このブログに最もあった題名の小説を読んでみた。
ちいさな炭鉱町で、記念碑などの破壊のあと、つぎつぎに人が殺害されていく。
行政官の命で、この町民の取材をゆるされた主人公が、正体不明の奇病におかされた町民とインタビューをし、謎をとこうとするのである。
今までに読んだことのないミステリーと言っても過言ではない。
翻訳家は、大変、苦労しただろうと推測される。編集者も、この作家の熱烈なファンのよう . . . 本文を読む
サマセット・モームは、うん十年前の学生時代、「人間の絆」を読んで以来だ。
あの、サマセット・モームが、小説家が主人公のスパイ小説を書いていたのか?
それどころか、ウイキペディアによると、サマセット・モーム自身が、実は、諜報活動をしていたという事実に驚愕して、この本を読んだ。
小説家が、諜報活動に関わるという設定は、よくある設定らしい。
過去読んだ、ジェフリー・アーチャーの作品の中でも、記憶 . . . 本文を読む
書評で高い評価であり、エドガー賞受賞作の本作品を読んでみた。
先日、読んだ佐々木譲の「エトロフ・・」と同じく、真珠湾攻撃の時期を舞台にしているのに興味を持ったのも一つの理由だ。
読んでみて、驚いた。自分のイメージしていたものとは、全く、違っていたのだが、自分の好みの文体と、好みのストーリー展開、見事な結末だったのだ。
近年、読んだ小説の中でも、5本の指に入る傑作と言っても良いだろう。ストーリ . . . 本文を読む
アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞の本書を読み終えた。
なかなか面白かった。第一容疑者だった主人公が、自分の嫌疑を晴らすために、いつのまにかシロート探偵になっているのだ。
場所の設定も、エジプト、ピラミッドの見れる実際に存在する高級ホテル、メナハウスホテルなのだ。
登場人物も、それぞれ、過去に明かせない秘密があったり、怪しい人物も多く登場する。
若干、話の展開に無理がある気もしないではないが . . . 本文を読む
新聞書評でお勧めの本書を読んでみた。
ウインダム図書館という創設者の本だけを保存している図書館には、おかしな規約があった。
一切、本を増やしたり、減らしたりしてはいけない。それを確認するための監査が入ることがあるというのだ。
そのウインダム図書館で、学生が殺害される。
主人公がユニークだ。大学の学寮付き保健師の女性なのだ。
普段から学生の体調や困ったことの相談にのってやることから、警察を . . . 本文を読む
新聞の書評で見つけた本書を図書館で見つけて、読んでみた。
英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞受賞作とのことだ。
インドのボンベイが舞台で、英国外交官が殺害される。
はきだめのような警察署の中で、インド初めての女警部が担当となる。
女性ということで、警察組織の内外でも逆境に立たされながら、正義感旺盛で、頑固なまでに不屈な主人公が、難事件に挑む。インド、パキスタンの分離独立運動や、共和国 . . . 本文を読む
ノーベル文学賞作家、ウイリアム・ゴールディングの代表作、「蠅の王」を読んだ。
子供の時、ロビンソン・クルーソーや十五少年漂流記を歓喜して読んだ記憶がある。
自分の海への憧れは、このころ、形成されたのではないかと思われる。
今回、読んだ作品には、まったく、違う少年たちの島での生活が描かれる。
最後の解説で、初稿の時に、書かれていた共産主義圏と、自由主義圏の間の核戦争勃発によりイギリスの学童が . . . 本文を読む
コルソン・ホワイトヘッドの「地下鉄道」を読んだ。
ピュリッツアー賞受賞作で、書評で薦められていた作品だ。
19世紀、アメリカ南部農園の奴隷少女、コーラの物語だ。
母親は、少女だったコーラを置いて、農園から、逃亡した。成功した唯一の例だった。
とても、無理と考えたコーラも、少年、シーザーから奴隷を逃す「地下鉄道」の話を聞き、一緒に、逃亡するこに決める。
それからが、大変な逃亡劇の始まりだっ . . . 本文を読む
2019年に著者のデビュー作として刊行され、2020年には、エドガー賞の最優秀新人賞にノミネートされたという。
ドクトル・ジバコを書いたロシア作家パステルナークの人生と、CIAのタイピストながら、スパイとして、このドクトル・ジバコのロシア語版をロシア国内に密に手渡しで広めていった物語を並行して描いている。CIAが公開した文書と創作の部分があるというが、よくもこのような小説を書けるものだと舌をまく . . . 本文を読む
先般、過去に読んだ作品を選んでしまったので、別の作品も読みたいと、本書を選んだ。
「犯罪」を凌駕する短編集とのことだが、正直言って、少し、この作家の短編に慣れてしまったのか、初めて、「犯罪」を読んだときの、驚きなどは、起きなかった。
15作品からなる短編ということで、中には、かなり、短いものもある。最後の作品、「秘密」などは、何と、4ページしかないのだ。まるで、小話のような趣だ。
どれも、本 . . . 本文を読む
読売新聞の書評を読んで、この本を図書館から借りたのだが、シーラッハという名前に記憶があり、調べたところ、何と、2011年、12年前に、はやり、読売新聞の書評でこの本を借りていることに気が付いた。
内容については、まったく、覚えていなかったが、作者の名前のみ薄っすらと記憶があったわけだ。
その時のブログの抜粋を書くことにしよう。---------------------------------- . . . 本文を読む
T.ジェファーソン・パーカーが、米国のエドガー賞を2度目に獲得した「カリフォルニア・ガール」を読んでみた。
最初の受賞作、「サイレント・ジョー」に負けない厚さ(646ページ)にちょっと、疲れたが、読み終えると、その満足感に浸ることができた。
首を切り落とされて殺害された女性の幼いころを知るベッカー家の4兄弟の物語だ。長男は、牧師。次男は、刑事。三男はベトナム従軍。四男は、記者。とそれぞれの人生 . . . 本文を読む
T.ジェファーソン・パーカーは、米国のエドガー賞を2度獲得した数少ない作家だ。’2002年、2005年)
その最初の受賞作、「サイレント・ジョー」を読んでみた。
600ページ以上あり、ちょっと、大変だなと思っていたが、読みやすく、どんどん引き込まれていき、あまり、気にならなかった。
赤ん坊の頃、父親から硫酸を顔半分にかけられ大やけどをおった少年が、施設にいるところを、政界の実力者 . . . 本文を読む
2009年の米国エドガー賞受賞作だ。
元ロサンジェルス市警の警官4人組が、仲間を殺人する現場を、釣りに行った姉妹は目撃してしまう。
逃げた姉妹を、その元警官四人は、保安官の捜索に協力することを装って、口封じを画策するのだ。姉弟が逃げ込んだ牧場主のジェスは、二人を救うことができるのか?訳者のあとがきが面白い。「読みだしたら止まらない」の常套句が、この本にぴったり当てはまるという。
牧場主のジェ . . . 本文を読む
何と、26人の海外のミステリー作家によってリレー形式で、書かれた一冊のミステリー小説が、この本だ。
どうやって見つけたか、忘れてしまったが、おそらく、ジェフリー・ディーバーの小説を探していて、偶然見つけたのだろう。
読んだことのある作家としては、ジェフリー・ディーバーのほか、トマス・H.クック、テス・ジェリツェンなどがいる。目的は、癌の慈善団体への寄付のために、アンドリュー・F.ガリーという編 . . . 本文を読む