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完全に「大はしゃぎ」…NHKが安倍氏銃撃の報道でやらかした失態
安倍晋三元総理が銃撃され死亡した事件――。 政治的背景のない、たった一人による、私怨による犯行だったことが、少しずつ浮かび上がっています。と同時にあらわになっているのは、メディアのお粗末ぶりです。
NHKがそれを証明しました。冷静さを欠いた制御不能の放送を流したのです。
犯行は7月8日午前11時30分ごろ。消防通報は11時31分。NHKが字幕スーパーとともに、通常番組を切り替えたのは11時42分でした。
現場に取材記者がいたにもかかわらず、第一報まで12分かかったことは、まぁ、NHKの慎重さだと考えます。 ここからNHKの「暴走的放送」が始まります。
どこの局もそうでしたが、当初は自局が撮った映像はなく、その代わり使われたのは視聴者提供の映像でした。そのわけは単純です。
地方局が撮った映像がキー局、本局に届くためには伝送という手段を取るためタイムラグが発生するからです。
その間、テレビ局には視聴者がスマホなどで撮影した映像が次々に投げ込まれます。絵が欲しいテレビ局は、それに食いつくわけです。
NHKは奈良放送局がカメラを出していました。その映像が何度も何度も、それこそ何度も流されました。 昼のニュースの時間帯に、何の予告もなく銃声が茶の間に響いたのです。
東日本大震災の映像を流す際、テレビ局は、 「この後津波の映像が流れます」 というテロップを入れ、視聴者心理に配慮します。その基本をNHKは怠ったのです。
しかも放送の途中からNHKは、自社だけが撮っていた映像をスクープ格にするため、取材記者のクレジットを、テレビ画面の中に入れたのです。
少しはしゃぎすぎの悪印象を持ちました。 関係者によれば、 「銃声の映像はいかがなものか」 という声があがり、しばらくしてからですが、テロップに 《この後銃声がします》 と入るようになり、アナウンサーも「銃声が流れること」を事前に伝えるようになりました。
さらにひどいことを、NHKはやらかしました。 安倍元総理が撃たれた直後の視聴者提供の映像を流したのです。
横たわる元総理。その後、上半身のワイシャツには赤い鮮血が見て取れました。
似たような写真、映像はその後多くのメディアで報じられたり掲載されたりしましたが、胸元は加工され、視聴者や読者にも配慮されています。
配慮を欠き、混乱の報道を日本中の昼時に流し続けたNHK。 通常、NHKの多くの番組は『NHK+』で、「見逃し配信」で見ることができますが、NHKは7月8日午前11時42分から午後3時6分までの映像を見られないようにしているのです。
そのことこそが、自分たちのやってしまったことの重要性を物語っています。 予想しなかった事件だけに、現場やスタジオが混乱するのも無理はありませんが、せめてNHKには冷静に対処してもらいたかったと考えます。
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