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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

しなければならない症候群

2005-08-11 | マネジメント
今週のプレジデントの特集「学び方」を読んでいて、ふと感じたことがあります。プレジデントでは、目標が曖昧で、かつ楽しくないのに勉強の義務感を感じている人を「勉強しなければならない症候群」と称していました。そこで、ふと感じたのが、勉強に限らず、最近世の中で「しなければならない症候群」に掛かっている人がとても多いのではないかということです。

「しなければならない症候群」は、まず「なんとかしなければいけない」と感じるところから始まります。その後、「そのために、○○をしなければならない」⇒「自分はちっともやれていない」・・・と連鎖発想が続きます。そして、目標に対して非常に息苦しく感じたり、楽しさを感じられなくなり、最後には「やらにきゃいけないとは分かっているんだけど、やりたくない」というところに行き着いてしまう、こんな症状と定義付けられるでしょう。

この、「しなければならない症候群」、私が思うに「今のままでは/このままではダメだ」という思いがところに端を発しているのではないでしょうか?あるところに、“枠”や“型”を決めてしまって、その中に収まっていない過去や現状を過度に否定してしまうということが「しなければならない症候群」に繋がっているのだと感じています。さらにその真因となると様々なものが考えられますが、こと会社組織の中では、マネジメントの中での「誤った危機感の植え付け(こうでなければならない!)」というものが多分に影響しているのだと感じます。

特に強く思うのが「必達目標」という考え方です。営業系の職種では、売上目標等を「死守!必達!」等といいますが、これが「誤った危機感」に繋がるケースは非常に多く見られます。そもそも目標というのはあくまで「目指すもの(management index)」であり、「その範囲内に収めるもの(control index)」ではありません。掲げた目標を目指し、仮説と検証を繰り返して様々なアプローチを考え実行するが重要なのです。「目標は達成しなければならない」と思いすぎてしまうと、「しなければならない症候群」の発症率が上がってしまうのです。

それでは、「しなければならない症候群」にかからないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?いくつかポイントはあるとおもいますが、一言で言えば「○○でもいいけど、○○した方がもっと良いよね~?」という発想で物事に取り組むことです。そのために必要なのが「現状をありのまま受け入れた上で、『もっと他には?』の視点を持つ」ことであると考えます。

過去は変えられないのですから、それはそれとしてありのままを受け入れ、これから先どうするかを考えてみましょう。今の方法よりもっと楽な方法、楽しい方法、効率の良い方法、効果のあがる方法を考えてみて、あればそれを試す、なければとりあえず今のまま進むというような動きをしてみると、「しなければならない症候群」にかからず、楽しく過ごせるのではないかと私は考えます。

もちろん「しなければならない」ということでエネルギーを得られればそれはそれでよいと思います。ただ、前だけを向いてできるだけ「きっとこうした方がいいよね?」と考えるほうが、きっとより楽しいエネルギーとなるのではないかな?と、私は思います。皆さんはいかがでしょうか?