Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

7月25日~8月5日 ポルトガル・リスボンから大西洋岸を北へ

2015-08-05 | 旅行

魅力的な町Lisbon

7月25日(土)、CascaisのマリーナからTejo川を2時間ほど遡り、Alcantaraのマリーナに移動した。リスボンの港湾局が管理するこのマリーナは周辺をコンテナー埠頭や倉庫に囲まれた、東京湾内にいるような雰囲気のところ。しかし値段も安く、リスボン中心街まで数キロの便利な場所にあるため、リスボン観光にはもってこいだ。

7つの丘に囲まれたLisbonは坂の多い街だ。そこを路面電車とバスが縦横に走り、ケーブルカーが随所に設置されている。地下鉄も3路線あり、郊外電車も含めてSUICAのようなプリペイドカードですべて乗れるのでとても便利で、しかも安い。町の雰囲気や広さはスペインのバルセロナと似ているが、もっと歴史を感じさせる街並みがたくさん残っている。旧式の路面電車にゴトゴト揺られて観光スポットを移動し、石畳の道を歩いて町を散策するのはとても楽しい。リスボンでは、バンコクなど東南アジアの町では定番の三輪車・TUKTUKが観光客の足として活躍していた。狭い道と坂の多いリスボンにはぴったりのようだ。

ポルトガルの民族音楽ファドを楽しむ

リスボンで生まれ、ポルトガルの民族音楽として広がったファド。その歴史や詳細がわかるファド博物館が旧市街のAlfama地区にあり、その周辺にはファドを聞かせる大小さまざまなレストランが点在している。陽気なラテン系の音楽とは全く違う、ギター演奏と愁いを帯びた歌のファドを聞きに出かけた。予約していったレストランで今日はファドの演奏は無いと聞き、慌てて周辺を捜してすぐそばに雰囲気のあるレストランが見つかり、わずかに残っていた席に案内された。ステージは無く、小さな店の真ん中で二人のギター奏者と歌手が奏でるファドを聞きながら食事をする。立派なステージと100席以上のテーブルがある大きなところもあるようだが、ファドは、照明を落とした小さな店で間近に聞いた方が良かったと思う。

週2回、Alfama地区では「泥棒市」と呼ばれるフリーマーケットが開催される。中古の衣料品やがらくたが多いが、骨董品など掘り出し物もあり冷やかしながら見て歩くのも楽しい。ファドのCDと旧いブラスの呼び鈴を仕入れた。

マーケットで逸品をゲット

我々が停泊しているAlcantaraからリスボン中心街に入る入口にマーケットがある。そこで滅多に手に入らないものを二つ手に入れた。ひとつは解体したばかりのマグロ。良いところは業者が持っていったが、ハラミの部分が残っていたのでそれをゲット。もう一つはワインの古酒。ワインショップにカビだらけのボトルが無造作に並んでいて、8本まとめると35€になる。1本あたり500円ちょっと。どれも40年以上前の古酒なので、中にはワインビネガーになってしまっているものもあるかもしれないが、ワイン好きの僕にとってはたまらない逸品だ。

LisbonからNazareへ

7月30日(木)、5日間のんびりと滞在した素敵な町リスボンを離れポルトガル沿岸を北上する。次の目的地までは距離が遠いため、Cascaisに一泊して朝4時に出航、午後3時半過ぎNazareに到着した。広いビーチがあり夏のリゾートタウンとしてにぎわっているNazareは、キリスト教ゆかりの町。8世紀にこの地にやってきた僧侶が持っていたマリア像が、イスラエルのNazareで作られたものだったため町の名前が付けられた。そのマリア像はのちに数々の奇跡を起こし、この町に巡礼者が押し寄せることになったため、17世紀にマリア像と町の守護神を祀る教会がSitio地区に建立された。ケーブルカーで上がった崖の上にあるSitio地区に建つ美しい教会に入ると祭壇とその周辺は美しいアズレージョ(装飾タイル)で飾られ、奇跡のマリア像が飾られていた。

日本と同じアジの開きを見つける

漁師の町でもあるNazareはシーフードレストランが多いが、特に新鮮な浅利を売りにしている店が多い。我々はBig Plateと称する、ワインとトマトで味付た数種類の浅利とボイルしたエビだけというシンプルな料理を楽しんだ。

町の巨大なマーケットでは、魚売り場でアジなど魚の開きが置いてあるのにびっくりした。海岸を歩いていると日本と同じようにアジが天日干しされている光景に出合った。魚屋で聞くと、ポルトガルでもアジの開きを作っているのはこの町だけだという。日本でも同じものを作っているのをよく知っていた。もしかすると日本から誰かが作り方を教えたのかもしれない。ポルトガルと日本は古くから交流があり、金平糖やカステラなどポルトガルから伝えられて日本で広がった食文化も多く、その逆もあり得ると思う。

水の都Aveilo

Nazareから更にポルトガル沿岸を北上Figueira da Fozに2泊したあと、8月3日(月)運河の町Aveiloに到着した。Aveilo川を遡ること約1時間、川に沿って200mほど1本の桟橋があるだけのマリーナに舫いをとる。我々は上げ潮に乗って楽々遡ってきたが、到着後下げ潮になると3ノットぐらいの勢いで川下に水が流れていた。タイミングをはずすと大変だ。

Aveiloのある一帯は広大なデルタ地帯。昔は塩の生産地として有名だったようだが、今は町の中を走る運河にゴンドラが浮かぶ人気の観光地だ。我々も観光ゴンドラに乗ってのんびりと運河から見る町の光景を楽しんだ。

ポルトガルの「最中」を食べる

写真では光って見えないが、日本語で「オリジナル 日本の最中 、値段〇〇€」と書かれている

Caféで食べたAveiloのオリジナルOvos Moles de Aviloは薄い皮に卵黄のクリームが入ったお菓子で、日本の最中にそっくりだ。Caféの主人は、日本の観光客用に日本語で書かれた手書きの説明書を見せてくれた。そこには

「オリジナル 日本の最中」と書かれていた。

日本は猛暑が続いているようだが、ポルトガルは嘘みたいに涼しい。日差しは強いが日が落ちると途端に涼しくなり、夜は締め切ってブランケットをしっかりかけて寝ている。最高気温28℃、最低気温16℃ぐらいか。風が冷たいので、風が強い日は日陰にいると寒いくらいだ。

明日は朝早く出て、次の目的地Portoに近いLeixoesのマリーナを目指す。

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