原題:『市子』
監督:戸田彬弘
脚本:戸田彬弘/上村奈帆
撮影:春木康輔
出演:杉咲花/若葉竜也/森永悠希/倉悠貴/中田青渚/石川瑠華/大浦千佳/渡辺大知/宇野祥平/中村ゆみ
2023年/日本
「病気もの」なのか「クライムサスペンス」なのか?
そもそもは舞台『川辺市子のために』を原作に戸田彬弘自ら映画化した作品であるが、舞台と映画とはストーリーを多少変えているようである。
物語は2015年8月13日に3年間同棲していた恋人の長谷川義則から主人公の川辺市子がプロポーズされたところから始まる。ところが翌日市子は失踪してしまうのである。丁度、大阪の生駒山で白骨化した遺体が発見された時である。実はその遺体は市子が母親の川辺なつみと埋めた妹の月子だったのである。月子は2歳の時に筋ジストロフィーであることがわかり、家族で世話をしていたようなのだが、市子が一人で世話をしている時に、月子の呼吸器を意図して外してしまったのである。ここがどうも分からないところなのだが、筋ジストロフィーと診断された際に、診断した医師から「逃れる」ことができるのだろうか?
それでもまだ若い頃は月子は元気で家族と一緒に誕生日を祝ったりしており、いつから寝たきりになったのかがよく分からない。市子は無戸籍なのだが、平成2年生まれの月子の保険証を持っており、それは平成21年まで有効だったから、月子は18歳頃まで生きたということだと思うのだが、そうなると月子と市子はいつ「交代」したのかますます分からなくなってくる。
しかしこういう細かな詮索は野暮なのかもしれない。本作は川辺市子の「完全犯罪」の物語なのだから。
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