宮下奈津さん、文体が気持ちいい。宮下奈津さんの小説「太陽のパスタ、豆のスープ 」(集英社文庫) を読み終えました。
宮下奈津さんといえば、13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位の「羊と鋼の森」。
ご多分に漏れず、初めて読んだのは「羊と鋼の森」だった。
⇒ 読書日記:宮下奈都『羊と鋼の森』 ピアノに生命があるかのごとく
次は、「田舎の紳士服店のモデルの妻」。
⇒宮下奈都著「田舎の紳士服店のモデルの妻」(文春文庫) 読書感想
「太陽のパスタ、豆のスープ」は3冊目になります。流れるような流麗な文章、今回も好きだった。
「太陽のパスタ、豆のスープ」の主人公は、結婚直前に婚約を破棄された女性。失意のどん底にいたときに、独自の世界観で行動する叔母から、"やりたいことリスト(ドリフターズリストというらしい)"を作るように提案される。
そのリストに書いたことを、試せそうなことから片っ端から試していく。けっこう大胆で、「引っ越しをする」と書いてあったら、本当に引っ越してしまう。ほかに気軽に試せそうなものもある。
そのリストにあることを試しながら少しずつ、失意から立ち直っていく。
ドリフターズリストは、ビジネスのTo Doメモみたいに絶対やらなければならないことの羅列、というわけではない。
どちらかというと、スピリチュアルやおまじないの一種である「新月の願い事」に近い気がする。
⇒ 「新月の願い事(新月のソウルメイキング)」のやり方
⇒ 月のパワー本紹介 ジャン・スピラー『新月の願い事(新月のソウルメイキング)』
昔に書いた記事を発見 gooブログの存在がありがたい。
気になる方は、ぜひ「太陽のパスタ、豆のスープ 」読んでください。
主人公あすわが、ドリフターズリストにチャレンジしていく様子が、綴られている。
ドリフターズリストに興味がない方にもおすすめです。料理のシーンがいっぱいでてきます。あたしはあまり食に興味がないのですが、それでもかなりそそられて、そして料理って素敵だなあと、丁寧な料理をしてみたくなりました。
もっとも、真似できないのに、NHK「猫のしっぽ カエルの手」のベニシアさんに憧れ続けていますから、読んでも本当に料理に凝りだすかどうかは不明です。
宮下奈津さんも、ベニシアさんもかもしだす空気感が好きなんだとおもう。そして人と人のコミュニケーションで大切なのは、そんなちょっとした空気感のような気がしている。
読んでいると、だんだんと呼吸が穏やかになってきます。
女性ばかりが出てくる小説です。男性の感想はまた別なのかもしれませんが、女性にはぜひおすすめしたい1冊なのでした。
ではまた
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※今後の予定は2020年3月6日(金)夜、3月21日(土)夜です。
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