チャイルドにも似ており、非常に楽しく読めた。
一方で、最後まで、読み切った後に、振り返ってみると、ちょっと、
疑問に感じる犯人像、動機なども感じないではなかったが、勢いで、
最後まで、一気に読ませてしまうのは、やはり、ただものではなかった。
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