ワックスを塗る

朝、いつものように掃除を始めたら、
家人が急に「今日はワックス掛けをするぞ」という。
「どうして今日するの？」
家人いわく「ちょうど半年たったからだ」
そんなにキチンとしなくてもいいのに。
ぶつぶつ言いながらも仕方なく荷物の移動を始める。

まず、和室にシートを敷きリビングのソファーを運ぶ。
次に小間物や植木、コロ付きのテレビ台も
ゆっくり押しながら畳に傷がつかぬように動かす。
最後に台所のテーブルをかかえて移動させる。
和室は物置のようになった。

掃除機をかけ、水ぶきをし、汚れを取る。
ワックスを塗るのは家人の役目。
途中ワックス液がなくなったが、
何とか夕方までには終わった。

荷物のないリビングは広々して気持ちいい。
「椅子もみんな捨てようかしら」そんなことを
話しながら、きれいに乾いた板の上に寝転がった。
「腰がいたあーい」「背中がいたーい」と言う二人。
「もう年だからこれで終わりにしよう！」
「この前もそういったと思うけどね」
忘れたころにまたワックスをかけるでしょう。