昭和11年から、昭和22年の間に、青森、秋田、網走、札幌の
4つの刑務所を脱獄した人物と、当時の時代背景を克明に
に記録した読売文学賞を受賞した力編だ。
よくも、ここまで、仔細に調べ上げたものだとびっくりする。
名前は、佐久間清太郎という仮名だったが、実在の人物が
いるはずと、脱獄王で検索したところ、下記二人が出てきた。
西川寅吉:明治から大正時代に日本で最多の5回も脱獄し、
5寸くぎを足に刺したまま逃げたので、”5寸釘の寅吉”と
して有名な脱獄魔。
http://www.youtube.com/watch?v=aYsTA-nA1kk
白鳥 由栄:昭和の脱獄王。4回の脱獄ということで、こちらが、
小説、破獄のモデルと考えられる。
超人的な体力と腕力を持っていたと言われる。確かに、小説
の中でも、手錠の鎖を引きちぎったり、煙突の支柱を抜くシーン
があった。
また、壁を斜めに走って、壁の上に手をかけ、刑務所を脱走するなど、
サスケも真っ青な脚力や、スパイダーマンのように、壁を登ることもできたようだ。
不思議な力を持った人間がいるものだと感心するのだが、
その中で、囚人を、ただ、厳しく押さえつけるだけでは、
白鳥のような反骨精神の塊のような人間には効かない
ものだとつくずく感じた。
府中の所長が、思い切って、手錠をやめたり、他の囚人と
同じに扱ったり、人間として扱うことにより、白鳥は、模範囚に
生まれ変わったようである。
人間ドラマも感じる作品だった。
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