Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

7月19日~7月29日 ヨーロッパ運河の旅 フランス北部アルザス地方を行く 19/07-29/07 European canal cruise Alsace in France

2017-07-30 | 旅行

Mesue川からCanal Marne au Rhineへ

7月19日(水)Pegny Sur Mueseを出航。オランダ・ベルギーそしてフランスに入ってしばらくのあいだひたすら遡行してきたMeuse川(オランダではMAAS川)に別れを告げてRhine川へと繋がる運河Marne au Rhineに入った。ここからしばらくは下っていくことになる。今日はいきなり800mを超える長いトンネルに始まり、次の町Toulまでわずか15㎞で12のロックを越えなければならない。

朝8時半に出航、すぐ先のトンネルに入る。前のトンネルと違い照明があったが水路の幅はほぼ変わらず左右の余裕は1mほどしかない。前回の苦い経験から超スロー運転で一度も船体を擦ることなく無事通過。

そのあとはほぼ600mごとにロックがある。幸い対向してくる船がなく、すべて待ち時間なしにロックを通過することができたため、忙しかったが昼過ぎには目的地Toulのマリーナに舫いを取ることができた。ここしばらくシャワーもトイレもないところに係留することが続いたが、こちらは施設の整ったゆったりしたマリーナで、一息つくことができそうだ。

水不足でMeuse川の通行が禁止となる

複数の船から、今通ってきたMeuse川が水位低下のため通行できなくなったと聞いた。マリーナオフィスで確認したところ、今朝からVerdun付近でロックがクローズされたという。運河化されているとはいえ、もともとは川だから渇水期にはそういうこともあるようだ。我々はつい数日前にそこを通過してきたばかり。滑り込みセーフだった。隣に係留していたオランダ艇はホームポートに戻るため、Mosel川・Rhine川を通るルートに変更せざるを得ず、かなり大回りになるとぼやいていた。

Toulは運河沿いにある、城壁に囲まれた小さいが素敵な町だ。町の大きさの割にゴシック様式の大聖堂は外観も中も素晴らしいものだった。

7月21日(金)Toulを出航、途中からMosel川に入り下る。この川も運河化されているため流れはほとんどない。久しぶりにロックも川も、幅広くゆったりとしたクルーズを楽しんだが、それもつかの間、再びMarne au Rhine運河に入り、ここからはまた昇りのロックになる。3つのロックを通過し午後4時前Nancyのマリーナに舫いを取る。

アートの町Nancy

Nancyは19世紀に花開いたアールヌーヴォーが生まれた町と言われる。金メッキされた繊細なデコレーションのゲートや街灯に囲まれたStanislas広場はその代表的なもので、世界遺産に登録されている。うれしいことに、この町には常設の大きなマーケットと巨大なスーパーマーケットがすぐ近くにあり、大量の食料品や酒類を買い込んだ。今年初めて刺身で食べられるマグロも仕入れることができた。

日本から友人が合流

7月22日(土)Nancyで友人のよしみちゃんが乗艇する。山ガールの彼女はイタリア・フランスで山のトレッキングを楽しんだあと、シャモニーからNancyまで電車を6回乗り継ぎ11時間かけて来てくれた。ここからStrasbourgまで乗る予定。

2.3㎞の長いトンネルとケーブルカー式ロックを通過

7月25日(火)一昨日Nancyを出航し、Xures, Nidervillerという小さな村に停泊したあと、恐らく今年の運河クルーズ最大のハイライトとなる場所を通過する。

まずは二連続のトンネル。一つ目は500m弱だが、二つ目のトンネルは2.3㎞もある。照明はあるが水路の幅は前に通ったところと大差ない。左右に懐中電灯を持った女性軍二人が壁との間隔を見張り「少し右に寄りすぎ」「左十分です」などと声をかけてくれる中、こちらはひたすらはるか前に白い点のようにぽつんと見えるトンネル出口を真正面にとらえることだけに神経を集中して舵を取る。長いトンネルを時速1㎞以下の超低速で走行、21分かかったが一度も船体を擦ること無く無事通過することができた。

その次はケーブルカー方式のロック。船の入った水槽ごと40mの高低差のある急斜面を下る。以前ドイツで経験したエレベーター方式と似ているやり方だ。ロックの通過に要した時間はわずか15分。この最新鋭ロックができるまでは20か所近いロックを越えなければならなかったようなので、大幅な時間短縮だ。今日はその後も連続12か所のロックを通過して、午後3時過ぎSaverneに到着することができた。

レンタルボートの基地Saverneで美味しいローカル料理を楽しむ

Saverneを中心にこの運河沿いのいくつかの町は運河クルーズ用のレンタルボートの基地となっている。夏休みの現在、家族連れなどで大賑わいだ。小高い丘に囲まれ、緩やかな傾斜地に広がるSaverneはフランスのAlsace地方らしい素敵な町。

町の中心部に趣のある旧い建物のレストランを見つけて入る。店のインテリアも凝ったつくりのこのレストランは今年ミシュランの星を獲得したお店だった。美味しいワインとこの地方の名物料理を堪能。ドイツに近いアルザスはワインだけでなく、料理もザワークラウトやソーセージなどドイツで一般的なものが多かった。

オートロックのシステムが変わる

7月27日(金)Saverneを出航、すぐ先のロックの信号が赤だったため手前の岸辺でスタンバイするが、待っていても信号が変わらない。後から来た小さなシングルハンドのボートから、手前にある紐を引っ張ったか?と聞かれてノーと返事をすると、それをやらないとロックゲートは開かないと言われた。そのボートに乗せてもらい数百メートル引き返して、運河の中ほどにぶら下がっている紐を引くとロックの信号が赤青に変わった。貸与されていたリモコンはかなり手前のロックで回収されてしまい、そのあとどうするのかと思っていたのだが、ようやくこれでわかった。

その後は、昨日息子が帰ってしまったというシングルハンドのボートと共に、ロックでの舫い取りをサポートしながら12か所のロックを超えて22㎞先のWaltenheimに一泊、7月28日Strasbourgのマリーナに舫いを取った。

アルザス地方の中心都市Strasbourg

 

人口22万人のStrasbourgはフランス・Alsace地方の中心都市だ。周囲を運河で囲まれた旧市街は木組みの旧い建物が多く北欧の雰囲気を感じさせるとても素敵な町。圧巻は中心にそびえる尖塔をもつゴシック様式の大聖堂。その周辺には観光地らしく土産物店やカフェ・レストランが並び大勢の観光客で賑わっていた。

8日間一緒に過ごしたよしみちゃんが明日朝船を下り、またしばらくは二人旅となる。これからスイスのBaselに立ち寄ったあとまたフランスAlsace地方を南下していく予定。

その他の写真はこちらからご覧いただけます。


7月9日~7月18日 ヨーロッパ運河の旅 ベルギーからフランスへ  Canal cruise from Belgium to France 09/07-18/07

2017-07-19 | 旅行

ロックの運用時間を知らずに1時間半待ちぼうけ

7月9日(日)ベルギー、Namurのマリーナをいつもの通り午前7時半前に出航、5分ほどで次のロックに到着、無線で呼びかけるが全く応答がない。30分待っても返事が無いのでロックのコントロールまで歩いて行ってみたが人影が無い。午前9時10分ぐらい前にようやくコントロールタワーに人が入っていくのが見えた。後ろを振り返ると今出てきたマリーナから一斉に船が出航してきた。9時になるとロックの信号が青に変わりオープン。ロックの中で後から来た船に聞いて、今日は日曜日だからロックの運用開始は9時だと知った。事前チェックを怠り失敗。

午後1時半過ぎ、6つのロックを通過してDinantの桟橋に舫いを取った。

DinantはMeuse川沿いの本当に小さい町だが、上に城塞がある絶壁とその前にある大聖堂の景観が素晴らしい。ここがベルギー最後の町なので、夕方こちらの名物料理エスカルゴとベルギーのダークビールを楽しむ。

ロックのトラブルで2時間待ち

7月10日(月)Dinantを朝8時前に出航、すぐ先のロックに着くと信号が点灯していない。しばらく待つとロックコントロールに人が入っていったため昨日同様コントロールまで歩いていく。ロックのスタッフはほとんど英語がしゃべれないが、どうやらロックが故障していることが分かった。待つこと2時間、ようやく修理が完了してあとから来たプレジャーボート4隻と共にロックを超えた。やれやれ、二日続けて最初のロックで引っかかってしまった。

このあたりはオランダやドイツのまったく平坦な景色から一転して周囲は山に囲まれた渓谷の雰囲気だ。その後2つのロックを通過し4番目のロックがフランスとの国境にある。ここでフランスの運河通行の手続きをする。フランスはプレジャーボートから運河航行の手数料を徴収するため、Vignetteと呼ばれる証書を購入する必要がある。期間と船の大きさによって値段が異なり、てまりの場合1か月間で約150€だった。我々は事前にオンラインで証書を購入していたため、そこでの手続きは数分で済み、オートマチックロックのコントロール用Telecomand(リモコン)を貸与された。

フランス運河のロックとトンネルの狭さに仰天する

 

ロックを出るとそこはフランス。その後の二つのロックは人が居てリモコンは不要だった。最初のロックでロックキーパーから何処の国から来た?と聞かれ日本人だと答えると、このロックを通過する初めての日本艇だと言われた。今回の運河クルーズでも日本人は珍しいらしく、マリーナで声を掛けられることもたびたび有った。

ロックを出ると運河の幅が急に狭まり、前を見ると長いトンネルがある。

十分に幅があると思い多少スピードを落としただけでトンネルに入ると幅がものすごく狭く、慌てて減速するが間に合わず船の側面をガリガリとトンネル壁面にこすってしまった。左右の幅の余裕は1mもない。その真っ暗な565mもの長いトンネルを2度3度と船の横腹を擦りながら低速で進み、ようやく抜けだしてホッと一安心。その間の緊張感は口では言い難いものだった。

 

 

そのあとはオートマチックのロックだ。ロックの手前300m付近にセンサーパネルがあり、そこに近づいてリモコンのボタンを押すとフラッシュが点灯しこの船を認識してくれる。そしてロック手前の信号が青になったら進入するのだが、ロックの幅がやたらと狭い。てまりでも左右合わせた余裕が1mほどしかないため、慎重に出入りしないとすぐに横っ腹を擦ってしまう。

 

ロックに入り舫いを取ったら陸に上がり、ロックサイドにある青いバーを引き上げると入ってきたゲートが締まるという仕組みだ。フランスの運河はロック数も多いため、かなりのロックが無人化されているようだ。10年ほど前に見たフランスの運河クルーズのビデオでは、ロックに入った船が自分達ですべての操作をしていたので、リモコンで操作できるオートマチックロックは画期的だと言ってよい。

フランス運河の旅はロックとの戦い

7月11日、フランスの小規模運河のロックは運用時間が午前9時~午後6時と教えられたため、最初の停泊地Haybesを午前9時少し前に出航する。今日の目的地Charleville Megieresまでの53㎞にロックは11個ある。ロックはプレジャーボート2隻が入るといっぱいだ。途中までは昨日も一緒だったオランダ艇が先行したためリモコン操作は人頼みだったが、その船が先に行ってしまったため後半はこちらが先導艇としてリモコン操作をすることになった。途中一つのロックのオートコントロールが故障中でロックキーパーが開閉してくれた以外はすべて無人のオートマチックロックだった。

午後6時ようやく目的地に到着。一つのロック通過の所要時間は平均すると待ち時間を入れて20分弱だった。

居心地の良いマリーナなのに何故かガラガラ

7月12日(水)今日は夜中から降り出した雨が午前中も続き、昨日の疲れを癒しながら洗濯や今後のルートチェックなどをして過ごす。Charleville Mezieresのマリーナはキャンピングカーサイトも一緒に管理している。何故かキャンピングカーサイトは満杯なのにマリーナはガラガラで一けたしか船が停泊していない。

7月13日(木)Charleville Mezieresを朝9時少し前に出航する。今日は快晴で朝の気温は12℃ほどと冷え込んだ。Meuse川周辺の景色は渓谷から再びのどかな牧場地帯へと変わった。川の幅はますます狭まってきた。今日は8つのロックを順調に超えて午後3時半、Mouzonの桟橋に舫いを取る。

午後9時過ぎ、夕食後の散歩をしていたら景気の良いブラスバンドの音色が聞こえてきてこちらに向かってくる。バンドの後ろには提灯を持った町の人たちが続く。今日7月13日はフランス革命記念日の前日。どうやらこのパレードはそのイベントのようだ。

オートロックの故障でまたまた2時間以上待たされる

7月14日(金)ロック運用開始の9時に最初のロックに到着するように8時過ぎに出発。9時5分過ぎ、リモコンでロックオープン操作を行いロックに入る。そして青いバーを上に引き上げるがランプが点かないし入ってきたゲートも締まらない。何度やってもダメなので、無人のコントロール室に行き、そこにあった緊急用呼び出しブザーを鳴らす。10回以上鳴らし続けてようやくつながった。ほとんど英語がわからない相手にフランス語の単語を並べてロックの故障を告げると、相手は何か言って一方的に切られてしまった。不安なのでロックを管理するオフィスの電話番号を探しだし電話をかけ状況を説明するが、またまたフランス語で何か言われて電話を切られてしまう。再度呼び出しブザーを何度も鳴らして相手に確認すると、サービスマンが行くとだけ言われた。今日はフランス革命記念日の祭日だ。いったいどれだけ待たされるのか・・・・

ロック到着から2時間後スタッフが到着、ロックのゲートはすぐに稼働した。オランダ艇からフランスのロックは便利だけど良く故障するよ、と言われたのを思い出した。午後3時半、Dun-sur-Meuseに到着。

7月15日(土)また最初のロックの故障で出航が遅れた。今日の通過ロックは9つ。最初のロック以外はすべてマニュアルだった。幸いロックキーパーがいて基本的にはすべての操作をやってくれる。ゲートを開け、船が中に入るとゲートクローズ、バルブを開けて水位の調整、最後は出ていくゲートを開く。結構な重労働だが女性キーパーが多いのに驚いた。だからという訳ではないが、時間節約のため、出ていくときのゲートオープンはこちらも手伝うことにした。

3連休のフランス、観光地は大賑わい

出航が遅れたわりに40km先のVerdunに午後4時半到着。Meuse川沿いのプレジャーボート用ポンツーンに、かろうじててまりが入るスペースを見つけて潜り込む。後ろの船が少し後退してくれたため助かった。しかし、気が付くとすぐ目の前に大きなステージがあり、しばらくすると大音量でリハーサルが始まった。ヘビメタのロックだ。ステージは午後7時過ぎに始まり終わったのは午後12時近 く。フランスは昨日の独立記念日から3連休とあって、ステージは若者を中心に大いに盛り上がっていたが年寄りには騒音でしかない、つらい時間だった。

7月19日(水)

Verdun出航後Saint Mihiel,Pagny-Sur-Meuseと二つの小さな村の桟橋で一泊してToulに向かう。この2日間で超えたロックは19ロック。ランチは走りながら、カップ麺か簡単なサンドイッチで我慢するしかない。運河はより狭く浅くなり水草がすごい。途中ロック手前で待っている間に流されて水草の中に入ってしまい、その後船の動きがおかしくなった。桟橋に着いてから潜ってみるとスクリューに大量の水草が巻き付き、エンジンの冷却水フィルターも水草で詰まっていた。今年は例年になく降水量が少ないらしく、これからの水路はかなり浅いというので十分な注意が必要だ。これから再びRhine川との合流地点Strasbourgに向かう。

その他の写真はこちらからご覧いただけます。


6月28日~7月8日 ヨーロッパ運河の旅 ライン川を下りドイツからオランダ・ベルギーへ

2017-07-09 | 旅行

ドイツの大河Rheinを下る

6月28日(水)Rhein-Herne canalからライン川に入ってすぐのRuhrorterマリーナを出航、そのまま川を下る。この辺りの川幅は300mほどあり、ゆったりと蛇行する水流は時速5-6kmぐらい。エンジンの回転数を今までより少し抑え目にしても、船は時速15㎞ほどで川を下っていく。

川の周辺は北ドイツの工業地帯となっているため、周りの景色も工場が多い。当初はライン川を遡上するルートを設定していたのだが、上流の流れはかなり早いため、セーリングヨットのように小さなエンジンで足の遅い船にとってはかなり危険がありそうで悩んでいた。途中で出会ったオランダのヨッティーからの情報で、大きく迂回してオランダ・ベルギーの運河を通るより安全なルートがあることを知った。残念ながら観光船が行き交う最も美しいライン川上流域の通過は諦め、オランダへ出る下流の工業地帯を走ることになったという訳だ。

今日の目的地Emmerich am Rheinまでは70㎞以上あるが5時間ほどで町が見えてきた。川を下る場合は想定以上に距離を稼ぐことができる。これより更に速く流れる上流域をてまりのような船で遡上するのはかなり危険だということが実感できた。

ライン川とともに生きる町Emmerich am Rhein

ライン川に面するEmmerich am Rheinはその名の通りライン川のお蔭で発展を遂げた町。その地理的利便性を生かして、今も川を往来する運搬船と鉄道やトラックなどの陸上輸送を結ぶハブとして重要な役割を果たしている。また周辺には日本のブラザーや花王を含む大手企業の工場が数多く稼働する。

Emmerichのマリーナはライン川から少し引っ込んだ入り江にあるため、川の流れの影響は全く受けないが、フローティングポンツーンを繋いである柱の高さに驚いた。水面から15m近くあり、どの柱もその真ん中あたりから下が黒ずんでいる。現在は渇水期なので水位は一番低いが、春先などの増水期にはそこまで水位が上がるという証拠だ。よく見るとマリーナにあるレストランも浮桟橋に建てられている。町の博物館には、過去に何度か町中が水浸しになっている写真があった。今まで水位差の全くない運河をクルーズしてきたため、改めて大河の怖さを思い知らされた。

ドイツからオランダへ入る

6月30日(金)Emmerichのマリーナを出航してライン川をさらに34kmほど下りオランダに入る。

そこで左に折れて合流するMaas川へ入る。6月12日Elbe Lubeck Canalに入って以降いくつもの運河を通り、最後はライン川を下ってドイツでのクルーズを終えた。午後3時過ぎ、ロックを二つ通過し途中にあるWellというリゾート地にあるマリーナに舫いを取る。

7月1日(土)朝から小雨が降る中Wellを出航、66㎞先のRoermondへ向かう。ドイツとの国境沿いに流れるMaas川はロックによって運河化されているため、渇水期の今はほとんど流れがない。ライン川と比べるとトラフィックも圧倒的に少なく、様々な種類の水鳥達が遊ぶ川をのんびり遡上する。午後2時半、二つのロックを通過しRoermondのマリーナに舫いを取った。

二つの顔を持つ町Roermond

Roermondは支流の運河沿いにある旧い街並みと、その外側にあるデザイナーアウトレットが売りの町だ。広大な敷地に200以上の有名ブランドのアウトレットショップを集めた場所が市の中心部から徒歩数分のところに作られ、ブランドの数は今も増え続けているという。我々が行ったのが日曜日ということもあって大混雑。人気のショップは入場制限されて大勢の人が並んで待っていた。こちらも丁度探していた靴やジャケットが予想外の安さで入手できて大満足。

ヨーロッパの歴史の重みを感じさせる町 Maastricht

7月3日(月)、Roermondから50㎞ほどMAAS川を遡上しEU設立の礎となったマーストリヒト条約で有名な町Maastrichtのマリーナに舫いを取った。

ここでの最優先課題は冷蔵庫の修理。4-5日前から完全にダウンしたので、なんとかここで直したいと思い、真っ先に色々当たって修理業者を見つけることができたが、メーカーに問い合わせるのに一日、その後修理に来てもらうのに一日待つことになった。

Maastrichtはオランダ領とはいえドイツとベルギーに挟まれたその地理的な条件から、過去に20回以上も他国に領有された歴史を持つという。MAAS川沿いにあるこの町を歩いてみるとヨーロッパの様々な国をミックスした、オランダとも違う雰囲気を感じさせる素敵な町だ。冷蔵庫の修理のお蔭でゆったりと2日間この町を楽しむことになった。緑に囲まれた町の周辺はオランダでは珍しく起伏に富んだ地形だ。

オランダではプリペイドSIMが簡単に購入できてビックリ

ドイツで購入したパケット通信SIMが使えなくなったためVodafonのショップに行った。ヨーロッパ各国で使えるパケット用と通話用の二つのプリペイドSIMを購入したが、パスポートを見せろとも言われず、スーパーで普通の商品を購入する感じで買うことができた。ドイツではドイツ国内に住所が無いと購入できないと言われただけに、その違いに驚いた。EU内でも国によってテロに対する問題意識や基準がバラバラなのだから、テロのリスクが減ることは無いだろう。

オランダからベルギーへ

7月6日(木)冷蔵庫は応急処置で動くようになったためMaastrichtを出航、数キロ先のロックは既にベルギーだ。ここからMaas川はMeuse川に名前が変わる。ロックで簡単な手続きを済ませベルギーに入国、Liegeの町のマリーナに舫いを取る。オランダはドイツと色々な意味で近い感じがしたが、ベルギーに入った途端にここはフランスだと感じた。公用語がフランス語ということもあるが、町の雰囲気や店頭に並ぶ食材もフランスだ。

Liegeの町は背後に小高い丘があるため坂が多い。374段の階段を上り町が見渡せる丘の上に立つと眼下にMeuse川とLiegeの町が見渡せた。

4つのロック通過に合計3時間40分

7月7日(金)朝7時半LiegeからMeuse川を遡行しNamurに向かった。距離は68㎞、その間にロックが4つある。今回はロックでかなり待たされNamurまで10時間近くかかってしまった。

Namurは小さな町だが丘の上に巨大な城塞跡がある。そこからはMeuse川が良く見渡せる。城塞のあった広場ではビールフェスティバルが開催されていた。

このあと更にMeuse川を遡行し、あと一か所ベルギーの町に立ち寄ったあとフランスに入る。

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