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tamagoのドイツ滞在記

ドイツ、キールに住んで、体験したことや思ったことを書きとめていくブログです。

ドイツワインのこと その1

2013年07月15日 | 料理、食材、レシピ





ビールのあとは、ドイツのワインについても少し予習をしておきましょう



ドイツワインというと、白ワイン、それも甘口のものが想像されるかもしれません。
ドイツのワイン生産量のうち、現在約6割が白ワインとなっています。

また、冷涼な気候はワインのエレガントな口あたりを生み出すのだそうで、
実際、ドイツのブドウ畑は、世界のワイン産地のなかでは最北にあたります。
(緯度で考えると、北海道の宗谷岬からサハリンに相当するそう

ドイツではライン川やその支流等、川に面した傾斜地がブドウ畑になっています。
水面に反射した太陽光によって辺り一帯が保温され、
気温差により川から発生する霧は、寒さからぶどうを守る働きをするのだそうです。

ライン川クルーズをするときに、このブドウ畑の様子がよく見えます。
お楽しみに!




(写真をお借りしました。)


実は、ドイツは日本のワイン生産とも関わりがあります。

写真中央に写っているのは、ドイツのワイン醸造家、ハインリヒ・ハムです。

ハムはリューデスハイム近郊のワイナリー主だったのですが、
明治政府に請われ、日本でヨーロッパ式のワインづくりを指導するべく、
1911年に甲府へと赴きます。

日本では文明開化を受けて、明治初年(1867年)に
ブドウの生産が盛んであった山梨県でワインの醸造が始まったとされています。

醸造を試行錯誤したり、害虫で甚大な被害を受けたりと、ワイン生産の黎明期にはたいへんな苦労があったようですが、
ハムの招聘は成功だったようで、1914年にはリースリンク種のワインを大正天皇に献上できるまでになったそうです。

歴史を考えると何だかロマンを感じますね。。

上の写真、じっくり見てしまいます。

両脇の日本紳士はこのプロジェクトのお偉いさんかな?とか、
断髪にスリーピース、とってもハイカラな恰好だったのでは?とか、
ハム氏はブーツ?長靴?でちょっとラフな畑仕事仕様?(演出?)とか、
記念写真ということで、人物のポーズや、ぱりっと感、表情の晴れがましさ、、
撮影風景が目に浮かぶようで、微笑ましくなります
よく見ると、帽子が地面に置かれていますが、色からすると左端の人のものでしょうか?
「帽子はないほうが良いですね~、ちょっと取りましょうか」なんて言われたのかもしれませんね。


なお、ハムのワイナリーは現在は彼の曾孫に受け継がれています。
Ham Winary and Estateホームページ → http://www.hamm-wine.de/english.htm



それじゃあ、そもそもドイツのワインってどんな歴史があるの?というと、
ドイツにおけるワイン生産は、古代ローマ時代に始まっています。

カエサルのガリア戦記をイメージしてみてください。。
古代ローマ人たちがアルプス以北へ勢力を広げると、彼らはブドウの苗を持ち込み、ワインの醸造を始めました。

その後、ローマ帝国が滅亡したことによってワインづくりは一時衰退しますが、
8世紀末~9世紀にフランク王国のカール大帝が再建したといわれています。
そのときにワイン生産の中心となったのは、土地と知識を保持していた修道院でした。

そういえば、ビール生産も修道院が主導的な役割を果たしてきたのですよね。。



長くなってきたので、今回はこの辺りで切り上げることにします。
次の記事では、現在のワイン事情、等級などをアップしますよ~