よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

海に生きる

2008年05月31日 | Weblog
 ローカル局の番組で、93歳の漁師の生活を紹介していた。

20年前までは、親子3人で少し大きめの舟で漁をしていたが、今では息子たちもそれぞれ独立して、老人は一人で小さな舟で鰹を引き縄で漁をしている。
一年の漁獲高は金額で30万円程度。出られるときは毎日海に出ているというが、油代にもならない。

最近、体調が思ったようにならず、陸でふらつくこともあるという。88歳になる妻と子は、海に出ることを止めたいが、本人は毎日擬餌針に工夫を重ね、漁を止めようとはしない。

妻は88歳になって初めて、夫の漁に付き添うことにした。

「若い頃と違うて、船酔いせんなったけん。」と言うが、別の覚悟があってのことと見える。

人間、死ぬ日までは生きている。というより、死ぬために今日を生きている。

じいさんは舟を出す。ばあさんを乗せて。


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山の中、滑り台だけが

2008年05月16日 | Weblog
ふたつきみつきに一度くらい、思いつきでドライブをする。

すると以前走ったくねくねした山道が、ショートカットのバイパスであっというまに目的地に着いたりする。

便利ではある。

消防や救急車のことを考えれば、安心もする。

しかし、高いとことから低いところに、滑るように走ることが出来る道が出来たら、登るよりは下りる方が、楽である。

自転車ならこがずに下りられる。

物理的なことに心理的なこと、山の下、川の下(しも)のほうがなにくれにつけ、安直で、快適で、快楽に満ちている。

道路特定財源で、必要な道は造る、と言う人。

ヘッジファンドが買いあさって油の値は上がり続け、
自動車の保有台数が減り始めた。



50年前には人はいて車はすくなかったが、
これから先、人も車もいないのに、
山の中に、滑り台だけ残る日が、
来はしないか。

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自転車に乗って

2008年05月11日 | Weblog
晴れた日曜日の朝、午後テニスをするためボールを買いに行く事にした。

自転車に乗って、ベルを鳴らし、
隣の街まで嫌なお使いに

田んぼの真ん中にあるパワーセンターまで行った。

帰り道、田んぼの中の農道を通って、少し遠回りをした。

農道が集落近くに来たところで、
ビニールハウスの中に小さい子どもたちと、
若い母親たちが二組くらいいるのが見えた。

農作業を手伝わせているのかしらと近づくと、
そのハウスに植えてあるのはイチゴで、
子どもたちがしゃがむとちょうど目の前の高さに、
赤い実がなっている。

ビニールハウスの側面は、大人の腰の高さ、
「窓」のところにはビニールが貼ってなくて
風下に立っていると、熟れたイチゴの香りが濃厚に流れてくる。

イチゴ狩りということをしたことがないが、
あの子どもたちの年頃で、自分の目の高さに実がなっている、
という体験は、今では貴重なのかもしれない。

私らの頃は、道ばたに生えているグイミなどを口にする事は、
至極当たり前の事だった。

集落に入りバス通りを行くと、
良心市に毛が生えたような直販所があり、
時期ものは文旦だったが、
ハウスみかんを買って老父たちに届ける事にした。

自転車に乗って、か。

高田渡の映画が出来たと、新聞で読んだ。

まだ、自転車に乗ってるかしら、どこかで。





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