古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

どんぐりと山猫 宮沢賢治

2024-03-03 06:56:09 | 小説の紹介
旺文社文庫

こういうのを読書感想文というのだろうか。

少し照れる。小学生みたいだ。

いちばんえらいのは大きいのだ、とか、背が

高いのがいちばん、とか、いやいや、頭のとが

っているのがいちばんえらいんです、と誰がい

ちばんえらいのかの裁判に刈りだされた一郎。

そうだな、いちばん大きのがえらいことにしよう、

とぼくなどはつい口走ってしまいそうだが、この

一郎さんはちがう。この中で、いちばんえらくな

くて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなってな

くて、あたまのつぶれたようなやつがいちばん

えらいのだ、と判決します。

どんぐりたちは、皆、黙ってしまい、一郎くんの

報酬になり、家の前では光を失い、ただのどんぐ

りとなってしまいます。結局は、言うに及ばない

ことなのです。だれもいちばんえらいなんてこと

はないんです。みんないちばんえらくて、いちばん

だめで、めちゃくちゃなのれす。








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