Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

ヨットてまり8年目のクルーズ Part-9、 スペイン・バレアレス諸島 クルーズ その2

2018-09-02 | 旅行

バレアレス諸島最大の島Mallorcaに渡ると、船も人も更に増えてきた。8月22日(水)Port Cristoで堀川夫妻をピックアップし島の東岸を南下する。島の南岸は岩場が続き、数マイルごとに大小様々な入り江があるため、最高のクルージングスポットになっている。10マイルほど南に下り、広大な入り江のPort Colmでアンカリングし昼食。すると小さなボートが近づいてきて、お前はPosidoniaの上に錨を下ろしているから別の場所に移動しろと言われた。渡されたパンフレットを読むと、その海草は地中海独特のもので、二酸化炭素を吸収し酸素を発生、海岸の浸食を守り海中の生物体系保全にも役立っているという。海底が白っぽい砂地に移動。

ここで堀川夫妻は下船、バレアレスに来てからにぎやかだった船はまた二人だけに戻った。午後、今日の停泊地Petro Mallorcaまで5マイルほど走る。

ここでアンカリングする予定で良さそうな場所を探して見ると、停泊中の船はすべてブイを取っている。ブイに係留している船に聞いて、無線でマリーナにコンタクト、小さなボートが近づいてきて予約をしているかと言われ、ノーと答えるとすべて満杯だと言われてしまった。しかし、ここでちょっと待っていろといわれ、ボートは別の係留場所に行って5分ほどで戻ってきて、ついて来いとのしぐさ。なんとかブイに係留することができた。あとで泳いでみると、海底はPosedoniaがびっしりと生えている。ガイドブックではアンカリング禁止とは書いていなかったのだが、こちらでも自然環境保護の取り組みが年々厳しくなってきているようだ。

マヨルカ島の首都Palmaへ

8月24日(金)Mallorcaの最南端を通過し北上、Sa Rapitaのマリーナに一泊したあとPalmaに向かう。

バレアレス諸島最大の町Palmaにはマリーナも沢山ある。正午過ぎ、事前に予約をしておいたPort de Mallorcaに舫いを取る。

8月25日(土)Palmaの中心街まで海に沿って3㎞ほどを自転車で出かける。久しぶりに大都会に来たという実感がする。その海沿いの半分以上がマリーナだ。

マーケットでシーフードのタパスランチを楽しむ

Palmaは大都市だけあって、常設マーケットが二つある。その一つに買い物がてら出かけた。生鮮食料品はほぼなんでも入手でき、中にはカウンターの小さなレストランがいくつかある。ショーケースに並ぶタパスと生ガキを注文、白ワインとともに楽しむ。寿司の看板を出す店もあるが、のぞいてみるとあきらかに日本のそれとは異なるものが並んでおり食指が動かない。インターネットのグルメガイドで調べると、Palmaだけで60軒以上の日本料理店が載っているが、恐らくその大半が日本人以外の経営する、我々から見ると偽物和食屋だ

パルマの町がすべて眺望できるベルベル城

8月26日(日)日曜日はスーパーもほとんどのお店も休みのため、暑くなる前の朝、マリーナから15分ほどひたすら階段を登り、丘の上にあるベルベル城に出かけた。14世紀に建てられたという城からはパルマの町と港が見事に一望できる。あらためて港に占めるマリーナの数と停泊するヨットの数に驚く。日本では有り得ない光景だ。

8月27日(月)朝8時過ぎ、Palmaを出航してマヨルカ島西端の町、Port D’Andratxに向かう。終始微風の穏やかな海の中昼過ぎに到着、予約しておいたブイに係留する。Andratxは小高い丘に囲まれたリゾートタウン。丘にへばりつくようにリゾートマンションやホテルが立ち並ぶ。

マヨルカ・イビザの係留料の高さにあらためて驚く

Andratxのブイ係留料は1泊45€、前回10月初旬に来たときは22€だったので、スタッフに倍以上だねと聞くと、9月頭まではオンシーズン料金と言われた。これから行くイビザ島のいくつかのマリーナに電話で問い合わせたところ、8月いっぱいは、安くても一泊150€、高いところは200€と言われた。我々の経験では地中海のマリーナの平均価格は、「てまり」のサイズで60€前後、過去一番高かったマリーナでも123€だった。この値段を聞いて、8月中はアンカリングで我慢し、9月に入ってからマリーナに行く事にした。

8月29日(水)マヨルカ島のAndratxを後にしてイビザ島を目指す。今日の目的地まで48マイルを順調に8時間半で航海、午後4時半Cala Portinatxに錨を下ろす。海底は砂と海草が入り交じりアンカーをきちんと効かせるのに苦労した。

翌30日は4マイルほど西のSan Miguelの入り江に移動する。北に開いた狭い入り江の奥が海水浴場になっている。風はオフショアの南寄りの風なのだが、なぜか常時うねりが入り、船が激しくローリングする。更に日中は観光客を乗せたゴムボートを猛スピードで引っ張るモーターボートが、停泊中の船の間をすり抜けるように突っ走る。船は更に揺らされ極めて居心地が悪いアンカレッジだった。

8月31日(金)イビザ島北岸を西に向かう。イビザ北岸も切り立った断崖の見事な光景が続く。

今日もマリーナは我慢してイビザ島西岸のCala Saladaにアンカリングする。ここも入り江の奥は海水浴場になっており、8月末というのにまだすごい人だ。しかし、昨日のSan Miquelのようなうねりは入ってこず、風も穏やかで安眠することができた。

Sant Antoniでようやくマリーナに係留

9月1日午前9時、3マイルほど南にある、Sant Antoniのマリーナに向かう。途中電話でコンタクトし係留の意向を伝えると、係留のウェイティングリストに入れておくから12時半ごろまで待てと言われた。この6日間、イビザに来て一度もマリーナに舫いを取っていないため、バッテリーも上がり気味、水もだいぶ少なくなってきた。もし入港を断られたら、水だけ補給してイビザを離れ本土に渡るしかないと考えながら、マリーナ近くに錨を下ろして待機。すると12時過ぎマリーナから電話が入り入港OKという返事。正直ホッとした。係留料も9月に入ったため1泊82€とリーズナブルだ。早速スーパーへ買い出しに行き、船では扇風機を回しふんだんに水と電気が使える、普通の生活の有難さを改めて実感した。

カジュアルなリゾートタウンSant Antoni

9月2日(日)Sant Antoniの町をぶらついてみるが、旧市街があるわけでもなく、海沿いにはマンションが立ち並び、一歩入ると怪しげなバーやクラブ、タイや中華、ケバブなどカジュアルなレストランなどが軒を連ねるリゾートタウンだ。こんな小さな町でもマリーナの存在感は大きく、マリーナの外にも沢山の船が錨を下ろしている。今日一日こちらで疲れを癒し、明日は早朝出航して、スペイン本土に向かう。



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