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「家族のゆくえは金しだい」信田さよ子

2020年01月26日 21時15分23秒 | 読書(家族)
「家族のゆくえは金しだい」信田さよ子

P243
家族の愛はお金とは無縁だというまぼろしを、多くの例とともに白日のもとに晒そうと試みた。

P139
カウンセリングの現場で、絆、自立、依存、さらには愛情という言葉は現実的対応においてほとんど意味をもたない。理念としても無意味であると言い切ってもいい。愛情豊かに接しましょう、自立させましょう、などというのはうわべだけ触れていればいい人たちのお題目に過ぎない。

P154
AC(アダルトチルドレン)という言葉がもたらしたものは大きいが、そのなかでも最大のポイントは、家族のなかに加害・被害があるということを、被害を受けてきた子どもの立場から宣言したことだった。いわば親から被害を受けた当事者による自己定義の言葉なのである。

【ネット上の紹介】
“愛と絆”だけでは乗りきれません。持てる世代の親と、無職の子ども。依存症者とその家族。経済的DV…。リアルな事例から現代日本を浮かび上がらせ、実践的な打開策を満載。
はじめに 家族のゆくえとお金
1 家族の肖像―カウンセリングの事例をもとに(母からの不穏な宅配便
兵糧攻めとアディクション
僕はパスタのゆで方に命を懸ける
親からの借金リスト)
2 時代の鏡としての家族(戦後七〇年、何が変わったのか
家族における権力関係への気づき)
3 家族をとらえなおす(愛の幻想がついえた後に
高齢化社会の現実
いくつかの提言―必要なのは絆や愛ではなく、お金に対するルール形成
この国で「家族でいる」ということ
あとがきにかえて―近くて遠い家族、遠くて近い家族)
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