三十三年廊下

　用事があり、県庁の建物に入った。

　低い天井の長い廊下の両側に部屋があり、
　突き当たりの区画の中の、
　さらに通路部分にコピー機が置いてある。

　その同じ場所にやはりコピー機があり、
　臨時職員だった私が大量の書類をコピーしていた。
　３３年前。

　何もかもかわっているはずだが、
　忙しく行き交う職員のなかに、
　３３年前の自分が混じっているかもしれない。

　つい昨日の事、とは言うが、
　３日前も３３年前も同じ事のように思われる。

　何もかもかわり、
　何もかわりはしない、
　ということか。

　用事が済んで、
　長い廊下を歩き、
　吹き抜けの玄関から外に出た。

　

6月6日(月)のつぶやき

16:08 from Tumblr
Talk about after 311 in Kochi - うずまき通信より 漠とした不安。 コーヒーとお話。 そこから何か始まる。 何も始まらない、ということが始まる。 ことを含めて。 http://tumblr.com/xa72v8uu70
by taniakr55 on Twitter

明日はくるが、明日はない、かもしれない。

頼まれて、１週間ほど前の新聞記事を探していた。

地方欄の隅の「おくやみコーナー」に目が止まった。

見た事のある名前。

息子の通った学校の保護者仲間で、
行きつけの居酒屋でもときどき顔を見かけていた。

カウンターに焼酎の一升瓶をおいて、ニコニコしていた覚えがある。
何ヶ月も前ではないはず。

病気とも思えないので、共通の友人に問い合わせると、
「地元紙には事故として記事が出ていた」とのこと。

日付を見ると、ちょうど私の出張中の出来事だった。

そんなことがあるかしら、が、ある。

新聞を何度も広げては、閉じた。