(私の中の麻央さんのイメージは、スイートピー。こちらの方から写真を拝借しました。)
堀越麻央さんが齢34歳にして、乳がんのために先日亡くなった。
友人がラインで「しんとする」と送ってきたが、本当にそうだなと思う。
人の死に際して何か言葉を送ろうと思っても、他所の人間が紡ぎだす言葉など所詮空虚なもので。
アテクシはね、海老蔵は好きではなかったんですよ。
若い頃は、まぁボンボンで、色々息苦しいこともあってのヤンチャだったのだろうなということも重々承知はしているのだが、如何せん「ガキだなぁ」と思っていた。実に整った顔立ちをしてるものの。
でも、麻央さんと結婚して、子どもが生まれて。
乱闘騒ぎなどの不祥事もあったけれども、麻央さんが一生懸命支えて。
その後あたりから、彼は心を入れ替えて、真面目に歌舞伎の芸能に取り組むようになった気がする。
彼の背負う運命も辛いものではあるだろうなとは思う。
本来「職業選択の自由」というものは人間に認められているはずなのに、彼の場合、それは事実上ないものね。
でも、幼少期から血肉に歌舞伎が染みついているわけだから、結局、その道を歩むしかないのだろう。
ただ、それを強制されるか、自ら望んで進んでいくかの精神的な違いだよな。
アテクシは別段麻央さんのファンでもなかったが、海老蔵さんにはいい嫁さんだったんだろうなということは分かった。幸せそうだったし、海老蔵が「小僧」から「漢」に成長していくようであったから。
だから、麻央さんが乳がんに侵されているという話が出た時には、胸が痛んだ。
アテクシ自身、親しい人を癌で亡くしたこともあったし、その最期の日々を一緒に過ごしていたこともかつてあった。だから、最近の彼女の写真を見て、あぁ、もう長くはないだろうなと自然と分かってしまう。夏を超えられるだろうかと思っていたところでの訃報であった。
ここ数日の海老蔵さんの奮闘が、胸に詰まる感じだね。
自分だけでも抱えきれない辛さがあるのに、子どもたちのこともどうにか支えたいと頑張っている。
妻の逝った翌日にも舞台を無事務め上げたのは、役者として見事なもの。
役者とはそういう稼業とは思っていても、やはり心中いかばかりであろうかと。
周りにも支えてくれる家族もいるし、友人たちも気遣ってくれているようだけれども。
それでもしばらくは辛いだろう。
子どもたちもあまりに幼く、母親を最も必要としている時期で心配。
どれほど頑張ろうと父親では、母親の代わりはできないからなぁ…。
今の海老蔵さんは好きよ。
頑張っているなと思う。
キャパ以上に頑張っているんだろう、きっと。
少しずつ、落ち着いていってくれるといいのだけれど。
子どもたちがちゃんと笑えるようになるといいんだがな。
少し時間はかかっても。
みな、見守っているから。
大丈夫。あなたは十分すぎるほど頑張っているよ。
海老蔵さん、一歩一歩、ゆっくりいきましょう。
焦らなくていいよ。
麻央さんはちゃんと傍にいるから。
ずっと、あなたの中に、いるから。
その愛と、苦しみは。
いずれ、役者として人としての、あなたの財産になる。
麻央さんからの最期の「ギフト」だよ。
「最高の喜びと苦しみ」を、あなたにあげる。
たまには、ゆっくり休んでおくれ。
(でも、休むと却って辛いんだよね。涙)
大丈夫だよ。
あなたはきっと乗り切って、立派な役者になる。
それが、麻央さんが最も望んでいたこと。
あなたは決して。
その望みを裏切れないだろう。