「館蔭の杜」を眺めつ つれづれに

窓外の森を眺めながら時々の想いを綴る

金玉神社(泉区大沢)

2015年05月16日 | 日記
国道4号線の下り右側のヤマト運輸の後ろあたりに「金玉(きんぎょく)神社」という珍しい名前の神社がある。
道路に囲まれた細長い三角形のスペースに小さな祠があり、中に五輪の塔が納められている。
三角の頂点にあたる入口に門柱が立っていて「金玉神社」と表示があり振り仮名もしてある。

盲人の墓といわれており、土地の人はこの神社を「座頭神様」とも呼んでいるという。



祠まではコンクリートの石畳と玉砂利が敷かれており、途中に神社についての仙台市教育委員会の説明があった。



南部藩の盲人である金玉が、座頭の位を取るためお金を沢山用意して京へ旅する途中、大沢の山中で「甚八」という名の盗賊に襲われた。
金玉は「今殺されるのは悪縁と諦めるが名前を聞かせてくれ」と頼み、その者にお経を教えて朝晩唱えるように指示して落命した。

お経は「こがねたまだいたくさんにさつがいすぬしはれいぼくはなはだしいやつ」というものだった。

一向に帰らない金玉を探しに来た弟子がこのお経を聞いて「金玉大沢山に殺害す主は鈴木甚八」と解釈して通報し、すぐに犯人は掴まり七北田処刑場で処刑されたという。



祠や五輪の塔には特段の表示はなかったが、盲人を祀るお墓ということでお参りには杖を奉納する慣わしがあるという。