Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

8月12日~8月21日 スエーデン西岸を折り返して再びデンマークへ

2016-08-21 | 旅行

夏祭りが開催されていたHalmstad

Halmstadは川沿いにある素敵な町だ。我々が到着した8月11日は町の夏祭り初日で、町の各所で様々なイベントが開催されていた。2日目は生憎の雨だったが、それでも子供たちは元気に遊んでいる。

川沿いの会場ではオジサンバンドが良い感じの演奏していた。こうしたローカルイベントでシニアが活躍するのは世界中どこも同じようだ。

8月13日(土)Halmstadを出航してVarbergに向かう。30ノットを超える西の強風の中、平均6ノット以上で快走し午後2時前に到着。翌日にはGoteborgに向かう予定だったが、夜から強まった北西の風が収まらず一日滞在を延ばすことにした。てまりが停泊したマリーナは町の対岸にあるため、翌日小さな渡し船に乗ってVarbergの町に買い出しにでかけた。日曜日でほとんどの店がお休みだがスーパーは開いている。焼き立てのパンもあり品ぞろえは豊富だった。

久しぶりの上天気の中、スエーデン第2の都市Goteborg

スエーデンの夏は晴れて過ごしやすいと聞いていたが、今夏の北欧は天候不順らしく、夏日だったのはアムステルダムの3日間だけ。朝晩13℃昼間でも18℃ぐらいと日本の4月頃の陽気が続く。地元の人に聞いてもここまで寒いのは異常で、10月頃の気温だそうだ。曇りがちで雨も良く降り風が強く、我々もかなりハードな航海を強いられている。

洗練されたおしゃれな町Goteborg

8月15日(月)一日延ばした甲斐があって、今日は久しぶりに晴れた空と穏やかな風に恵まれた。気温も上がって、のんびりとした航海を楽しみ午後3時Goteborgのマリーナに舫いを取る。Goteborgのマリーナは町の中心街に近くオペラ座の隣にあるきわめて便利なところだが、マリーナフィーがスエーデンの平均的値段の倍以上する。人口52万人を擁するGoteborgは、首都ストックホルムに次ぐスエーデン2番目の大都市。大航海時代、東インド会社が設立され東西貿易の拠点として栄えた町らしく、メインストリートには当時をしのばせる建物が並ぶ。

マリーナの前には巨大なショッピングモールがあり、周辺はショップ・レストランが軒を連ねる通りが縦横に走る、活気があり洗練された大都会だ。HAGA地区と呼ばれる一帯は16世紀ごろの木造ビルが連なり、ビルの一階はアンティークショップやセカンドハンドショップが入る趣のあるエリアだ。

今週が夏のイベントウィークで、町の50か所以上の場所で様々なイベントが開催されている。

丁度ランチタイム、ヨーロッパを中心に各国の料理や食材を販売するテントが並ぶイベント会場を通りかかり、ポーランド料理のシュニツェル(ドイツ風とんかつ)とスペインのパエリアを食べ、夜はマリーナ近くの会場で開催されたライブコンサートを楽しんだ。Goteborg滞在の3日間は天気に恵まれ、イベントウィークをたっぷりと楽しむことができた。

8月18日(木)折り返し地点のGoteborgを出航し再び南に進路を取り、デンマークの島LaesoAnholtに立ち寄ったあと8月20日(土)デンマーク本土のGrenaaに入港する。立ち寄った二つの小さな島はリゾートアイランドで、7月~8月上旬には大変なにぎわいを見せるそうだが、8月後半に入った今頃は閑散としており、閉まっている店も多かった。地中海ならまだ夏真っ盛りの時期だが、北欧の夏は本当に短いということを実感させられる。

8月21日(日)久しぶりに気持ちよく晴れ、マリーナで自転車を借りて3kmほど離れたGrenaaの町に出かけた。日曜日の午前中とあってスーパーを除いてすべての店は閉まっており、町は静まり返っていた。

今年の航海も残すところ2週間を切った。明日はデンマーク第二の都市Aarhusに向かう。

 

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7月31日~8月11日 ドイツからデンマークを経てスエーデンへ

2016-08-11 | 旅行

静かな内海、バルト海を行く

7月31日(日)ドイツKielを出航して、デンマークとの国境に近いFlensburgに向かう。バルト海はスカンジナビア半島と、デンマークのユトランド半島、及びデンマーク領の島に挟まれた二つの海峡だけが外海とつながる、巨大な内海だ。従って地中海同様潮位差がほとんど無く潮の流れもない。我々が向かったFlensburgは更に狭いドッグレッグした湾の奥にあるため、穏やかな水面は湖を走っているような感覚だ。湾の北側はデンマークなので、走っている船はドイツとデンマークが半々という感じ。夏休みとあって大小さまざまなヨットが走り、狭い水道で子供たちが乗るディンギーが練習していて気が抜けないが、しばらく運河クルーズが続き帆走のチャンスがなかったため、我々も久しぶりにエンジンを切ってセーリングを楽しんだ。

Flensburgの街並み

てまりが今年の冬を越すマリーナは当初デンマークを想定していたが、色々情報を集めると係留料金はデンマークが一番高く、スエーデン・ドイツの順で安くなるとわかった。帰国便はデンマークのコペンハーゲンから予約してあるため、ドイツ国内でデンマークとの国境に近いFlensburgは有力候補となる。ここでマリーナの料金や設備をチェックし、スエーデンの候補マリーナにも立ち寄って、最終的に船を置いて帰る場所を決めるつもりだ。

Sonderborgの岸壁

8月1日(月)Flensburgから19マイルほど走って、湾の北側にある、6か国目の訪問国デンマークの町Sonderborgに移動する。今回はフランスを発ってからGuernsey島を除いてすべてEU加盟国なので、出入国検査が不要で助かるが、デンマークとスエーデンはユーロではなく独自通貨のため両替をしなければならず、現地通貨の料金感覚になれるまで大変だ。

久しぶりにハードコンディションのセーリング

Bagenkopのマリーナ

緊急避難したRodby Havenの係留所

8月3日(木)、昨日SonderborgからLangeland島のBagenkopに移動する。今日はFalster島のGedserまで50マイルほど走る予定だったが、想定外の平均30ノット(15m)を超す逆風のため午後1時前、20マイルほど手前にあるRodby Havnに急遽避難する。この港は頻繁にフェリーが発着するしっかりした港だが、その一角にプレジャーボート用の係留場所が確保されており、電気・水道・Wifiも使えて、シャワー・トイレがあるのはありがたかった。

海中に林立する風力発電機群にびっくり

8月4日(木)依然として風は強いが、やや西よりにシフトしたため午前7時前に出航、次の目的地54マイル先のKlintholmを目指す。

出航して1時間ほどすると、前方の海面に風力発電機の林立が見えてきた。あわててチャートを確認すると確かにそれらしき標識がある。発電機群と陸地側の浅瀬の間に航路は確保されているようだが、念のため遠回りして風力発電機群の外側を行く。近づいて見るとその数数百機。それが整然と海中に設置されているのは初めて見る光景だった。

デンマークから対岸のスエーデンへ

8月5日(金)Klintholmを出航してスエーデンの町Limhamnのマリーナに向かう。行く手に長い橋が見えてきた。2000年に完成した全長15㎞を超えるオーレスン大橋は、デンマークとスエーデンを結ぶ大動脈。

その橋をくぐってすぐのところにあるLimhamnのマリーナに舫いを取る。

ここからスエーデン第3の都市Malmoまではバスで15分ほど。Malmoの旧市街を歩くと、木組みの壁と苔むした屋根の旧い家が目に付く。スエーデンは第二次大戦の戦火を免れたため、旧い家並みがそのまま残されているところが多いそうだ。

1850年頃建てられた穀物倉庫を利用しているという、スエーデンのデザイン製品が展示されたデザインセンターは、部屋に等間隔で立つ太い木の柱が建物の旧さを象徴する。

クルーズプランを大幅変更して、そのまま北に向かう

デンマーク・コペンハーゲン空港に近いここLimhamnのマリーナが船の越冬地有力候補だったが、マリーナオフィスで聞くと、既に地元の船で陸置き場はいっぱいだという。周辺に越冬できそうなドッグヤードは無いかと聞いたが、ヒーターの入った屋内設備しかないと言われた。それではコストがかかりすぎて無理だ。どうやら今年はドイツのFlensburgまで戻るしか無さそうだ。今の時期は大半が強めの西風のため、当初予定していたスエーデン東岸まで行くと、Flensburgまで逆風の中を300マイル近く戻らなければならない。急遽プランを変更して、スエーデン西岸を北上しGoteborgへ行くことにした。そこからFlensburgまでの帰路はデンマーク東岸を南下すれば強い西風でも問題なさそうだ。

世界遺産のお城を見学にデンマークに渡る

8月7日(日)にLimhamnからRAAに移動して以来3日間、強風のため出航することができないでいる。RAAは何もない田舎町なので20分ほどバスに乗ってHelsingborgに遊びに行き、更に今日はその対岸にあるデンマークのHelsingorまでフェリーに乗って出かけた。わずか20分の乗船時間にもかかわらず、フェリーの豪華さにビックリ。船内には空港のような酒や香水などを売る売店があり、おしゃれなラウンジがある。スエーデンはデンマークに比べて酒類が高いので、スエーデンから大挙してこのフェリーで買い物ツアーに行く人が多いらしく、そこに目を付けて、船内でも買い物ができ一杯飲める豪華船に仕立て上げたらしい。Helsingorにはハムレットの舞台となった、世界遺産のクロンボー城(通称ハムレット城)と呼ばれる城塞がある。今年はシェイクスピア生誕400年ということで、連日ハムレットの一部が城内で演じられていた。

デンマークからスエーデンに危うく戻れない事態に・・・・

町を散策しランチを食べた後スエーデンに戻ろうとフェリーのチケット売り場に行くと、パスポートが必要と言われた。今年の1月から不法入国を取り締まる規制が強化されて、スエーデン入国の際はパスポートかIDが必要になったそうだ。EU内を国から国へヨットで移動する際は出入国に関してノーチェックだったため、ついうっかりパスポートは船に置いてきてコピーしか持っていない。それを見せると実物でないとダメだと言われた。事情を説明してなんとかフェリーに乗れるように頼んだが、らちが明かない。最後は日本の領事館に電話して相談しろと言われ、電話を借りて話をしてみたが、海外を旅行する場合はパスポートを持ち歩くのが大原則。手元にないなら再発行するしかないと言われてしまった。何か方法は無いかとフェリーチケット売り場の女性に相談したところ、コペンハーゲンまで行ってタクシーでオーレスン大橋を渡る方法があるが、もしタクシーが停められたら不法入国で捕まるわよ、と冷たい返事。いよいよ困った顔をしていると、保証はできないけど、もう一つのフェリー会社に聞いてみたら?と言われた。藁にもすがる思いで、隣のフェリー乗り場に行くと、こちらはごく普通のフェリー船でチェックも甘そうだ。腹を括ってチケットを買い乗り場に行きチケットと共にパスポートのコピーを見せる。案の定コピーじゃだめだと言われたが、オリジナルはスエーデンに置いてきたと言うと、むにゃむにゃ言いながらチケットにはさみを入れて乗せてくれた。最悪デンマーク側で一泊して、パスポートなしでスエーデンに戻る方策を考えるしかないかと思っていたところだったので、本当にホッとした。領事館に言われた通り、国をまたいで旅をするのにパスポート不所持は問題外ということを改めて認識、大いに反省する。

8月11日(木)ようやく少し風が収まったので、4日間ぶりにRAAを出航し北に向かう。昨日フェリーでデンマークに渡った狭い海峡を過ぎるころから再び風が強まり、マックス40ノット+、平均30ノットを超える北西の風にしごかれ、47マイル先のHalmstadにたどり着いた。素敵な町では今日から夏祭りのようだ。

あと2日の航程で今年の折り返し地点Gorteborgに到着する。

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