よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

殺戮のPDCAサイクル

2005年07月08日 | Weblog
戦後60年ということで、昭和20年の空襲についての展示を見に行った。

遺物や写真、地図などの資料のなか、とりわけ違和感を覚えたのは米軍の書類(もちろん英語)だった。

まず高知・高松・徳島への爆撃作戦の説明文書があり、高知市は軍需目的に転用された工場が多いことと、四国東部の物資流通の要点である。人口は10万余で、主に高知城東部に密集してすんでいる、云々。

そして爆撃前の偵察撮影した高知市中心の航空写真。

爆撃結果を「評価する」文書もある。淡々とした表記で数字が羅列させられているが、それは人間が死んだり、家が焼け燃え落ちた数字。添付資料として「爆撃前」「爆撃後」の写真がつけられ、最後に担当者が署名をしている。

爆撃さえもPDCAサイクルだったか。

平和、と唱えれば平和になるとは思えない。
戦争と言うが、われわれが知っている戦争というのは、あまねくおこりつづける殺し合いの60年前のひとつかふたつかみっつなのかもしれない。

昨日ロンドン、明日東京にならない、という保証はどこにもない。
まして平和と唱えるだけで済む話でもなし。
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