Sleeping in the fields of gold

小麦畑で眠りたい

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美しい花には、棘がある。

2010-03-29 | Weblog
ワイングラスの脚を右手の人差し指でゆっくりとなぞりながら、女はつぶやいた。

「私ね、時々思うの。言葉って本当に不便だなって。まるで『月と地球』のような関係だと思うのよ。月は地球の周りをくるくると回るけれど、決して近づけないでしょう?遠ざかることもできない。くるくる、くるくる。伝えたいことの回りをもどかしく回っているばかりで、本当に伝えたいことには決して届かない」

男はワインを一口含み、そっとグラスをテーブルに置いた。白い指を顎にあてて、しばし考え込む。
「しかも、地球から見えるのは月の一面だけだね。裏側は見えない。むろん、観測衛星でも飛ばせば別だけど」

今度はグラスの縁を静かになぞり、聞こえぬグラスからの音を楽しむように女は首を傾けた。
「そうなの。裏側は見えないのよね。表面的なことしか伝わらない。深く洞察したように思えても、そのイメージさえ、相手が自分に植えこもうとしているイメージだったりしない?時々思うわ。私、演技しているなって。とても近しい人にでさえ。心の奥の奥に…そうね、湖のようなものが横たわっているの。そこに小船が揺れている。静かに揺れているの。でも、人はそこに湖があることも知らないし、ましてや小船が揺れていることなんて知りもしないわ。勿論それは、私が人には見せていないからなんだけど」
そう言って、女は紅い唇でふふふと笑う。

男はもう一口ワインをすすり、唇を湿らせてから尋ねる。
「僕にも見せていないの?」

女は微笑みながら男の眼をじっと見つめる。まもなく、微笑が消えた。男の皮膚を貫き、眼球を貫き、頭蓋骨を貫き、脳髄を貫いて。その向こうに横たわる虚空を見つめる。その空間では、声を発しても決して音は響かない。
「分からないわ。全ては見せていない。でも、全く見せていないわけでもないと思う。たとえば今、こういう話をあなたにしていること自体、少しは伝えたいのだと思うから。」

女はテーブルクロスを見つめ、口をつぐむ。首を左にかしげながら男に媚を売るように問う。
「でも、あなた、知りたいなんて思っていないでしょう?知りたくないのよ。あなたにだけ心を開いている振りをして欲しいだけで。その優越感に浸りたいだけで。人の心に本当に触れる『怖さ』を受け入れる覚悟があるようにも見えない。少なくともその相手に、『私』を選ぶとも思えないわ。それに…。この湖の話をあなたにしてしまった時点で、もうあなたには湖を『発見』する可能性は残されていないのよ。なぜって、この湖の価値は、あなたが自力で辿りつくことにあるんですもの」

男は苦笑いしながら、答えた。
「君、それはずるいよ。だって、先に話してしまったら、僕には『発見』する可能性なんて初めから残されていないじゃないか。それは予防線だよ。実にずるいね。でも、君のそういうこずるいところも嫌いじゃないけど」
男はくすくすと笑いながら黒オリーブをつまんでいる。

「君は考えすぎだな。考えても答えの出ないことを考えすぎている。僕のポリシーは『5分考えて答えの出ないことは、一生考えても答えが出ない。考えている暇があったら、動け』というやつさ。決断は一瞬でできるものだよ。決めようと思えば、ね。答えは初めから自分の中で出ているんだ、大抵の場合。黒にしろ、白にしろ、大した話じゃないよ。人間の寿命なんてせいぜい百年だ。星の一生に比べたらなんということはない。とるに足らない話だよ。どう生きるかなんてことは。ニヒリストに聞こえるかもしれないけれど。生きることに意味はないし、価値もない。所詮、虫の一生だよ。だったら楽しく過ごした方が良くないかい?泣いて過ごしても、笑って過ごしても結局大差はないよ。同じことだ。時が来たら塵に還るだけさ。刹那的すぎるかな?

僕は今、君を抱きたい。たまらなく君の中に入りたい。何の約束もできないし、しない。あるのは情欲だけだ。でも、君を大切に抱きたいと思うし、できればその楽しい時間が長く続いてくれればいいとも思っているよ。ご都合主義だけどね、勿論。」
男は自嘲気味に笑いながら、女の左手の指に自らの右手の指を絡ませる。

「生きているというのは、こういうことだよ。少なくとも、僕にとっては」

女は上目づかいに男を見つめ、つぶやいた。
「羨ましいわ。そんな風に単純でバカを装えるのも、リスクの少ない男だからなのね」

「そうだよ。だからこの単純さを味わってみたいと思わない?今夜?」

女は男の指を見つめ、愛しそうに撫でながら答えた。
「…思わないわ。だって、あなたの指…短いんですもの。…とても。」

女はそう言い放つと、あっけにとられた男を残し、柔らかな微笑を浮かべながら音もなくテーブルから歩き去った。
薔薇の残り香だけが、男を慰めるようにあたりに漂っていた。

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櫻酒

2010-03-27 | Weblog
ふっくらとした櫻の蕾を一人で見あげていると、背中ごしに声をかけて来る者がある。

「まぁまぁ、姐さん。一杯おやりなさい♪」

振り返れば、そこに立っていたのは狐であった。九尾の白狐。
真っ白の。雪のような白狐。

「これは、これは。白狐殿。遠いところを。春の御見回りでござんすか?」
「ん~、なになに。それほどのことでも。花冷えじゃの」
白狐は首をすくめて、思いも寄らぬ春の寒さに手をすりあわせて息を吹きかけている。

白狐の云うとおり、櫻の蕾がほろこび始めたと思ったら、すっかり冬に逆戻りのような雨模様であった。首を伸ばした櫻も慌てて引っ込めるという具合である。

姐さんはただ、ほころび始めた櫻を愛でていたのであった。
夜の闇の中で。

「気が早いがの。一杯そちもやらぬか?」
白狐が袂からなにやらごそごそと取り出す。
白狐のふさふさとした左手には、淡い櫻色の小さな徳利が握られていた。にやりと目配せする。

「あれま。御前の気の早きこと。櫻酒でございまするか?」
姐さまは、袂で口元を隠しながらほほほ、と声も秘かに笑う。

白狐は自慢げにのたまう。
「新酒よ。土佐の桜守からもろうたのじゃ」
「まぁ、それはそれは。龍とも、馬とも判じかねる血気盛んな酒でござりましょうな。
それでは一杯。お相伴に与りまする」
姐さんは、右手を櫻木にそっと伸ばし、ほころび始めた蕾にふぅっと息を吹きかける。たちまち蕾はぽろりと姐さまの手に落ち、気づけばその手の中で花開き、五弁の櫻の盃となった。

白狐が徳利からとくとくと酒を注ぐ。
姐さまは櫻の盃にてそれを受け、一口、二口、三口。
ふぅぅと息をついて、飲み干す。

「まま、白狐様も一杯」姐様に誘われて、白狐も一口、二口、三口。
さらに一口、二口、三口。一口、二口・・・一口、二口・・・。

あれよ、あれよという間に、白狐は体中が櫻色に染まり始めた。
「これ、姐様。もう一杯♪」

とろんとした目で、もはや櫻狐となった白狐は盃を重ねる。
姐様はやはり、ほほほと袂で口元を隠しながら微笑むばかり。

櫻狐に春の朧月。
ほころびはじめた櫻が、夜の闇にゆらゆらといつまでも揺れていた。


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花冷え

2010-03-26 | Weblog

おともだちというものは、よきものでござんすね。
櫻の花びらのように、ほんのりと香る想いがありがたいもの。

あぁ、有り難し、有り難し。
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天使と悪魔

2010-03-16 | Weblog
たまたま先日クリオネの映像を見ておりました。
天使のようなクリオネ。

はー。
まーねー。
貝だしねー。

クリオネのお食事風景

一見の価値ありだす。
らんらんらら、らんらんらん~♪

肉食だしねー。
ちなみにあの捕食用の触手を「バッカルコーン」というのだそうです。

生き物の生態は奥深いのぅ…。
クリオネの餌になる巻貝に羽ついているやつ。あれもかわいいぞよ。

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若い芽

2010-03-14 | Weblog

天道虫は「幸運の象徴」だと言われる。
先日出会ったのは、その先触れであったのかなぁ(笑)。

近くに、遠くに、良いことの多い日であった。


若い芽は、すくすくと伸びていくものよ。
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春のおとずれ

2010-03-12 | Weblog
アパートの階段を上っていたら、滑り止めの黒いゴム部分になにやら紅い物体がいることに気がついた。

あら。
てんとうむし♪

かーわいい♪

両手一杯の荷物を家に置きに行ってから、そそくさと階段まで戻ってきて天道虫をザ・確保!だって、こんなとこにいたら、誤って踏まれてしまうかもしれないからねぇ。(←なぜか口調が婆)

てんとうむしは驚いてしまったのか、手に取ると死んだ振りをする。気づけばなにやらオレンジ色のうんこ、みたいな物体が手についている。嗚呼。ごめんよぅ。怖がらせちまったねぇ。

ベランダの植木に乗せる。
天道虫、復活!

のちに調べてみたところ、どうやらオレンジ色の憎い奴は、いわゆる大でも小でもなく、「関節から出す体液」なのだそうだ。威嚇や警告のためのものだそうで、苦味と異臭があるんだそうである。舐めなかったから気がつかなかったけど(笑)。

英語だとLadybird(英)やLadybug(米)などと言われる天道虫であるが、このLadyというのはどうやら聖母マリア様のことらしい。聖母マリアに仕えるような美しい虫、と。(しかし、なんでbirdやねん?虫なのに)

フランス語などだと「聖母の牛」とかドイツ語だと「聖母のカブトムシ」とかいう意味だそうで。それもどうなんだ…?だから、虫やって。(笑)

しかし、明らかに欧州圏ではキリスト教の背景から名前がつけられていて、日本語では太陽に向かって飛んでいくから、と「天道虫」になっているあたり、なにかこうアニミズム的というか、宗教観の違いのようなものをまざまざと感じますねぇ。他のエリアでも調べてみたら面白いでしょうねぇ。

うちの植木でゆっくり休んで、元気になったら飛び立っておくれ。

七星のひとつが、コンマ(,)マークみたいにちょっと流れている、粋な子ですわいな(笑)。
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秀雄はB型?

2010-03-11 | Books
あぁ、面白かった。(←庄野潤三風に)
時間つぶしに本屋に寄って、実はその日はなんだか頭も重くて体調が悪かったのであるが、何を血迷ったか、目に付いた小林秀雄と数学者の岡潔の本を買ってしまったのである。

秀雄、苦手じゃなかったっけ?
えぇ、えぇ。そうですとも。
苦手です。

先日そんな話を友人としたところ、友人のそのまた友人で秀雄好きな人がいたそうで、こんな話をしてくれた。「小林秀雄は本当に知識が豊富で、あまりにも膨大な知識量があるものだから、気持ちが先走ってしまうところがあるのだ」とその友人の友人は言っていたと。書いている文章が秀雄の気持ちに追いつかず、よって、読者にとってはなんだか『途中がすっとばされた』感が残るのだ」と。

それを聞いてワタクシは大笑いしてしまった。
なぜなら、それは実に的を射た言葉であったように思うから。

知の巨匠とも呼ばれ、今世紀名の知れた批評家であるが、その素晴らしさがワタクシにはさっぱり分からなかったのだ。今まで。数もそんなに読んでいないこともあるが、ワタクシのようなナメクジ頭の人間には、一見で文の構成があたまに入ってこないとさっぱり趣旨が分からないのである。頭の出来の良いひとは「一般人にも分かるだろう」と難しい物言いをしてしまいがちであるが、頭の回転が速くて、知識量も豊富な人ほど「難しいことをサルでも分かるように簡単に言う」ということが、とても大切なのだ。それができないようでは、ワタクシはその人が「本当に頭がいい」とは認めない。

仮にも文章に書いて出版するからには、学術系の専門書ならまだしも、専門のバックグラウンドがない人だって当然目にする機会があるわけである。そういう人が、一読で(できれば何度も読み返すことなしに)分かるように、書けなければ、筆者が本当に自分の書きたいことを分かっているとは言えない。

秀雄には完敗であった。
しかし、そうでありながらも、骨董好きとか、その見識の広さには惹かれるものもあり、自分で読んで「分からない」ということが心残りでもあった。そのために、つい、今回も手に取ってしまったのだろうなぁ。しかも、相手が稀代の数学者、岡潔。

今回はこの二人の対談なのであるが。
まー、奥さん。(←誰だよ)
面白いですよ、これ。

面白いんです(笑)。

対談なので、口調はかなり砕けた感じで。
冒頭一行目から、秀雄が「今日は大文字の送り火ですね」と岡さんに言う。どうやら8月のお盆の頃の対談であったようだ。時は、1950-60年代くらいに行なわれた対談なのかなぁ。

その問いへの岡さんの答えが絶品。
「私はそういう人為的なものは嫌いです。小林さん、山は焼くもんじゃないですよ」

冒頭からワタクシは爆笑でした。
どうよ、この話のとっかかりを一刀両断してしまう感じ(笑)。

ワタクシは無学なので、しかも数学のさの字も知らない人間なので(数学を通り越して、算数のさ)この岡さんという方を存じ上げなかったのであるが、数学界の天才なのね。京大を出た方で、数学の長年解けなかった命題を一人で解いてしまった方であると。そんなことを一つも知らずに読んだのだが、この岡さんが、素晴らしいのですよ、本当に。

秀雄は相変わらず、突っ走る。しかも、秀雄は自分も文学とか芸術には造詣が深いけれども、数学のことはさっぱり(でも物理学は結構好きみたいなのさ)。結構「とんでもない」質問を岡さんにぶつける。(ワタクシにはその気持ちもすごく分かるのだけど)数学の公式を解けとか説明しろ、とかではないのだが、「数学」という世界の常識、ものの考え方などを、非常にいわば「文学的に」質問するのである。うわーーーっ。秀雄、なんてぇことを聞くんだ、数学者に向かって!(内心冷や汗ものである)

しかし、岡さんはその一つひとつに丁寧に答えてくださる。そして、分かりやすい。この数学音痴のワタクシが読んでも、岡さんが何を言わんとしているか、大抵の場合分かる。もう、感心。岡さん、すごい。だってワタクシがついていける。難しい数学の理念について、分かりやすく教えてくださる。そして、なにより凄いのは、岡さんが専門分野のことしか分からない「数学バカ」ではなく、非常に広い視野と知識を持っている人だということだ。この人は、ほんとうに天才だなぁ。こんな人に教わったら、ワタクシも数学好きになれたかもしれないと無茶な錯覚を起すほど。

勢いこんでいろいろ質問し、しかも、自分の得意な文芸分野に大抵話を引っ張っていきがちな秀雄を、岡さんが「ほほぅ、ほほぅ」と優しく見守ってくださる図がなんだか想像できるようであった。子供のように「知」への欲望に向かってひたはしる秀雄がまた、かわいいのである。小さな子供のように、この人は好奇心旺盛な。欲しい欲しいと思っていた、ある骨董商の徳利を、ある日秘かに盗んでしまったりするぐらい、おこちゃまな秀雄なのである(笑)。(この人、たぶん血液型B型じゃないかと思うんだけど(笑))

話の内容も数学の話であったり、哲学の話であったり、教育の話であったりと面白い。

しかし、一番面白いのは、この行間に見え隠れする、二人の「人柄」である。
二人の「息づかい」である。

奥さん、いや、新潮社の回し者じゃないんですが。
この内容で380円はお買い得ですよ♪





小林 秀雄,岡 潔
新潮社
発売日:2010-02-26
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隠れ給へり

2010-03-10 | Weblog
鎌倉の鶴岡八幡宮の大銀杏が、おりからの強風で倒れてしまったそうである。

あぁ、なんと悲しいことか。

鎌倉といえば鶴岡八幡宮で。八幡宮と言えば、まず思いつくのがあの大銀杏であったのに。
公暁がその陰に隠れて実朝を切ったと言われる「隠れ銀杏」。真偽のほどは分からないけれど、そのことはそれほど重要ではなく、そうした伝承のある古くからそこに立つ、樹齢千年にもなる木を目の前に、鶴岡八幡宮への階段を上っていくのは楽しみなことであった。

真夜中に一人で倒れてしまったなんて。
可哀想なことをしたなぁ。

中もボロボロだそうであるし、元に戻すことも無理なのだろうけれど。
千年も生きた木を倒れるまで放っておいてしまったことは、申しわけないことであろうなぁと思う。

今度訪れても。
もう、あの階段の脇にあの銀杏がないと思うと、とても不思議な気持ちがする。

ヤマアラシなんぞは「代わりの木を植えるだろ」と淡々としたものだ。
農家出の、日々植物と親しんでいた人の言葉とも思われないけれど、いやそれだからこそ、そうした淡々としたものなのかもしれない。自然は人の叡智の手の届かぬところにあるのだから、と。あるがままに受け入れる達観か。

悲しいなぁ。
悲しいなぁと思ってTV画面を見ていたのだが。

一つ、そこから逞しさを発見した。
バリケードが張られて、人は大銀杏のそばには今、近寄れないようになっているのだが。
八幡宮の鳩だけは、ひらひらと空から銀杏のそばに舞い降りる。八幡宮のお使いは鳩だから八幡宮の「八」の字は、実はよく見ると二羽の「鳩」が向き合っている字なんですよね。その鳩たちがえらく木のそばに寄ってたかっているものだから、なにをしているんだろうか?としばし画像を見ながら考えていた。

おおっ。
虫ですよ。虫(笑)。
いきなり地上に根が出てしまったから。
無数の虫たちが蠢いているのでしょう。

それを。
「ご馳走だ~~~!」とばかりに、鳩くんたちはむしゃむしゃ喰ろうておるのでございます。

いやはや。
逞しき哉。

銀杏は倒れて尚、なにものかの役に立っているのであるね。

大銀杏の君、千年の時を経て隠れ給へり。



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哲学的な問い

2010-03-09 | Weblog
本屋へ寄った。
寒いね、今日は。
ぶらぶら歩いて回りながら、どうも「これ」と言うものに出会わないなぁと思う。
映画とかTVドラマとかの原作、という触れ込みで売られているような小説ばかり。

分からないでもないのだけれど、そういう売り方「のみ」であることは、路面店の本屋として終わっているなぁと思う。

つまらないもの。
個性がなくて。

ぐるりと一回り。
見て回る。

行き着いた先は絵本ゾーン。
お下げのように紐が垂れ下がった毛糸の帽子を被った、そうだな、3歳くらいの女の子が一人で絵本を見ている。

ボタンを押すと音楽がなるようにできている絵本。
押す。
「おお牧場はみどり」が流れてくる。

このクソ寒い日に。
牧場は一瞬にして緑になる(笑)。

おお牧場はみどり~~♪

それから。
象の鳴き声とか。
いるかの鳴き声とか。

いろいろ。
聞こえてくるのである。

やがて、パパがどこからか少女に声をかける。
私にもパパの声は聞こえた。
その声に反応した少女がウロウロと声の主を探して、本棚の列を行き来する。

とことこ。
とことこ、ととと。

やおら、叫ぶ。

「パパ~~~っ!だれ~~~っ!!!???」

思わず。
吹き出してしまった。

嬢ちゃん。
それを言うなら。
「パパ、どこ~~~?」だよ(笑)。

パパ、誰って…。

それはとても。
ある意味、根源的な。
哲学的な問いだわなぁ…。

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2010-03-09 | Dreams

洗濯機の前に立つ。
洗物を中へ入れる。かがんでひょいと起き上がる。

すると。
つーるるる。

天井から何か目の前に落ちてきた。(ということを理解できたのは、事態を把握してからで)その瞬間には、目の前にそれがいた、という方がたぶん正しい。

茶色地に黒い迷彩模様のついた。
大きな蜘蛛。
ちょうど足の高さも入れれば、手のひらいっぱいはあるような。

魅入られたように思わず手のひらを差し出すと、蜘蛛はひょいと乗ってきた。
足に生えた毛がさわさわと肌に触れる。
口をもぞもぞと動かして、赤い目がきらりと光る。

あっ。
瞬間、蜘蛛はジャンプして私の左首にとりついた。

ちくり。
痛いと思ったその時には、蜘蛛はたちどころに消えていた。


それ以来、私の首元には吸血鬼に吸われたような痕がふたつ。

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2010-03-07 | Weblog
今日も一字ものですよ(笑)。

オープン・カフェに若い綺麗な女の子が二人座って、お茶を飲んでいた。
何かサンドイッチのようなものと飲み物を買ってテーブルに置いていたように思う。
そこへ、空からさーっと何かが足元へ舞い降りてきた。

鳩である。
ごく普通の。そこここの広場なぞで見かける。

あぁ、鳩だなと思って眺めていると、その鳩が女の子たちの足元へ寄って行く。
当然なにかパン屑のようなものがおちていないかしらん?ということで近づいたのだと思うのだが、その女の子のうちの一人がそれを察すると、足を「だんっ」と鳴らして鳩に向けて威嚇するのである。

えーーーーっと。
今のところ。
鳩は何もしていない。
テーブルに乗ってきてパンをねだるとか、そういうことはしていない。

足元をウロウロしているだけである。

しかし、その女の子達はどうしても鳩が嫌いならしく、少しでも寄る素振りを鳩がみせようものならば、足で「ダンッ」と踏みつけて追いやる。そのうちもう一人が、わざわざ席を立って脱いでいたカーディガンを振ってまで、鳩を追い払った。

まぁ、分からないのだけれど。
そこまで嫌わなくてもなぁ。

ワタクシは鳩とか雀とか寄ってきてくれるの、嬉しいけどなぁ。
海外旅行の醍醐味と言えば、教会での鳩の餌やリだし。(←ええええっ?海外まで行く必要がないのでは?(笑))

そんな一連の出来事があって、あー、あの鳩の名前はなんていうのだったけ、としばし空を見つめて考えていた。

しばらく考えてから、あ、そうか。
「ドバト」ね。

そして。
この「ド」はなんの「ド」であろうか?ということが、やけに気になってしまった。
思い至ったのは役に立たぬもの、というような意味で使われる「駑馬(どば)」の駑。

あー。
重いね。
駑鳩。なんだかどうしようもなく役に立たない感じである。でも、どこか厳かな風味も。

で。
家に帰ってから調べましたらば。
違うのですね。

「土鳩」
土。
なぜ、土?

土着の土なのか?
本当は「かわらばと」という種類らしいのだが、まぁ、通称「土鳩」ということのようで。

ふぅん。(←ちょっと中途半端)

で。
駑馬の「駑」はなぜ?
新たな疑問、浮上。

どどどどど。

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Y

2010-03-07 | Weblog
ワタクシは驚愕した。

友人とメールしていたらなぜかユーカリの話になる。
「これがユーカリ」とユーカリの小枝の写真を送ってくれた。もっと細長い葉を想像していたのだが、割合に丸みを帯びていて、しかもオリーブを半分に切ったような実がついている。とても硬そう。化石みたい(笑)。

もともとユーカリの香が好きである。以前カウンセラーに「寝る前にアロマもいいわよ?どんな香が好き?」と聞かれ「ユーカリなんか好きですね」と答えた。しばし間があってから、「ユーカリは覚醒作用があるから、寝る前ならばラヴェンダーとかの方がいいわよ」と言われる。その時、ほぅ、ユーカリには覚醒作用があるのか、と知った。(殺菌作用なんぞもあるらしい。)

まぁ、なんでもいい。
その時自分が良いと感じた香は、基本的に自分が欲している香なのだ。

ワタクシはユーカリが好き。
覚醒したいのか、自分(笑)。

で。そんな話がきっかけになり、ユーカリをネットで調べていた。ユーカリプタスが本来の名称であるが、ギリシャ語をラテン読み?したとかで、意味は「良い蓋」なんだそうだ。

なんじゃぁ、そりゃぁ(笑)
どうやらその硬い実ゆえの名称か、はたまたオーストラリアの大地を覆うようにユーカリが生えているからとか。水分をきちんと体内に保持しておくシステムに長けた植物なんでしょうね。

そして。ユーカリ繋がりでついでにコアラまで調べてしまった。
コアラ。別に興味もなんもなかったのであるが、ウィキペディアのある一文に驚愕した。

コアラのオスの性器はY字型。

えーーーーっ。
つまりペニスの先がY字。

ええええええっ?
苦悶。

Yなのか?Y。
カブトムシの頭みたくなっているのか。Y。

さらに驚愕、というか(ある意味当たり前なんだけど)コアラのメスの膣の形もY字。
ほほぅ~~~~。

感心した。
ワタクシはいたく感心した。

今までさほどコアラに興味なんぞなかったが、俄然本物を見てみたくなった。

このようにワタクシは、なんのことはない会話から俄然あらぬ方向へ関心が向かってしまうのである。

大いなる謎。
Y。

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桃の節句

2010-03-03 | Weblog

三月三日は、雛祭りである。
耳の日、とかじゃないのか?
桃の節句だって。

せっかくだから、と家人がスーパーの製菓コーナーで買ってきてくれた。
ありがたい。
ありがたいねぇ。
もう、雛祭りとかいう年でもないんだがねぇ。

で。
このケーキ。

なんか。すごい。
苺のショートケーキにも同じく、桃枝が「ぶっさして」ある。

とりあえず、「ぶっさしておけば、桃の節句完成!」とでもいうような。
そんな勢いを感じる。

すんごいセンスだなーと驚きつつ呆れ、なにやら恐れ入った感じがする。

うちのお内裏様とお雛様は遠い遠い空の下へ、攫われていることもあり。
きっともう、日本の地は踏めないのでしょうということもあり。
お雛様たちを出したらずぅっとしまわなかったおかげで、今があるのでしょう、ということもあり。

ケーキを食みながら。
すこし、しんみり雛祭りを想うのです。

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ずきん

2010-03-02 | Music


あぁ、なんだか。
ずきんときちゃったよ。

この人のことは全然知らなくて。
名前もどう読むんだろう?と思ったくらい。

清竜人『痛いよ』(きよしりゅうじん、と読むらしい)

たまたま別の動画を見ていたら「この動画を見ている人は、こんなのも見ていますよ?」というお薦めで出てきた。

顔は、ぶさいくね。どちらかと言えば。
なのに、ただ立っているこのコマだけで、ちょっと独特の雰囲気がある。
なんというか、ほら、どことなく「壊れた」感じがあるでしょう?(笑)

聞いてみたらね、驚きました。

だって、この顔からこの声は、ちょっと想像していなかったよ(笑)。
よく通りますね。歌い方とかはベタッとしていて、「この子歯を矯正した方がいいなぁ」とか、ちょっと演技はいりすぎやろ、とか思うんですけども、でも総体的には上手いっすなぁ。

日本語の歌というのは割と歌詞で聞かせるところが大きいように思うのだけど、歌詞が上っ面を滑っていない。ベタな恋歌だけれど、歌詞をちゃんと自分のものにしている、彼は。

なんかねー。
個人的な思い出とごっつ被りました(笑)。

昔フった年下の彼たち(←達?なのか!)に責められているような気分になりました(笑)。
あぁ、なんか申し訳ないことしてしまったなぁとか。
あぁ、振らないで大事に取っておけば良かったなぁとか。

一生懸命で、一生懸命に向き合ってくれているからこそ、年上の私には重荷で。到底、こちらを支えるだけのものは期待できない。
それは相手の年齢や経験を考えれば当たり前で、期待してはいけないし相手が精一杯やっていたのも、もちろん分かっていたのです。でもだからこそ、自分が楽になれるところがなかったんですね。辛くて、でもその気持ちを相手に相談することもできなかった。彼に負わせてはいけない、自分で背負わなければというへんな男気のある女なもので…(苦笑)

なんかそういう昔の話が、走馬灯のようにこの曲を聴いていたら思い出されました。

結構、粘着質の声ではあるが、他の曲もちらっと聞いてみたら、拍の取り方とかがいわゆるJ-POP的でない感じもあり、さらに曲の展開にも意表をつくようなとこがあって、面白い子だなぁと思いました。あまり日本の枠にとらわれていない感じのする子だなぁ。
若干20歳。ひゅーーーっ!

私は、この子はあんまり大きく売れないでいいかなぁと(笑)。
うちに「詩人の魂」みたいなものを持っている子だから。
あんまり商業的になりすぎて、スポイルして欲しくないなぁと。

若い男の子。
いいねぇ(←そこかっ!(笑))

遠い昔を思って。
ずきん。




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