goo blog サービス終了のお知らせ 

はな兄の1分で読めるエッセー

ふと脳裏に浮かんだ雑感を気ままに綴った日記

不器用ですから

2025-04-21 02:58:17 | ラジオ

ラジオ深夜便を聴いてると

ついつい夜更かしをするねえ。

3時からの特集は作曲家の浜圭介作品集。

ちあきなおみの『役者』が流れてきたとき

「あ、好きなやつだ」

と心の中にポッと小さなハートマークが浮かんだ。

作家と言っていいのか

元騎手の妻、吉永みち子さんも

確かこの曲が好きだと深夜便の中で述べていた。

あと。

「映画を観る時は一人でじっくり観たい」

という感覚も僕と一致していた。

たぶん美味しい料理も一人で味わいたいタイプだろうな。

 

だのに

聞き手のアナウンサーは

「好きな恋人と一緒に映画を観た方がいいじゃないですか。

恋人と一緒にいるという喜びと

映画を観るという楽しみの二つの相乗効果でより楽しいじゃないですか」

なあんて言っている。

ああわかってないな、この女性アナは...。

と思った。

 

首までこの映画の世界に浸かりたい

映画に集中したいというときは

どんな気になるものも

映画上映の間は遠ざけておきたいと思うのが

映画ファンの心理と言える。

前の席の背もたれが揺れるのや

近くのアカの他人がポテトチップスをかじる音はもちろん

たとえそれが隣にいる愛する恋人であろうとも。

逆にそうでないという人は

映画鑑賞を

恋人との中を深めるデートにおける

一つのツールとしかみなしていないんじゃないのかと

疑ってしまう。

本当に映画好きなんですかと問うてしまう。

 

この女性アナはこうも言うだろうな。

気の合う友達とおしゃべりをしながら

美味しいフランス料理を食べると

相乗効果で

楽しさが3倍4倍になりますよねえ。

と。

多くの人が手拍子で賛同しがちな

決まり切った言い方であるが

はたして本当にそうだろうか。

 

ワタシは不器用な性格のせいか

おしゃべりに夢中になると

食べ物の味がわからなくなり

せっかくの御馳走なのにもったいなかったな

と後で残念がることが多いし

また

食べることに夢中になり

味わうことに集中してると

おしゃべりで気の利いた話ができなくなる。

たまたま披露宴なんかに出席したら

おしゃべりも料理もどちらも中途半端になって

結局

そもそも出席するんじゃなかった

時間の無駄だったということになるのがいつものパターンなのである。

ほんとうにおしゃべりを楽しむのが目的ならば

料理なんか

簡素な飲み物とおつまみ程度がいい。

だって北欧のパーティなんかそうでしょ。

 

クラス会で御馳走三昧なんて集いを観てると

日本はいまだに

アジアの片隅に位置する田舎者という感じがする。