「館蔭の杜」を眺めつ つれづれに

窓外の森を眺めながら時々の想いを綴る

蝶の宿る木

2015年06月14日 | 日記
小学3年の孫娘が蝶の幼虫に興味を持ち始め、飼育箱に餌になる木の葉を取ってきては成長を観察しながら楽しんでいる。

最近は、飼育箱を学校にもって行き友達に見せて自慢しているようだ。
大きな飼育箱を往き帰り運ぶのは大変だろうが、興味のあることだから何も気にならない様子だ。

蝶は宿る植物が決まっているようだ。

庭にある山椒の木にはナミアゲハが卵を産みつけて蛹になるまでそれを餌に成長する。
山椒の若芽が出始めると、何処からともなく親の蝶が飛んできて卵を産みつける。



最初は黒ゴマのようなものだが、木の成長に合わせて新芽を食い尽くし日増しに成長する。
次第に緑に縞模様がでるようになり触ると黄色い臭い角を出して牽制する。

成長した幼虫は何となく親の姿を想像させる。


 
幼虫は成長すると、いつの間にか近くの物蔭に移動して蛹になり、季節になると羽化して近くを飛び回る。

遅いものは翌年の春まで蛹のままでいるのかも知れない。



ナミアゲハの飛ぶのを見かけると「あの山椒で育ったアゲハだな」と連想して親近感を覚える。


何時もお世話になっている歯医者さんは「蝶々先生」といわれるほどの蝶のマニアで、休診日には遠くまで出かけて蝶を採取したり研究に余念がないようだ。

孫の蝶の話をきっかけに「ジャコウアゲハ」についていろいろ教えてもらったようだ。

庭の「馬の鈴草」という植物に「ジャコウアゲハ」の幼虫が沢山いるというので、孫とともに家族で見せていただいた。
黒っぽいパンダ風の幼虫が数えきれないほど着いていた。



ジャコウアゲハは「馬の鈴草」という木にだけ卵を産み、育つというお話だった。

この植物は、関東以南に自生する植物で、漢方薬の材料でもあるようだが、独特の毒性も合わせ持つ植物だという。
葉と花の姿がその名の由来らしいが「ナミアゲハの山椒」と「ジャコウアゲハの馬の鈴草」ともに癖(毒性)のある植物だが、これが蝶の幼虫にとって外敵から身を守る知恵らしい。



孫は、既に蛹になりかけているものを含めて幼虫と馬の鈴草の葉を貰って、大事そうに飼育箱に入れて世話をしている。



成虫はクロアゲハより透き通っていて美しいという。


 ※ Wikipedia より

春に歯医者さんの周りを飛んでいるのを見たような気がするが、一般のクロアゲハと思って見過ごしてしまったかも知れない。

今年中に見ることが出来るのか、来年まで待たなくてはならないのか。
それまで孫の根気が続くのか楽しみなところがある。


追 記(6月23日)

「馬の鈴草」の葉に付いたジャコウアゲハの蛹を部屋の壁にピンで留めておいたら今朝8時頃に羽化し始めた。
蛹になってから約2週間ほど経つ。

羽根に斑点があるので図鑑と照らし合わせて「メス」ではないかと思った。



しばらくジッとしていて、羽根が伸び切ったあと部屋中を飛び始めた。



羽根の表側に余り斑点が目立たないので「オス」かも知れない。


もう少ししたら外に放してやろうと思っているが、それからどうなるのだろうか。


追 記(7月1日)

今朝、羽化したのがメスのようだ。
全体的に黄色がかっていて、点々模様が大きくいっぱいある。