暇に飽かさたな。

はまやわらかいブログ。

ぼうけんのしょ1

2007-03-25 23:30:46 | Weblog
 やっと普段の生活に戻ってきた。今日はランダウリフシッツの統計物理学をオカズに、数人で6時間ぐらいかけて議論した。やっぱ物理がある生活はいい。

 ここの所結構うだうだ悩んでいたのだが、結構吹っ切れた感がある。対等な関係で話を聞いてくれる人の存在ほど大きいものはないなぁ、とひしひしと感じてしまった。


 さて、旅の様子を思い出しながら書く。暇な人は読んでください。

初日:
 東海道線を一路西へ。その途中、いったん熱海で降りてみた。私の脳内には「熱海=温泉街=観光地」の等式があり、推移律を適用することによって「熱海には見るべき場所がある」という推論を立て下車したのだがここ何もねぇの。車の排気ガスでなんか臭いし工事してるし道は細いのに車ばしばし通ってるし。行こうと思っていた美術館も閉館日だし。これはmyミス。

 とはいえ、海はある。見るものがなくて人はいなくても、海があるのがうらやましい。埼玉には海がないから。浜辺のベンチに腰掛けて海を眺めていたら、なんだか世界が解体していく感じを得た。熱海ごときで自分を脱構築できてしまうのは、普段どれだけ束縛をかけていたのかということを思い知らされた。


 それから再び西へ進み、大垣に到着した。ここでは市内を観光した。「水の街」ということで、きれいな川が流れていたのを見て、ふと、水ということについて考えた。

 水は、古来人間の敵であった。水害、かんばつ、台風など、あるべきところにあり、ないほうがいいところからは除くべき対象として存在した水を手なずけることは治世の基本であった。
 しかし現代の我々にとって水は「ちょっとオモシロそうなもの」程度の意味しか持たない。テーマパークの言うところの「あなたの冒険心をくすぐる」ための舞台装置程度の意味しかない。駅前には噴水が設置され、この大垣の市街地を流れる川は淀まぬよう流量を少し多めに調整されているがそれはあくまで人間の手の内である。
 別の言い方をすれば、この水は動物園の動物とも思える。おりの向こうに大人しく飼いならされた水を見て、我々は喜ぶのだろう。このアナロジーから、私は「水には表情がある」、もっと言えば「水には人格がある」ということを感じる。水というものは、人間に負けず劣らず豊かな表情を見せてくれる。時に怒り狂う彼を鎮めるだけだった近代の我々は、水の楽しそうなせせらぎの表情さえもひょっとしたら忘れてしまったのかもしれない。


2日目:
 琵琶湖・彦根城セットを見てきた。琵琶湖は風が吹くと波が立っているように見える。不思議発見。あと、彦根城内の庭のベンチでボケーっと座っていたとき、素敵なお姉さまに写真を頼まれお取りして差し上げた。そのとき「ずっとそこに座ってらしたのでお願いしてしまいました。」と言われたのだが、時間を確認すればなるほど確かに10分以上座って眺めていた。いやぁ、頭を空っぽにする経験、ここの所とんとなかったからなぁ。心地よかったです。いやもちろんお姉さまの声が。。

 その後金沢に移動。はじめ、琵琶湖の西を回ると勘違いしていたのだが、東を回って北上した。このあたりの電車や駅は琵琶湖基準で作られていることを知る。琵琶湖の西回りの線路と東回りの線路が交わるところにある駅(近江塩津駅と言いました)で次の電車の待ち合わせをしたのだが、驚くほど小さな駅だった。駅前に自販機が一台あるだけというのは、軽いカルチャーショックを受けた。


3日目:
 金沢市内観光。まず兼六園に行った。3月と言うのに雪が降り出しむちゃくちゃ寒かったけれど、梅と雪を同時に見られたのはすごく得をした気がした。しかし何より人が多すぎる。観光客が多いだけならまだいいのだが、ご年配の方がツアー的な何かで大挙してやってきて、「右手に見えますのは」式のガイドを聞きながら足早に庭を歩くのはどうも風情に合わない。

 その後市内の21世紀美術館というところに行った。いわゆる現代美術というやつが展示されている美術館なのだが、現代芸術は自分から主体的に考えないとわけがわからない。しかしその中にはどんなに考えてもわけの分からないものがある。そしてそういうものに限って、やたら存在感ばかりある。だから頭に残る。だから時々考える。そうするといつか自分の中で腑に落ちる。ただ無為に胃もたれするわけじゃないんだな、と思う。個人的には、タコ足配線用の三叉タップをたくさん接続して(三叉だから立体が構成できる)ウサギを作り、その頭に電球を一つ接続して(タップだからちゃんと点灯してる)作ったオブジェ「ワカメちゃん大ピンチ(木村太陽・作)」が好きでした。あと、なぜかゴダールの映画もやっていたのだけれど、奇跡的に観たことのあるものだった。ちょっと疲れてたから観ようと思ったのに・・・。


4日目:
富山県高岡発一日中電車を乗り継ぎ埼玉県戸田公園に着く。この日は、旅の反省会みたいになったのでよかった。



 各駅の旅は楽しい。18切符は5日分なので、あと一日残っているから、鎌倉あたりの日帰りスポットへまた行ってこようと思う。




 なんだか春休みの宿題みたいだなぁ。。。