古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

秘密   安岡章太郎

2024-09-14 01:34:50 | 小説の紹介

中公文庫 「奇妙な味の小説」所収。 吉行淳之介・編

 

勝鬨橋(かちどきばし)に出たんである。

 

あまりにも巨大なあれが。

 

「蛸(たこ)」である。その大蛸は街中まで進出し、電話

 

ボックスに逃げ込んだ僕をさえ襲って来るのである。しかし、

 

そのことについては新聞やTVでもやっていない。

 

言ってはならぬ、と何処かからか声が聞こえて来るだけだ。

 

「僕」は狂ってしまっているのか。幻覚を見ているのか。

 

リアリティのはざまで生きる僕の冒険譚だ。

 

(読了日 2024年8・24(土)1:05)

              (鶴岡 卓哉)

 


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