写真左: てまりと同型艇KAGOUもバレアレスに向けて出航 写真右: 気温も上がってきたので最近はてまりのアウトドアリビングで夕食。午後9時頃
5月も残すところあとわずかになり、ここスペインのAlmerimarでも先週末からようやく天気が安定して、夏が近い事を感じさせる気温になってきた。 先週まで朝晩は船の中でもフリースの上下が必要だったが、今は夜も半そで半ズボンでOK。昼間の太陽は強烈でジリジリと照りつけ日光浴をするには暑すぎる。
天気が安定するのを待っていたヨットが先週末から一斉に動き出した。色々と貴重な情報やアドバイスをくれた、クリストフとドミニクのKAGOUも先週土曜日にバレアレス諸島に向けて出発していった。
我々はと言うと、問題が発覚した可動式キールのチェックのために一時的に船を上架。Chrisの適切な判断のお陰でトラブルの原因はほぼわかり、今は問題なくラダ―もキールもスムースに上下するようになってホッと一安心。 ジェネレーター(発電機)の部品が届けば修理はほぼ終了で、あとは最終的なチェックのためのテストセーリングをするだけだになった(はずだ)??。
写真左 : クレーンで吊り上げられたてまり。キールがほとんど上がりきってしまっている。 写真右:固着してしまったキールを油圧ジャッキで強引に引っ張りだす。真ん中の傷は固着による腐食
もうひとつの問題、未だに届かない日本から発送した3個の荷物は最悪の結果になりそうだ。
昨日、深刻な顔をして船にやってきたフミさんによると、食料品のパックは、我々が到着した際マラガの空港で手荷物検査の時にやられたのと同じで、通関する前にひとつひとつ放射能検査をする必要があり、1個ごとに90ユーロ(約1万円)かかるという。ラーメン1個に1万円払う気は毛頭ないので諦めるしかない。更にもう一つの荷物は、なんとこちらの了解も得ずに日本に送り返されたという。その荷物はダイビング用品やその他の生活用品で食料品は非常食だけ。しかも日本から発送したのは1月下旬だから福島原発の問題とは一切関係ないのだが、それはこちらの言い分で、スペイン郵便局スタッフの理解は違うらしい。話を聞いてみるとまったく先方の言い分が理解できない。スペインに20年近く生活しているフミさんですら郵便局の言う事は納得できないと大喧嘩したようだが、所詮お役所相手ではどうにもならない。
残り1個の荷物が無事に届くのを祈るばかりだが、送り返された荷物には双眼鏡など船で必要なものも入っているので、なんとかこちらで手当しないといけない。また別の問題が起きてしまった。
しかし、我々もスペイン流のWay of businessにかなり慣らされてきたので、今回結果を聞いてもそれほどのダメージは受けなかった。 今は船さえちゃんと動けば後は何とかなると開き直っている。荷物がなかなか届かなかったお陰で、出発前に色々と船の不具合が発見でき良かったと考えるようにしているし、天気も先週までは2日置きぐらいに東か西の強風が吹き荒れる不安定な天候が続いていたから早めに出航していたらいきなりハードなセーリングを強いられただろう。 むしろスペインの郵便局に感謝するべきかもしれないと自分に言い聞かせている。(笑)
とは言え腹の底では虫が収まらないのは事実なので、これからは何かいい加減な事やルーズなやり方をする人間と遭遇したら、「まるでスペインの郵便局みたいだね」と言う事にしている。