桂歌丸師匠の独演会を聞きに行った。
お身体を悪くされているので、なかなか地方への公演も大変だと思うのだが、それでも頑張ってやってくださっている。
長年続けた「笑点」を5月に勇退され、しばらくはゆっくりできるのかと思いきや。
隔週で収録していた土曜日には、続々と地方公演のスケジュールが1年先くらいまで組まれ、ちっとも休めないのだそうだ…。
あぁ、もう、歌さん。
お身体を大切に。
独演会とは言いながら、小遊三さんや円楽さんが前座を務め、なるべく歌さんには30分以内の演目で済むような配慮がなされている。
小遊三さんの「
代わり目」良かったです。
酔いどれの旦那と、車夫、嫁さんとの間で交わされる丁々発止のやり取り。
憎まれ口ばかり叩いている旦那だけれども、実は嫁さんのことが大好きだし、感謝しているという、人情話的なしつらえ。
円楽さんはエロかったす♪
今回、アテクシは前から2列目の真ん中という超いい席で♪
皆さんの顔がよく拝める。
円楽さんというのは、「男」ですね。
もう前期高齢者の書類が届くとかいう話をしていたけれど、なんというか妙な色気がプンプンしている「男」ですよ、あの人は(笑)。
相変わらずの安定感もさることながら、歌さんのことを本当に愛しそうに、憎まれ口を叩きながら笑って見つめている姿に
アテクシはほろッときた。仲間なんだなぁと。
歌さんは『
井戸の茶碗』を披露してくれたのだが、もう、出囃子を聞きながら歩いて高座に上がることも彼は難しい。
ので、一旦彼の出の前には、緞帳が下がるのね。車椅子で高座まで寄せて、酸素吸入をして息を整えてから、さ、幕が上がる、と。
そんな大変さは、一度高座にあがれば微塵も見せない。
声も綺麗に張っている。
所作の一つひとつも美しく、まぁ端折った感じの「井戸の茶碗」なので、茶碗が全然出てこないうちに話が終わってしまったんだけれど(笑)。でも、今の彼の体力では、これが精いっぱいなんだろうなと。
前から2列目であったから、幕が下がる最中にお辞儀している歌さんの顔の表情までよく見えた。
終わってほっとして、苦痛に顔が歪んでいる。
彼は肺気腫、COPD、脊柱管狭窄症、腸閉塞などを患っている。
もう、病気のデパートだよね。
この8月で80歳になられた。(誕生月、一緒っこね、歌さん♪)
生きているだけで精一杯だよね、ほんと。
あの苦しそうな表情が、目に焼き付いて。
辛いのだろうなぁと。
それでも高座の上では美しく声を張り、指の先まで神経を行きわたらせ、少しも弱ったところなど見せていない。
嗚呼、ほんにプロですなぁ…。
どうかあまり無理はしないで欲しいと思うとともに、それでも声の出る限り高座にあがりたいという歌さんの想いが、できるだけ長く叶うように、と。
願わずにはいられない。
歌さん、大好きよ♪