deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう9‐1

2010年01月06日 23時01分49秒 | 物語系
今にも雨が降ってきそうな、とても重い空模様。
「傘忘れちまったな~…。」
あの【黒い石】をもらった日もこんな天気の悪い日だった。
『あの…、すみません。』

俺より一回りぐらい年齢が上の女性が話しかけてきた。
『鍵をなくしてしまって。一緒に探してもらっていいですか?』
「…時間がないので。」
去ろうとすると、ものすごい力で俺の腕を引っ張ってきた。
「痛い痛い!分かったって。」
『ありがとうございます。』
「どこで鍵をなくしたんですか?」
『ちょうどその辺りに…。』
「どこだ~?」
『本当にありがとうございます。お礼に、あなたを殺して差し上げます。』
「はい?」

びっくりして避ける。
「っと、あっぶね~。」
手のひらサイズの石を持って、その女性は俺を殴りにかかってきた。すかさず女性は今度は首を絞めてきた。
『あの方のところには行かせないよ。あの方は女王になる方なんだ。』
「ゴホっ…。【ブラックブレット】…。彼女の身体の力は抜ける。」
その女性は手の力緩めると同時に倒れこんだ。
「…ゲホっゲホっ。あんた誰だよ。」
『やっぱりあんたも【黒い石】の能力者だったんだね。』
「どういうことだ。」
『私たちも【黒い石】の能力を持っているのさ。』

君の額にピストルを突きつけよう8‐3

2010年01月01日 23時50分33秒 | 物語系



一通り事情聴取が終わり、刑事は帰っていった。タケオの死因は、橋からの落下による脳内出血だった。
3日前の、タケオが亡くなる日。橋で待ち合わせするまでどこで何をしていたとか。
どうしてそこで待ち合わせをしたのかだとか。タケオとの仲はどうだったとか。タケオの胸には、焼け焦げたような黒い模様がついているだとか。

『ありがとうございました。それでは失礼します。』
刑事は軽く頭を下げ、病室から出て行った。俺の言葉は信じてもらえたのだろうか。
「ハァ…。」
『どうしたのよ、ため息なんてついて。』
「いや、3日も過ぎてたんだなって思ってさ。」
『そうよ。あんた全然目を覚まさないんだから。医者に聞いても命に別状はないって言うだけだし。』
「そっか。…もう意識も戻ったし退院するよ。行かなきゃならないところがあるし。」
『そんなに慌てなくても。』
「それが急がないといけなくてさ。よっと、…っとと。」
ベッドから出て立ち上がる際によろめいた俺を、父と母が心配そうに寄った。
母は俺の二の腕を擦って心配そうな顔をしている。父は無理をするなよと言いながら頭を撫でてくれた。
「じゃあ行ってくる。あとよろしくね。」
『気をつけてね。』

病室から去り、彼女に言われたあの場所へ。と、その前に。病室の入り口まで戻り、二人を見つけ、セットする。
「【ホワイトブレット】。彼女に関する記憶を全て忘れる。」
そのまま病室に入り、忘れ物をしたとかなんとか行って二人に彼女のことを話しかけてみた。
『そんな子来たか?』
『私にも分からないわ。』
どうやら触れられただけでもこの能力は使えるようだ。なんとかなるだろうか。
今から覚悟を決めなきゃならない。例えそれが、君の額にピストルを突きつけることになろうとも。

君の額にピストルを突きつけよう8‐2

2009年12月31日 13時23分33秒 | 物語系



『あら、今日も来てくれたの?ありがとうね。』
「母さ…ん、なんで?どういう…こと。」
『このお嬢さんが、あんたを助けてくれたのよ。道端で倒れてたあんたを。ほら、お礼ぐらい言いなさい。』
「なんで、君が…ここに?」
『よかった。目が覚めたんだね。』
「だって君が…、タケ」
喋っていた俺に、彼女は抱きついてきた。
『ホントに、よかった。』
涙を流し、心底心配してくれているようだ。何がなんだか訳が分からない。突然の彼女の行動に、頭の中はパニックを起こしていた。

彼女は耳元で囁き、すっと離れていった。そしてそのまま父と母に頭を下げ、病室を出て行く。
『今時の子は大胆ねぇ。お母さんびっくりしちゃったわ。キレイな娘じゃないの。あんたもなかなかやるわね。今度はちゃんと紹介しなさいよ。』
「ち…違うって!」
『そんなムキにならなくてもいいわよ。』
『母さん、それぐらいにしておきなさい。友達が亡くなってこいつも冗談が言える状況じゃないんだ。』
『あら…。それも、…そうね。』
父の一言でこの話は終わってくれた。かのようにみえたが。
『でもお父さんも、あんな娘がお前の嫁さんにきてくれたら嬉しいな。』
「…だ・か・ら。」
【コンコン】。
『失礼します。警察の者です。』
警察が来て、今度こそこの話は終わった。でもその代わりに、空気は少し重くなっていた。

『意識が回復したそうで。目覚めたばかりで悪いのですが、事情聴取をさせて下さい。』
『あの…、この子はまだ意識が回復したばかりなので、後日ではいけないでしょうか?』
『すみません、お母さん。ミゾハタ タケオ君の事件で不審な点が幾つかありましてね。息子さんの意識が戻り次第お聞きしたいので。』
『でも、あの。まだろくに意識がはっきりしていない状態で事情聴取をしましても…。』
「いいよ、母さん。なんとか、答えられるから。」
俺も知りたかったのかもしれない、真実を。

君の額にピストルを突きつけよう8‐1

2009年12月29日 01時05分13秒 | 物語系
気付いたらベッドだった。ここは…病院だろうか。何度も俺の名前を呼んでいる母親と、安堵のため息をついていた父親。何がどうなってる?大事なことを忘れているような…。

「…タケ…オ…?そうだよ!母さん、タケオは?!」
『ミゾハタ君?あの子は…。』
そう言うと母は俯き泣いていた。
『亡くなったよ。警察の調べだと橋から落ちたそうだ。』
父は少し低い声で教えてくれた。夢じゃなかったんだ。夢であってくれと思ってた微かな望みは、フッと吹かれて消えていった。
【コンコン】。
ドアを叩く音がする。
『失礼します。』

何故だろう。何故彼女が、病室のドアを開け花束を持ってそこに立っているのだろう。タケオを殺した、彼女が…。

君の額にピストルを突きつけよう7‐3

2009年12月25日 01時15分01秒 | 物語系



帰り道、手で作ったピストルを見ながら考えてた。
「どうせならもっと違う能力にしたらよかったかな。探し物が見つかる能力とか、運命を変えられる能力とか。あ、誰かの心を操る能力ってのもいいかもしれないな。…でも結局は今持ってる能力か。っとと。」
電話が鳴る。電話をかけてきた主はタケオだった。

「やっとかけてきたか。あ、もしもし。お前何やってたんだよ。心配して」
『リュウジが死んだ真相が分かった!やっぱりあいつが絡んでる。』
「ちょ、ちょっと待て。落ち着けよ。あいつってのは誰なんだ?」
『電話じゃなんだ。川の下流の橋に来てくれ。話はそこでする。』
タケオの落ち着きのなさが気になった。
「分かった、今すぐ行くから。」
日が暮れようとしている。時刻は夕方の6時を回っていた。普通ならタケオに会うことに不安がないのに。その時は妙な胸騒ぎがした。


君の額にピストルを突きつけよう7‐2

2009年12月23日 23時35分45秒 | 物語系



いつの間にか眠っていた俺は目が覚めると、彼女に膝枕をしてもらっていた。見上げると、彼女もウトウトしている。もう夕方なんだ。

『ん…?あ、起きたんだ。』
「すんません、いつの間にか眠ってたみたいで。おまけに膝枕までしてもらって。」
『いいよ、いいよ。気にしなくていいから。ちょっとは元気でた?』
「はい、なんかどことなくスッキリした感じです。」
『そっか、よかった。よし、じゃあそろそろ帰ろっか。』
「そうですね。」

『そうだ。君の名前を教えてくれない?』
「そういえばまだ名前言ってなかったですね。俺の名前は…」
『あ、やっぱいい。』
「へ?」
『次会った時に教えて。』
「あ~…、じゃあ次会った時に。」
『うん、じゃあね。』
彼女はそう言って帰っていく。
「あのっ…。」
『ん?』
「お姉さんの名前はなんて言うんですか?」
『ん~、内緒。それも次会った時にね。』
「残念。」
『じゃあね~。』
手を振って別れをしたが、もっと一緒にいたかったという寂しさがあった。またすぐ会える。何故かそんな気がしていたんだ。

君の額にピストルを突きつけよう7‐1

2009年12月23日 00時50分18秒 | 物語系
「実は友達が…。」
『あ、話てくれる気になったんだ。よし、じゃあ座りたまえ。』
彼女はベンチに腰掛け、俺を見ながら横の空きスペースを軽く叩く。座ったはいいが、緊張してしまいガチガチになって、彼女の顔さえ見れない。そんな俺の顔を覗き込んで、彼女は脇腹を突いてきた。
「おふっ。な…なにするんすか。」
『話があるんでしょ?は・や・く。』
「あ、そうでした。何から…話していいか分からなくて。友達が…、親友のリュウジが死んだんです。突然死んじゃって、ホントは怒って蹴りを入れてやりたいんですけど、ハハ。死んじまってるから、無理っすよね。」
『君…、泣いてるよ。』
「え?」

知らない間に涙を流していた。出てきた涙を拭っていると、彼女はそっと俺を抱き締めて
『辛かったね。泣きたい時は、泣いていいんだよ。』
涙止まらなかった。ずっと泣けなかった涙腺の弁が開放されたかのように、ひたすら泣いた。
リュウジの名前を何回も言って。何回もリュウジに謝って。何回もどうしてって言って。でもそんなことを言ってもリュウジは戻ってこない。分かってたけど、涙と共に言葉は止まらなかった。

君の額にピストルを突きつけよう6‐4

2009年12月22日 00時11分02秒 | 物語系



リュウジが飲んでいた可能性のある居酒屋を虱潰しに当たってみた。でも結局全面だった。リュウジを最近見ていない、そんな客は知らない。来た客のことなど、一々覚えていない。そんなのばっかりだ。
タケオに連絡をとってみるものの、あいつから連絡はなかった。結局行き詰まって、いつもの公園でボーッとしていた。不意に視界が暗くなる。
『だーれだ。』

ヒンヤリと冷たい手の感触が目に当たる。びっくりして慌ててベンチから離れ、後ろを確認した。
『おっす。どうしたの?元気ないじゃん。』
「…はぁ。びっくりした。」
安堵で肩の力を抜いてホッとしている俺の姿を、彼女は笑っていた。
『びっくりし過ぎだって。何か考え事してたの?』
「あー、まぁちょっとだけ。」
『よし、お姉さんにドンと悩みをブチまけなさい!恋愛相談ならなんでもござれ。』
「あ~っと…、恋愛相談はないんですけどね。」
『え~?私君の役に立ってないね。』
彼女はションボリして拗ねてしまった。
「いや、そういうわけじゃなくって、その…、あの…。」
『プッ。ハハハハハ。冗談だって。君はホント面白いね。』
「ハハハ。そうっすかね。」
彼女は楽しそうに笑う。俺は照れながら笑う。なんかこの空気がいつまでも続いたらなんて思ってた。こんなに笑ったのはいつぐらい振りなんだろう。


君の額にピストルを突きつけよう6‐3

2009年12月20日 00時48分35秒 | 物語系
「もしかして、女と飲んでた…とか。」
『考えられるとしたらそれしかないかもな。女の前じゃ飲めない酒をガブガブ飲むやつだからな。それともう一つ引っ掛かるんだよ。』
「なんか他にあるのか?」
『川で溺死は、ないだろ。』
「あいつのアパートは…、たしか国道沿いだったな。下流からも遠いし。しかも川って言っても、だいぶ浅いよな。」
『なんか引っ掛かる。用事もないのに川の下流のほうまでは行かないだろ?』
「タケオ…。」
『ん?なんだ?』
「ホント探偵みたいでな。」
そんなことを言うと、タケオから拳骨が飛んできた。
「いっ…て~っ!」
『とにかく、リュウジの死には納得がいってねぇ。しばらく探してみる。』
「探してみるって、何を?」
『証拠。』
「将来は探偵にでもなるのか。」
『そうだよ。じゃあな。』
タケオの目の下のクマは、リュウジを探しててできたものかもしれない。俺はそんなことも知らず、二人のことを気にも留めていなかった。せめてリュウジの死の真相の手掛かりがあればと、俺も動き始めた。

君の額にピストルを突きつけよう6‐2

2009年12月18日 23時31分30秒 | 物語系



朝っぱらから電話が鳴る。
「ん~…。誰だ~?…はい。」
『馬鹿野郎!早く出ろ!』
「あ?タケオか?んだよ、こんな朝早くから。」
『いいか、よく聞け。…ジが…たんだ。』
「え?誰がどうしたって?」
『リュウジが亡くなったんだ。』
「はい?どういうことだよ。」

当たり前なのだろうけど、葬儀場は暗くて重い雰囲気だった。
『おう、来てたのか。』
タケオが前から歩いてきた。目の下にクマができている。眠れなかったのだろうか。
「タケオ…。リュウジのやつ。」
『川の下流のほうで溺死だとよ。かなりのアルコールが体内からでたみたいでな。酷く酔ってたそうだ。』
「なんかお前、探偵みたいだな。」
『うっせ。でも考えられねぇな。』
「…?何がだ?」
『リュウジが飲み過ぎたことなんてあるか?』
「そういや、いつも少ししか飲まないな。」
『あいつ酒あんまり好きじゃなかったからな。』
その時脳裏浮かんだのは彼女だった。


君の額にピストルを突きつけよう6‐1

2009年12月17日 23時44分38秒 | 物語系
いろんな人に、あれから四種類の弾を試していた。バイト先で皿を割ってしまった時、怒り絶頂の店長に【ホワイトブレット】を撃ったり。
優等生のガリ勉君にノートを見せてもらうよう、【ブラックブレット】で記憶を書き込んだり。
近所のボケたじーちゃんに、家族の記憶が蘇るようにと【セピアブレット】を撃ったり。
押し売り販売が断れないことに困っていた後輩に、断れると信じ込ませ【ブレット】を撃ったり。

いろんな人にいろいろ試して、それが楽しくってさ。すっかり二人つるむことを忘れてた。
タケオはたまに連絡があったからよかったけど、リュウジは鍵が見つかった時から連絡がなかった。大方遊び惚けているんだろうと思ってた。けど、違ったんだ。

次にリュウジに会ったのは、葬儀場だった。
リュウジは死んでしまったんだ。
俺たちに別れもなく。

君の額にピストルを突きつけよう5‐3

2009年12月17日 00時01分27秒 | 物語系


「あ、あの…!」
『?…はい?』
「えっと、その。あ、リュウジの鍵見つけてくれてありがとうございました。」
自分でなんで声かけたのか、なんでこんなこと言ってんのか分からなかった。でも彼女は、
『あ、鍵ね。えっと、鍵なくした子、リュウジ君だっけ?ね、見つかってよかった。』
「ありがとうございます。あいつよく物をなくしてるんで。」
『鍵置きっ放しで帰ってったから、私追いかけたんだよ。でももういなくってさ。だからあの辺りをぶらぶらしてたらリュウジ君に渡せるかも、って思ってね。』
「ありがとうございます。」
『なんで君が礼を言うの?面白い人だね。』
笑ってる彼女の顔はとても可愛かった。

「あの…。また、会えますか?」
笑ってた顔は、少し寂しそうに見えた。でも彼女はにっこり笑い、
『うん、また会えるよ。よし、じゃあ約束しよっか。』
「え?ホントですか?」
俺のところに近付いてくる彼女。心臓がこれでもかというくらい、ドクドクしている。
『はい、手出して。指切りしよ。』
「は、はい。」
『指切りげんまん。嘘ついたら針千本のーます。指切った。』

手を振って公園から去っていく彼女を、見えなくなるまでずっと見送っていた。周りからみたら俺の行動は変態ちっくなのかもしれない。
『よう、よう、そこのお兄さん。大学さぼって女とイチャついてたのか。』
タケオが肩を組んできて茶化してくる。
「どっから見てたんだよ。」
『指切りから。それより顔が真っ赤だね~。夕陽で赤いのか、恋をして赤いのか。』
「ほっとけぃ。」
『ま、お前が誰を好きになるのもかまわないけどな。でもあの女はやめとけ。』
「どういうこったよ。まさかリュウジやお前が惚れてんじゃないだろうな。」
『ねぇよ。あの女に関する黒い噂がけっこう流れてるんでな。親友としての忠告だ。』
「なんだよ黒い噂って。」
『あの女に関わった男はみーんな、死んでるか廃人のようになってるってこった。ま、あくまで噂だけどな。』
「じゃあ俺は信じない。」
『言ってろ。』
タケオから聞いた黒い噂なんて、信じるつもりもなかった。でも数日後、信じたくない光景を目にする。

君の額にピストルを突きつけよう5‐2

2009年12月15日 23時17分40秒 | 物語系


その日は能力を使わないで過ごしてみることにした。そうしたら、痛みもなく、夜をグッスリ眠ることができた。

次の日は、【ブレット】をリュウジに向けて撃ってみた。バイトをしようか迷っていたリュウジの気持ちをバイトする方向へ持っていき、そのまま【ブレット】を撃ち込む。リュウジは見事、バイトすることに決めた。めでたし、めでたし。

夜もうなされることなく、またグッスリと眠れた。やはり三発撃ち切ったら、原因不明の症状が出るみたいだ。
「結局のところ、この線が濃厚だね。二発が仮限度か。こりゃなかなかに不自由だ。」
蒸し暑い6月。大学に行く気怠さがあり、いつもの公園でダラダラしていた。
ボーッとしては、手でピストルの形を作り、鳩に向かって撃つ真似をする。
ピストルの先を公園の入り口に向けた。誰か歩いてる。どこかで見掛けたような…。
(あれ?この前リュウジの鍵渡してた人じゃ。)
気が付いたら入り口まで走っていた。

君の額にピストルを突きつけよう5‐1

2009年12月15日 00時20分55秒 | 物語系
「あー、いって~。」
家に帰って改めて考えてみた。弾数には制限があったんだ。
「【セピアブレット】と【ホワイトブレット】。あと帰り道によく吠える犬に【ブラックブレット】を撃ったんだっけ。」

噛まれる手前で俺に懐くように撃った一発目はきれいに逸れてしまう。続けて二発目は撃てない思っていた。でも結果は三発連続で発射できたんだ。
「でも三発撃った後は【ブラックブレット】が撃てなかったな~。…復活するのか?三発撃ったらもう二度と撃てませんとかじゃ…ないよな。」
そのままベッドに倒れると、知らない間に眠っていた。

その夜は、身体中に痛みが走っている感覚に陥った。関節が熱くなり、痛みが脈打つようにズキズキする。でもなぜか目を覚ますことができなかった。悪夢を見ているような、そんな感覚。
目を覚まして時計を見ると朝の6時過ぎだった。異常な程グッショリとかいた汗は、現実に起こったことを教えてくれた。
「なんなんだよ、これ。能力と引き換えに毎日これか?それとも弾を使い果たしたら?だ~…もう、これきっついな。」