松山英樹プロのマスターズ優勝を育んだ日本の「お辞儀文化」
松山英樹プロのマスターズ優勝はゴルフファンならずとも多くの日本人に喜びと勇気を与えてくれた。
更に、感動は日本人初、アジア人初のマスターズ制覇だけに止まらなかったのである。
図らずも、世界のゴルフの聖地とも言えるオーガスタから日本の誇るべき、伝統文化の一つともいえる「お辞儀文化」 が世界に発信され世界中で大反響を巻き起こしているという。
ことの発端は、松山プロが優勝を決めたホールアウトの直後、キャッディを務めた早藤翔太さんの グリーン上での 何気ない「コースへの一礼」が全世界を、感動させたのである。
キャディーを務めた早藤さんによると、特別な感情は何もなくて、「ありがとうございました、ただそれだけでした」と話している。
無意識のうちに、日ごろ身に着けた感謝の心があの「一礼」になったようである。 言葉以上に感謝の気持ちを相手に伝えられるのが、日本の伝統文化ともいえる「お辞儀文化」である。
SNSでもツイートが拡大し、元世界ランキング1位のウエストウッドさんも 「これまで目にした、ゴルフスポーツにおいて おそらく最も敬意があり相応しいことだ。
ヒデキ、彼のキャディ、 そして日本は素晴らしかった」と結んでいるという。
「いかなる時でも お辞儀はし足りないよりは し過ぎた方がよい」とロシアの文豪トルストイも言ってはいるが、 私の知る限りでは西洋など海外ではお辞儀はあくまでも神に対するものなのかもしれない。
「日本のお辞儀文化」は他人に敬意を払い心からの感謝を伝える日本の伝統的な生活習慣である。
「八百神信仰のバックボーンの中で通常の生活レベルでも他者を意識しリスペクトする日本の伝統文化はまさに
他者を重んじる文化であり、言い換えれば「達者のある文化」とも言えるのだろう。
お辞儀に象徴される日本の「他者のある文化」が全世界に広まって欲しいとも思う。