岩切天平の甍

親愛なる友へ

ワーキング・プアー

2008年03月05日 | Weblog

ニュース特集番組の取材でイェール大学に来ている。
(この文は放送終了後に書いています)

ワーキング・プアについての特集。
日本の自治体が経費削減を目指してその業務(清掃、上下水道、ガス管理など)を民間に委託し始めた。
これまで公務員として働いていた人達が解雇されると同時に自営業者となり、入札による仕事争奪戦は最低賃金まで落ち、収入は激減、生活のめどが立たない。

経費削減とは無駄使いを無くすと言うことではないのか?
我々が削ってほしい無駄とは、そういう部分だろうか?

経済活性化をうたう規制緩和の名のもとに悲惨な事になっているタクシーやトラックの運転手を思い出した。
一体、損をするのはいつも一番弱い者たちではないか。

ニューメキシコ州サンタフェでは、七年前に“人間らしい生活ができる賃金を”と、最低賃金がおよそ二倍に引き上げられた。
当然雇用者達は猛反対したが、経済専門家(イェール大学の教授)による「結果的に地域経済にもプラスになる」と言う調査報告を持って、先ずは自治体業務から始められ、そして民間に移行していった。
これを参考にできないだろうか。

番組の中の僅かな部分の取材だが、もしかしてこれを見た人が、「これではいけない、何とかしなきゃ。」と思ってくれたら・・・。
こういう仕事の末席に働ける幸福に、思わず武者震いを覚える。