Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

7月9日~7月18日 ヨーロッパ運河の旅 ベルギーからフランスへ  Canal cruise from Belgium to France 09/07-18/07

2017-07-19 | 旅行

ロックの運用時間を知らずに1時間半待ちぼうけ

7月9日(日)ベルギー、Namurのマリーナをいつもの通り午前7時半前に出航、5分ほどで次のロックに到着、無線で呼びかけるが全く応答がない。30分待っても返事が無いのでロックのコントロールまで歩いて行ってみたが人影が無い。午前9時10分ぐらい前にようやくコントロールタワーに人が入っていくのが見えた。後ろを振り返ると今出てきたマリーナから一斉に船が出航してきた。9時になるとロックの信号が青に変わりオープン。ロックの中で後から来た船に聞いて、今日は日曜日だからロックの運用開始は9時だと知った。事前チェックを怠り失敗。

午後1時半過ぎ、6つのロックを通過してDinantの桟橋に舫いを取った。

DinantはMeuse川沿いの本当に小さい町だが、上に城塞がある絶壁とその前にある大聖堂の景観が素晴らしい。ここがベルギー最後の町なので、夕方こちらの名物料理エスカルゴとベルギーのダークビールを楽しむ。

ロックのトラブルで2時間待ち

7月10日(月)Dinantを朝8時前に出航、すぐ先のロックに着くと信号が点灯していない。しばらく待つとロックコントロールに人が入っていったため昨日同様コントロールまで歩いていく。ロックのスタッフはほとんど英語がしゃべれないが、どうやらロックが故障していることが分かった。待つこと2時間、ようやく修理が完了してあとから来たプレジャーボート4隻と共にロックを超えた。やれやれ、二日続けて最初のロックで引っかかってしまった。

このあたりはオランダやドイツのまったく平坦な景色から一転して周囲は山に囲まれた渓谷の雰囲気だ。その後2つのロックを通過し4番目のロックがフランスとの国境にある。ここでフランスの運河通行の手続きをする。フランスはプレジャーボートから運河航行の手数料を徴収するため、Vignetteと呼ばれる証書を購入する必要がある。期間と船の大きさによって値段が異なり、てまりの場合1か月間で約150€だった。我々は事前にオンラインで証書を購入していたため、そこでの手続きは数分で済み、オートマチックロックのコントロール用Telecomand(リモコン)を貸与された。

フランス運河のロックとトンネルの狭さに仰天する

 

ロックを出るとそこはフランス。その後の二つのロックは人が居てリモコンは不要だった。最初のロックでロックキーパーから何処の国から来た?と聞かれ日本人だと答えると、このロックを通過する初めての日本艇だと言われた。今回の運河クルーズでも日本人は珍しいらしく、マリーナで声を掛けられることもたびたび有った。

ロックを出ると運河の幅が急に狭まり、前を見ると長いトンネルがある。

十分に幅があると思い多少スピードを落としただけでトンネルに入ると幅がものすごく狭く、慌てて減速するが間に合わず船の側面をガリガリとトンネル壁面にこすってしまった。左右の幅の余裕は1mもない。その真っ暗な565mもの長いトンネルを2度3度と船の横腹を擦りながら低速で進み、ようやく抜けだしてホッと一安心。その間の緊張感は口では言い難いものだった。

 

 

そのあとはオートマチックのロックだ。ロックの手前300m付近にセンサーパネルがあり、そこに近づいてリモコンのボタンを押すとフラッシュが点灯しこの船を認識してくれる。そしてロック手前の信号が青になったら進入するのだが、ロックの幅がやたらと狭い。てまりでも左右合わせた余裕が1mほどしかないため、慎重に出入りしないとすぐに横っ腹を擦ってしまう。

 

ロックに入り舫いを取ったら陸に上がり、ロックサイドにある青いバーを引き上げると入ってきたゲートが締まるという仕組みだ。フランスの運河はロック数も多いため、かなりのロックが無人化されているようだ。10年ほど前に見たフランスの運河クルーズのビデオでは、ロックに入った船が自分達ですべての操作をしていたので、リモコンで操作できるオートマチックロックは画期的だと言ってよい。

フランス運河の旅はロックとの戦い

7月11日、フランスの小規模運河のロックは運用時間が午前9時~午後6時と教えられたため、最初の停泊地Haybesを午前9時少し前に出航する。今日の目的地Charleville Megieresまでの53㎞にロックは11個ある。ロックはプレジャーボート2隻が入るといっぱいだ。途中までは昨日も一緒だったオランダ艇が先行したためリモコン操作は人頼みだったが、その船が先に行ってしまったため後半はこちらが先導艇としてリモコン操作をすることになった。途中一つのロックのオートコントロールが故障中でロックキーパーが開閉してくれた以外はすべて無人のオートマチックロックだった。

午後6時ようやく目的地に到着。一つのロック通過の所要時間は平均すると待ち時間を入れて20分弱だった。

居心地の良いマリーナなのに何故かガラガラ

7月12日(水)今日は夜中から降り出した雨が午前中も続き、昨日の疲れを癒しながら洗濯や今後のルートチェックなどをして過ごす。Charleville Mezieresのマリーナはキャンピングカーサイトも一緒に管理している。何故かキャンピングカーサイトは満杯なのにマリーナはガラガラで一けたしか船が停泊していない。

7月13日(木)Charleville Mezieresを朝9時少し前に出航する。今日は快晴で朝の気温は12℃ほどと冷え込んだ。Meuse川周辺の景色は渓谷から再びのどかな牧場地帯へと変わった。川の幅はますます狭まってきた。今日は8つのロックを順調に超えて午後3時半、Mouzonの桟橋に舫いを取る。

午後9時過ぎ、夕食後の散歩をしていたら景気の良いブラスバンドの音色が聞こえてきてこちらに向かってくる。バンドの後ろには提灯を持った町の人たちが続く。今日7月13日はフランス革命記念日の前日。どうやらこのパレードはそのイベントのようだ。

オートロックの故障でまたまた2時間以上待たされる

7月14日(金)ロック運用開始の9時に最初のロックに到着するように8時過ぎに出発。9時5分過ぎ、リモコンでロックオープン操作を行いロックに入る。そして青いバーを上に引き上げるがランプが点かないし入ってきたゲートも締まらない。何度やってもダメなので、無人のコントロール室に行き、そこにあった緊急用呼び出しブザーを鳴らす。10回以上鳴らし続けてようやくつながった。ほとんど英語がわからない相手にフランス語の単語を並べてロックの故障を告げると、相手は何か言って一方的に切られてしまった。不安なのでロックを管理するオフィスの電話番号を探しだし電話をかけ状況を説明するが、またまたフランス語で何か言われて電話を切られてしまう。再度呼び出しブザーを何度も鳴らして相手に確認すると、サービスマンが行くとだけ言われた。今日はフランス革命記念日の祭日だ。いったいどれだけ待たされるのか・・・・

ロック到着から2時間後スタッフが到着、ロックのゲートはすぐに稼働した。オランダ艇からフランスのロックは便利だけど良く故障するよ、と言われたのを思い出した。午後3時半、Dun-sur-Meuseに到着。

7月15日(土)また最初のロックの故障で出航が遅れた。今日の通過ロックは9つ。最初のロック以外はすべてマニュアルだった。幸いロックキーパーがいて基本的にはすべての操作をやってくれる。ゲートを開け、船が中に入るとゲートクローズ、バルブを開けて水位の調整、最後は出ていくゲートを開く。結構な重労働だが女性キーパーが多いのに驚いた。だからという訳ではないが、時間節約のため、出ていくときのゲートオープンはこちらも手伝うことにした。

3連休のフランス、観光地は大賑わい

出航が遅れたわりに40km先のVerdunに午後4時半到着。Meuse川沿いのプレジャーボート用ポンツーンに、かろうじててまりが入るスペースを見つけて潜り込む。後ろの船が少し後退してくれたため助かった。しかし、気が付くとすぐ目の前に大きなステージがあり、しばらくすると大音量でリハーサルが始まった。ヘビメタのロックだ。ステージは午後7時過ぎに始まり終わったのは午後12時近 く。フランスは昨日の独立記念日から3連休とあって、ステージは若者を中心に大いに盛り上がっていたが年寄りには騒音でしかない、つらい時間だった。

7月19日(水)

Verdun出航後Saint Mihiel,Pagny-Sur-Meuseと二つの小さな村の桟橋で一泊してToulに向かう。この2日間で超えたロックは19ロック。ランチは走りながら、カップ麺か簡単なサンドイッチで我慢するしかない。運河はより狭く浅くなり水草がすごい。途中ロック手前で待っている間に流されて水草の中に入ってしまい、その後船の動きがおかしくなった。桟橋に着いてから潜ってみるとスクリューに大量の水草が巻き付き、エンジンの冷却水フィルターも水草で詰まっていた。今年は例年になく降水量が少ないらしく、これからの水路はかなり浅いというので十分な注意が必要だ。これから再びRhine川との合流地点Strasbourgに向かう。

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