カナカナ、カナカナ、このひぐらしの声を聞くと、
心の中が何となくさびしくなる。
真夏の太陽が、夏休みが、夏の思い出が
過ぎ去ってしまったかのように思う。

カナカナ、カナカナ、さびしげに鳴く。
もう夏も終わりだと告げているようだ。
毎年、お盆が終わった頃、実家でよく耳にしていた。
真夏にジイージイーとうるさく鳴く、
アブラゼミやクマゼミとは対照的だ。
かれらが鳴かなくなったと思ったら、ひぐらしの出番。

よくテレビドラマなどで、カナカナ、カナカナと聞こえると、
「あっ、鳴いてる、あれはいやだなあ」と私はすぐ反応すると娘が笑う。
鳴き声を聞いただけで、何故だか切なくなるなあー。
静かな緑の中で透き通った鳴き声は、
夏の騒々しさから秋への郷愁を覚える。

街の中では聞かないのでどうしてだろうと思ったら、
ひぐらしは山里にしかいないそうだ。
今年もまだ聞かない。
山に行かないと聞こえないのかな。
またテレビの中だけだろうか。
