ティダ店主のブログ

東京・町田にある「奄美鶏飯と旬菜 ティダマンディ」店主のブログです

聞きかじり 食養生 9

2011-08-31 12:25:50 | Weblog

 まだまだ残暑が続いていますが、朝晩は過ごしやすくなってきました。
 
 お天気が不安定になって雨が降ったりすると、過ごしやすいのを通り越して肌寒さを感じるほど気温が下がります。

 体調を崩しやすい時期だといえますね。

 そろそろ日中は暑くても、冷たい麺類などの食事を控えたほうがいいかもしれません。
 温かいものをゆっくりいただきましょう。


              ******

 
 先日のニュースで、東北の肉牛の出荷制限が解除されたと報じていました。

 私は今回の放射能汚染による肉牛の出荷停止の関連によって、肉牛が出荷されるまでの畜産農家のご苦労を、初めて知った部分がかなりありました。

 そのご苦労の一部は、私たち消費者のニーズに応えるため、によるのだと感じました。

 「サシ」と呼ばれる細かな脂肪を入れるために、ビールを飲ませたりマッサージをしたり、出荷時期に合わせて「肉を仕上げる」といった表現のコメントも聞きました。

 BSEの原因にもなったといわれている「牛骨粉」も、「サシ」を入れるためのものだったそうです。
 牛に「牛の骨の粉」を食べさせる、となると、これはもう「共食い」をさせていることになります。
 
 牛は本来、草食動物です。
 それなのに、私たちにんげんの都合に合わせて、不自然なエサを与えられ、それによって消費者のニーズに応えることになるんて、なんだかおかしい。

 変なエサを食べさせて仕上げた肉を、私たち消費者は「これこれ! やっぱ肉はこうでなくちゃ!」とか言って喜んでいたわけで。
 
 食べたものが自分の身体になる。 
 言い換えれば、

 たった今の、私の、アナタの身体は、昨日食べたものによってできている。

 そういうことになります。

  
 出荷までぎりぎり太らせて、出荷停止になってしまった肉牛は、放っておくと自分の体重の重さに耐えられずに倒れ、倒れてしまったら起き上がることができずに死んでしまうそうです。
 なので、エサを減らして、出荷停止解除になるのを待つあいだに、ビタミン不足で目が見えなくなってしまったりもするそうです。

 実際に、テレビのニュースで、ようやく出荷停止解除になりはしたものの、目が見えなくなってしまった肉牛がおびえた目をしてトラックに載せられている映像が映し出されていました。
 
 あの牛も、今頃はどこかで「消費」されているのでしょう。

 「家畜」は、神様がにんげんに与えてくれた「食べていいもの」だと、ある宗教では言っています。
 ですが、硬いの柔らかいのジューシーだのといろいろ文句や注文をつけて、その「家畜」を不自然に操作していいと、神様は言ったでしょうか。

 牛に限らず、豚や鶏や魚や野菜にも、消費者が求めるニーズという要求によって不自然な操作を加えて生産せざるをえなくなり、
 
 まわりまわって、その不自然な食べ物を身体に取り入れて、自分たちが不自然な身体になっていくということを、私たちは忘れてはならないと思います。

 そして、消費者である私たちが求めるもの、ニーズをより自然なものに変えていけば、畜産も農業も漁業も、そしてエネルギーのあり方さえも、変わっていくのではと思います。

 

 

8月26日の日替わりランチ

2011-08-26 07:53:42 | Weblog

 角煮と野菜の甘辛焼き


 なす、ピーマン、ニガウリ、人参、玉ネギなどの野菜と豚角煮を甘辛のタレで焼きます。
 揚げだし豆腐も入ります。
 タレは自家製のティダのタレです。
 (市販の焼き鳥のタレやうなぎのタレを使っておいしくできます。)


 夏のあいだ冷奴をよく召し上がって、そろそろ飽きてきていませんか?
 揚げだし豆腐にすると食べ方が多様に広がります。

 木綿豆腐を16等分くらいに切って片栗粉をまぶして高温の油で揚げます。
 多めの油で焼いてもいいです。

 これをスープに入れたり野菜といっしょに炒めたりしていただきます。
 まだまだ気温が高い残暑が続きますが、夜などは意外に冷え込んだりします。
 温かいものが欲しくなってもさすがに鍋、というほどではないとき、揚げだし豆腐で具沢山のスープや、野菜と炒めてめんつゆなどで汁気の多い一品に仕上げるといいと思います。

 

 


 

 
 

8月25日の日替わりランチ

2011-08-25 08:22:35 | Weblog

 サーモンフライと
   かぼちゃの煮つけ+角煮

 
 秋っぽいメニューです。

 振り塩のサーモン(チリ産)をフライにします。
 

 かぼちゃはランダムに皮を剥いて乱切りにして油でさっと炒めます。
 そこにダシ、しょうゆ、塩、三温糖、おろし生姜を加えてフタをして弱火で煮込みます。
 かぼちゃに箸が刺さるようになったら火を止めて蒸らします。

 かぼちゃは豚肉と相性がいいので豚肉といっしょに煮るとおいしいです。
 今日は角煮の煮汁も使います。

 

8月23日の日替わりランチ

2011-08-23 08:30:19 | Weblog

 鶏もも肉とニガウリの甘酢焼き
           おろし添え

 鶏もも肉とニガウリを焼いて甘酢で仕上げます。

 鶏もも肉は食べやすい大きさに切って塩コショウを振り、小麦粉をまぶして皮目からカリッと焼きます。
 ニガウリはタテ半分に切ってワタを取り、斜めに長くスライスして水にさらします。
 ザルに取ったら水で洗って水切りして鶏肉といっしょに焼きます。

 ほかに人参を千切りにして彩りに加えます。

 鶏肉が焼けたら、ダシ、酢、醤油、三温糖を加えて、あればレモン汁を加えて味付けします。
 甘酢の汁もいっしょに盛り付け、大根おろしを添えます。


 緑のカーテンとして植えたニガウリ、盛夏の時期よりも今頃から収獲されるところもあるかと思います。
 もし、もてあますほど収獲できたとか、もう飽きるほど召し上がって食指が伸びないというときは、佃煮にするといいです。

 ニガウリをスライスして水にさらしザルに揚げて水を流して水切りしたら、水少々と醤油と三温糖でコトコト煮ます。
 粉カツオと唐辛子を少々加えて、水分がなくなってきたらゴマを加えてできあがりです。
 小さな梅干しを忍ばせて煮込むと日持ちもいいです。



   

8月22日の日替わりランチ

2011-08-22 07:59:24 | Weblog

 アスパラ入り
   ピリ辛揚げだし肉豆腐
 トマトの野菜コンソメスープ

 肌寒いくらいの陽気に、ちょっと温かいものが欲しくなりますね。

 豆腐に片栗粉をつけて油で揚げておきます。
 豚バラ肉を薄くスライスして炒め、アスパラ、玉ネギ、人参を加えて炒め、カツオダシと醤油、三温糖、ラー油味噌でピリッと辛い味付けにしたら揚げた豆腐を加えてさっと煮ます。

 
 トマトの野菜コンソメスープ

 キャベツ、玉ネギ、シメジ、トマトをざくざく切ってコンソメで煮ます。
 味付けは塩コショウに醤油を色づけ程度に。
 好みで三温糖で甘みをほんの少し加えます。

 
 今日から、アジアカレー紀行は 北インド風野菜カレーです。

 北インドのカレーには大根やカブが入ることがあるそうです。
 今回は玉ネギ、人参、ピーマン、赤ピーマン、インゲン、グリーンピースで作りました。
 また、カッテージチーズをカレーに入れたりトッピングすることもあるようで、今回の北インド風野菜カレーにも、自家製カッテージチーズを散らします。

 自家製カッテージチーズはとてもかんたんにできます。

 牛乳を鍋に入れて火にかけ、温まってきたら酢を加えて混ぜます。
 酢の量は牛乳500mlに大さじ1-2くらい。レモンがあったら半分位を絞って入れてもいいです。

 牛乳がふわふわと固まってきます。
 
 煮立ち始めたら火を弱めてひと呼吸したら、ザルに敷いたキッチンペーパーか布巾にあけて絞ります。
 容器に移して出来上がり。
 
 好みで塩をかけたりしていただきます。

 サラダやスープのトッピングにいかがですか?
 
 


 
  

8月19日の日替わりランチ

2011-08-19 07:57:48 | Weblog
 
 チキンカツ 
  おろしだしポン酢
 水ナスの昆布塩漬け

 
 チキンカツに、ポン酢味の山形のだしと大根おろしを添えます。
 さっぱりした味わいです。

 山形のだし

 キュウリ、茗荷、なす、ネギ、生姜、青シソを、全部みじん切りにしてポン酢に漬け込むだけ。
 1-2時間したら味が染みているので大根おろしと合わせます。


 水ナスの昆布塩漬け

 水ナスをタテ4等分します。
 海水より濃い目の塩水に、昆布、鷹の爪を加えて水ナスを漬けて、冷蔵庫で一晩おきます。
 水ナスは、うてな(ヘタ)を切り取ったら十字に切れ目を入れて、手で割くといいです。

 糠漬けにしてもおいしいです。
 

 水ナスは、鶴川のアグリハウスで購入できます。
 先週より実が大きくなってきているので、そろそろ収獲が終るかもしれませんのでお早めに。


 

 

8月18日の日替わりランチ

2011-08-18 07:50:49 | Weblog

 ケチャップピラフと
  フレッシュトマトのチーズオムレツ

 オムライスの中身と卵を分けて盛り付けるかんじです。

 生のトマトを塩コショウで炒めて卵を溶き入れ、スライスチーズをちぎってのせて、しばらくしたら卵を寄せてまとめ、すぐに火をとめてフタをして蒸らします。

 ケチャップで味付けしたピラフにトマトのオムレツを添えて盛り付けます。

 
 生のトマトを加熱して卵でとじる料理は、中華やイタリアンにもあり、とても相性よくおいしくできます。

 味付けは塩とこしょうだけのシンプルです。
 中華のかに玉のようにあんをかけてもおいしいです。


 

水曜更新 聞きかじり食養生 8

2011-08-17 07:52:11 | Weblog

 お盆も終って、日常が戻ってきました。
 
 今年ほど「お盆」を意識した年はなかったように思います。


 14日(日)に、「朴葉巻き」というお菓子を作りました。
 飛騨地方が有名な 朴葉焼き は、冬になるとティダマンディでもメニューに登場しますが、「朴葉巻き」とは長野県の木曾の郷土料理で、朴葉にあんこ入りのおだんごを包んで蒸す、ちまきのようなお菓子です。

 蒸し揚げたときの朴葉の香りが、日本独特の料理の雰囲気を感じます。

 日本の料理の中には、葉っぱで包むというものがけっこうありますね。
 
 笹の葉、柏の葉、桜の葉、柿の葉。
 奄美や沖縄では月桃の葉やバナナの葉で包んだりします。

 これらの葉には殺菌力があり、包んだ中身の食べ物が傷みにくいという効果があるほか、その葉の香りを中の食べものに移して料理として完成するという意味があります。

 葉っぱもただ摘んだままではなく、蒸したりあぶったり加熱することによって、殺菌成分が出てきます。

 
 さて、朴葉巻き、、、。

 朴葉を摘んできてよく洗って水気を拭き取ります。
 米粉1キロ 小麦粉100gに熱湯を1リットル注いでよく練ります。
 
 練った団子の生地を丸めて平らにのばしたところにあんこを入れて包みます。

 それを朴葉で包んでタコ糸で巻いて蒸します。

 50個くらい作りました。

  私は、生地を練っているときに「しまった、、、!」と後悔しました。

 一人でやるものじゃないと気づいたのです。

 
 こういうものは、地方の何かの行事のときに、集落のおばちゃんたちが公民館にでも集まって、分業作業でやるものだと思い知りました。

 あるいはお盆やお彼岸などで家族や親戚が集まるときに、一族の女性たちがおしゃべりしながらみんなで作るもの。

 たとえば、葉っぱを採ってくるのは男衆。
 葉っぱを洗って拭くのは子どもたち。
 団子を練るのは若い嫁さんたち。

 団子にあんこを仕込んで丸めるのは、ベテランのおばちゃんで、その手つきを若い人たちが見ながら悪戦苦闘します。
 
 子どもたちはあんこが飛び出したりしてうまくいかないながらも、自分が作った朴葉巻きにしるしをつけたりして、他のものとはよけて置いて蒸してもらいます。

 こうやって毎年繰り返しながら少しずつ伝承していく料理ってあるんだなと思いました。
 郷土料理とは、そういうものなのかもしれません。

 都会ではまず体験できない、こういった料理のプロセスを、地元のおばちゃんたちが中心になって体験させてくれるツアーなどもあるようです。

 「地元のお祭りの準備」を手伝う村の子気分や、農家の嫁気分を味わえるかもしれません。