ジェイムズ・リー・バークのMWA長編賞を受賞した本作品を翻訳で読んだ。
正直言って、これを原書で読んだら、かなり、理解に苦しんだであろうと思った。
翻訳版で読んでも結構、苦労したのだから。
最後の解説で、ジェイムズ・リー・バークは、もともとは、純文畑に身を投じていたとのことだ。
それで謎が解けた。
何とも、その表現は、複雑で、拡張高く、情景描写が多く、ただのハードボイルド作品、ただのミス . . . 本文を読む
本当に久しぶりにボブ・ラングレーの本を読んでみた。
山岳ものは、非常に面白く、すべて読んだ。そのあとも、何作か、ミステリーを読んだが、これは、いわゆるローラーコースター・サスペンスというやつだ。
たぐいまれな美貌をもつ女性が主人公で、人気ニュースキャスターへの道を歩む。
一方、過激な極右組織が、合衆国政府を支配しようと、主人公を利用して、メディアを操作しようとするのだ。
ローラー・コースタ . . . 本文を読む
新聞書評で選んだ英国推理作家協会賞受賞のミステリーだ。裏表紙の説明が、ちょっと、やりすぎている。一番、最後のクライマックスの内容が書かれているのだ。巨匠の代表作とも謳っている。
確かに、一番、盛り上がるときなのだが...
それだけ、ストーリー的には、少々、ごったごった感があった。詰め込みすぎ、ミステリーではあるが、謎解きも無理やりすぎていて、あまり、頭に入ってこない感がある。
会話も、英国的 . . . 本文を読む
新聞の書評で興味を持って、古いSFである、本書を読んでみた。(1969年初版)不倫した人妻を追って主人公の医師が、やってきた森は、なぜか、封鎖されていた。
その理由は、何等かの理由で、結晶化が進んでいるためだった。
無理して、封鎖を搔い潜って友人夫妻の病院を目指す。
といったストーリーだ。とにかく、その結晶化していく森の描写が素晴らしい。しかし、ストーリー的には、森の中をぐるぐる回ったり、結 . . . 本文を読む
多分、新聞の書評を読んで、読む気になったのだろう。ミステリーで、しかも、絵画の盗難にかかわるのだからと。
図書館から借りてきて、その古さに驚いた。
1976年に再版されたものだから、50年近いことになる。そして、読み終えて、訳者のあとがきを読んで、もっと、驚いた。あの、「飛ぶ教室」や、「エミールと探偵たち」を書いた作家の著書なのだ。
読んだことはないが、その題名には、子供ながら、興味を持った . . . 本文を読む
新聞の書評で、薦められたクリス ハマーの「渇きの地」を読んでみた。2021年に英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞している。
とても、新人離れしている濃厚な作品だ。
もともと、ジャーナリストとして、30年活動していただけに、謎解きの主人公も、ジャーナリストだ。
オーストラリアの教会で、牧師が銃を乱射し、5人を殺害する。一年後、町に訪れた新聞記者の主人公が、牧師をかばう住民の証言に、何故、牧師 . . . 本文を読む
このブログに最もあった題名の小説を読んでみた。
ちいさな炭鉱町で、記念碑などの破壊のあと、つぎつぎに人が殺害されていく。
行政官の命で、この町民の取材をゆるされた主人公が、正体不明の奇病におかされた町民とインタビューをし、謎をとこうとするのである。
今までに読んだことのないミステリーと言っても過言ではない。
翻訳家は、大変、苦労しただろうと推測される。編集者も、この作家の熱烈なファンのよう . . . 本文を読む
サマセット・モームは、うん十年前の学生時代、「人間の絆」を読んで以来だ。
あの、サマセット・モームが、小説家が主人公のスパイ小説を書いていたのか?
それどころか、ウイキペディアによると、サマセット・モーム自身が、実は、諜報活動をしていたという事実に驚愕して、この本を読んだ。
小説家が、諜報活動に関わるという設定は、よくある設定らしい。
過去読んだ、ジェフリー・アーチャーの作品の中でも、記憶 . . . 本文を読む
書評で高い評価であり、エドガー賞受賞作の本作品を読んでみた。
先日、読んだ佐々木譲の「エトロフ・・」と同じく、真珠湾攻撃の時期を舞台にしているのに興味を持ったのも一つの理由だ。
読んでみて、驚いた。自分のイメージしていたものとは、全く、違っていたのだが、自分の好みの文体と、好みのストーリー展開、見事な結末だったのだ。
近年、読んだ小説の中でも、5本の指に入る傑作と言っても良いだろう。ストーリ . . . 本文を読む
アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞の本書を読み終えた。
なかなか面白かった。第一容疑者だった主人公が、自分の嫌疑を晴らすために、いつのまにかシロート探偵になっているのだ。
場所の設定も、エジプト、ピラミッドの見れる実際に存在する高級ホテル、メナハウスホテルなのだ。
登場人物も、それぞれ、過去に明かせない秘密があったり、怪しい人物も多く登場する。
若干、話の展開に無理がある気もしないではないが . . . 本文を読む
新聞書評でお勧めの本書を読んでみた。
ウインダム図書館という創設者の本だけを保存している図書館には、おかしな規約があった。
一切、本を増やしたり、減らしたりしてはいけない。それを確認するための監査が入ることがあるというのだ。
そのウインダム図書館で、学生が殺害される。
主人公がユニークだ。大学の学寮付き保健師の女性なのだ。
普段から学生の体調や困ったことの相談にのってやることから、警察を . . . 本文を読む
新聞の書評で見つけた本書を図書館で見つけて、読んでみた。
英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞受賞作とのことだ。
インドのボンベイが舞台で、英国外交官が殺害される。
はきだめのような警察署の中で、インド初めての女警部が担当となる。
女性ということで、警察組織の内外でも逆境に立たされながら、正義感旺盛で、頑固なまでに不屈な主人公が、難事件に挑む。インド、パキスタンの分離独立運動や、共和国 . . . 本文を読む
ノーベル文学賞作家、ウイリアム・ゴールディングの代表作、「蠅の王」を読んだ。
子供の時、ロビンソン・クルーソーや十五少年漂流記を歓喜して読んだ記憶がある。
自分の海への憧れは、このころ、形成されたのではないかと思われる。
今回、読んだ作品には、まったく、違う少年たちの島での生活が描かれる。
最後の解説で、初稿の時に、書かれていた共産主義圏と、自由主義圏の間の核戦争勃発によりイギリスの学童が . . . 本文を読む
コルソン・ホワイトヘッドの「地下鉄道」を読んだ。
ピュリッツアー賞受賞作で、書評で薦められていた作品だ。
19世紀、アメリカ南部農園の奴隷少女、コーラの物語だ。
母親は、少女だったコーラを置いて、農園から、逃亡した。成功した唯一の例だった。
とても、無理と考えたコーラも、少年、シーザーから奴隷を逃す「地下鉄道」の話を聞き、一緒に、逃亡するこに決める。
それからが、大変な逃亡劇の始まりだっ . . . 本文を読む
2019年に著者のデビュー作として刊行され、2020年には、エドガー賞の最優秀新人賞にノミネートされたという。
ドクトル・ジバコを書いたロシア作家パステルナークの人生と、CIAのタイピストながら、スパイとして、このドクトル・ジバコのロシア語版をロシア国内に密に手渡しで広めていった物語を並行して描いている。CIAが公開した文書と創作の部分があるというが、よくもこのような小説を書けるものだと舌をまく . . . 本文を読む