Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

5月21日~5月30日 カリブ海Virgin Island

2015-05-30 | 旅行

バージン・エアの創業者 Richard Bransonの愛したバージン諸島

5月21日に日付が変わる少し前、錨を揚げてSt. Maartenを出航、2月末以来約3か月ぶりの航海がスタートした。目指すは80マイルほど西にある英領Virgin Gorda。大小150を超える小さな島々で形成されるバージン諸島の最東端に位置する島だ。バージン諸島は東側の半分がイギリス領で西半分がアメリカ領だ。

オートパイロットも、その他修理したところもすべて問題が無いようでホッと胸をなでおろす。軽い貿易風に乗って13時間ほどで目的地のGorda Soundに到着した。

ここは珊瑚礁と小さな島々に囲まれた広大な内海で、その中にいくつかのリゾートヴィレッジが開発されている。バージン航空の創業者で冒険家としても知られる、Richard Bransonが所有する小さな島を横目で見ながら、慎重にリーフの切れ目を捜して内海に船を進める。中に入ると湖のように静かな水面が広がっていた。潮通しが良いため水はクリスタルクリアーだ。Gun Creekという小さな村にある入国管理事務所で手続きを済ませたあと、目の前にリゾートコテージが点在するBitter End Yacht Club に移動、ブイを取って今日の宿泊地とする。オフシーズンのため何処もクルージングヨットの数は少なく混雑も無いので有難い。

騒音と暑さと埃、そして蚊の攻撃に悩まされた安アパートの生活から船に戻り、波が船をたたくかすかな音を子守唄に、心地よい貿易風に包まれて久しぶりにぐっすりと眠ることができた。

翌日はGorda Soundの別の泊地に移動して一泊。潜ってみると浅瀬には珊瑚が生息するきれいな海だった。

5月23日(土) 島を半周して、西側にあるこの島のメインタウンSpanish Townのマリーナに舫いを取った。その昔、英領バージン諸島の首都だったという町だが、歩いてみるとローカルフードを食べさせる食堂が数軒ある以外は全く何もないのに驚いてしまった。どうやら首都の機能だけでなく、町全体が引っ越してしまったようだ。

5月24日(日) 期待外れのSpanish Townを後に1時間ほど走って、現在の首都があるTortolla島と橋で繋がっている、Beef IslandのTrellis Bayに移動する。すぐ横にエアポートがあるが、珊瑚礁に囲まれた入り江は水がきれいで波もなく、沢山の係留ブイが用意されている人気スポットのようだ。

英領バージン諸島最大の島Tortollaに移動

5月25日(月)、英領バージン諸島の首都Road TownのあるTortollaの南西にあるNanny Cayのマリーナに入航。ここは、Road Townから5㎞ほど離れた入り江にある、ホテルとマリーナが一体になったお洒落なリゾート。気持ちが良い場所だ。マリーナ使用者はホテルのプールやビーチチェアが利用できるため、のんびりと泳いだり読書をして過ごす。

翌日、明日の出国手続きのためタクシーで首都Road Townに出かけた。首都と言ってもフェリーの乗り場以外に何もない小さな町だった。英領のバージン諸島は人口も少なく町らしい町がまったくないようだ。

 英領バージンからUSバージンへ

5月27日(水)、Nanny Cayマリーナを出航し、西隣のUSバージン諸島のひとつ、St. Johnに渡る。首都Cruz Bayは島の西側にあるため、途中島の南岸沿いに走って良さそうな入り江に入りアンカリング、翌28日Cruz Bayで入国手続きを行う。上陸してみると、やはりここはアメリカの領土ということをどことなく感じる。パスポートコントロールのシステムは、指紋認証や顔の認証などまったくアメリカ本土と一緒だし、しっかりした標識やシステマチックな運営方法などもアメリカスタイルだ。入国手続きの後、国立公園の管理事務所で15ドルの係留費用を支払い、島の北側の係留地に移動する。島全体の2/3が国立公園に指定されており、その中の泊地には係留ブイが設置されている。その使用料が1泊15ドルという訳だ。

国立公園内の泊地は皆きれいな入り江で良く整備されており、気持ち良く停泊することができる。てまりが係留したブイのすぐそばの海底には全長2mほどのマンタが砂を掘りながらエサを漁っているのが見えた。

大西洋横断の助っ人が到着

5月30日(金)、St. John島からUSバージン諸島の首都があるSt. Thomas島のCrown Bay Marinaに移動する。このマリーナで、大学のヨットクラブ時代からの友人吉川君の到着を待つ。彼は大学卒業後もセールメーカーとしてずーっとヨットに関わってきた大ベテランだ。これから大西洋を渡ってヨーロッパ本土までしばらく乗ってもらう頼もしい助っ人だ。

USバージン諸島は左側通行

翌日、出国手続きがてら首都のCharlotte Amalieを散策する。さすがにバージン諸島一番の町らしく、メインストリートには免税店が立ち並び車の通行量も多い。

驚いたのは、英領だけでなくすべてのバージン諸島が左側通行なのだ。しかも走っている車はほぼ100%左ハンドル車。車はすべてアメリカから輸入されるため左ハンドルなのだそうだ。運転の下手なアメリカ人観光客が事故など起こさないか、他人事ながら心配してしまう。

明日は20マイルほど西の、Spanish virginと呼ばれるClebra島へ向かう。

てまりの現在地はこちらから

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5月1日~5月19日 カリブ海St. Maartenにて

2015-05-20 | 旅行

カリブ海もGWだった

GW直前の4月27日に日本を発ち、ロスアンジェルスで1泊したあと、29日にSt. Maarten島へ一か月半ぶりに戻ってきた。日本の気候に慣れてしまった体にカリブの暑さは強烈で、どっと汗が噴き出す。

ヤードに上架してある「てまり」を見に行くと、案の定まだ作業はまったく終わっていない。作業のマネージメントを依頼しているGuiから話を聞き、その後実際の作業をしているワークショップに行って話をするが、こちらも日本同様メイデイを挟んで明日から4連休ということで話が進まない。結局5月4日(月)にならないと作業の進捗状況が見えてこないことがわかった。

陸に上がった船では生活が困難なため、Guiに紹介してもらい、ヤードまで歩いて数分の場所にあるアパートの一室を借りることにした。エアコンなし、キッチン・シャワーは共同の安アパートだが、他に良さそうな宿泊施設がないので仕方がない。

我々が船を停めている周辺は、多くの修理工場やヤード、マリーンショップなどが集まっているエリアで、船の修理にはまことに都合が良いところだが、近くに気の利いたレストランなど全くなく、カリブ海リゾートのイメージとは程遠いところだ。唯一の息抜きは、アパートのすぐ裏にあるウォーターフロントの  Laguuniesというカフェバー。週何回かライブ演奏があり、ヨッティーの溜まり場になっているため、情報交換もやりやすく、ドリンクが半額になる夕方のHappy hourの常連になってしまった。

遅々として進まない作業にイライラが募る

過去4年間様々な国で、日本に戻っている間に船の整備や修理を依頼してきたが、何処でも共通しているのは、我々が居ない間に作業が完了した事が無い事だ。きちんと依頼項目をメモにして渡し、途中メールで再三確認してもだめ。結局は現地に戻ったあと、現場スタッフやマネージャーに直接掛け合ってプッシュしない限り、作業はどんどん後回しにされてしまうのだ。今回も同様で、連休明けから連日作業スタッフやマネージャーと話し合いながら作業を急がせているが、中々こちらの思うように進まないのが現実だ。

カリブらしいリゾートホテルでガス抜き

5月8日(金)~10日(日)

ほとんど雨が降らないこの季節は島全体が砂漠のようになってしまう。貿易風の強い風に乗って細かい砂が舞い、船も、エアコンの無いアパートの部屋も埃だらけだ。更にアパートでは蚊の猛攻撃と早朝から深夜まで続く騒音に悩まされ、暑さで寝苦しい日が続く。いつまで続くかわからない安アパートの生活にさすがに疲れ果て、船の作業が何もない週末の3日間ちょっとリッチなホテルでのんびりすることにした。今はオフシーズンのため、ホテルもバーゲン価格で宿泊できるのだ。

海に面したコンドミニアムタイプのホテルは、キッチンが付いて70㎡ほどの広さがあり快適だった。3日間プールサイドのビーチチェアーで本を読んだり昼寝をしたり泳いだり「何もしない贅沢」を楽しんだ。

てまり海に戻る。そして、またも新たなトラブル発生

5月18日(月) St. Maartenに戻って19日目、ようやく懸案だった船の修理がほぼ終わり、船をヤードから海に降ろすことができた。エンジンもジェネレーターも問題なく始動。あとはオートパイロットの最終チェックを残すのみのはずだったのだが・・・・

5月19日(火)、カリブにしては珍しく朝方降り出した雨が午前10時頃まで続き、久しぶりに涼しい朝を迎えた。

雨が上がって、ラグーンの中で早速船を走らせ、GuiのところのスタッフAndyが来てオートパイロットの最終調整を行う。30分ぐらい経った頃、突然エンジンの警報音が鳴りだす。オーバーヒートのようだ。色々調べてみるとファンベルトが切れかかってはずれていた。オーバーヒートの原因はこのためだったが、ファンベルトが外れた原因は他にあったのだ。新しいファンベルトを取り付けようとしたとき、オルタネーター(発電機)が全く回らないことが分かった。恐らく中の部品が壊れてロックしてしまったのだろう。ここにきて、新たなトラブル発生で、またまた出航延期かと一瞬真っ青になった。幸いオルタネーターはそれほど高価なものではなく、てまりで使用しているヤンマーのエンジンに合うものがすぐに見つかったため、明日交換してもらう事で一件落着。オートパイロットの最終チェックも無事終わり、いよいよ明日出発できる目途がついた。

いよいよ出航

5月20日(水)

朝、3週間の滞在となってしまったアパートの部屋を片付け、船に荷物を移動する。オンボロアパートだったが、唯一の救いは、部屋でいつでもインターネットが使える事だった。

午前中にオルタネーターの取り付け工事も無事完了した。

あとは午後4時に開くSimpson Bay Lagoon Bridgeに合わせてラグーンを出て、外側に錨を降ろしてスタンバイ。深夜12時頃に出航して英領バージンアイランドのひとつVirgin Gordaを目指す。80マイル、15時間ほどの航程だ。

その後、米領バージンアイランド、プエルトリコを経てバーミューダ島へ向かう。

てまりの現在地はこちらで確認できます。