よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

五十里霧中

2008年06月23日 | Weblog
梅雨のさなかの日曜日、ふらっとドライブに出かけた。

 国道33号線を走り、美川から面河渓、石鎚スカイラインを上る。小雨の中、面河村の風景をぼんやりながめていたかったが、夕方までには高知に帰らなくてはならない。いまだに茅葺き屋根だった家がいくつかある。さすがに茅ではなく金属製のシートのようなもので覆ってある。道沿いに薪を切り口を綺麗にそろえて積んである。土地柄と人柄なのだろう。

国定公園の中にはいると、自然林で名を知らない白い花赤い花が、霧というより雲の中を走る車窓に現れては消える。

登山者が利用する白石というドライブインを過ぎ、瓶ヶ森を抜けて寒風山トンネルを目指すが、しらさ荘を過ぎて、晴れたら眺望の素晴らしいであろうポイントを過ぎたあたりで、落石現場に出てしまい、仕方なく引き返すことにした。こんな天気に雲の中を走り回っているのは私だけかしら。

元来た道ではなく、途中の分岐点から、旧本川村長沢地区へ向かう。山また山、霧また霧の下り坂。やっと視界が開けたと思ったら、長沢ダムの湖。舟を浮かべてつりをしている若者が居たが、こんなに標高の高いところにまで釣られるために魚が居るものか、と思う。

国道33号線沿いでさえ、雨の日曜日に人影は少ないのに、美川から面河、石鎚山渓、長沢、建物はあっても人はもういない。牛か羊の腸のように、道はくねくねと続くが、歩く人、道ばたでたたずむ人、会話する人、ひとりもない。

30年ほど前、教育用レコードのセールスマンをしていた頃、山の中の学校を尋ねてずいぶん走ったが、こんなではなかったように思う。
 この道はつまるところ、何処に続いているのだろう。

道の駅で、芋の菓子を買って帰った。

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