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「ハプスブルク家の12の物語」中野京子

2024年03月20日 07時40分02秒 | 読書(絵画)


「ハプスブルク家の12の物語」中野京子

読み返し。

P121
ヨーロッパ諸国を巻き込んだ30年戦争は、カトリック対プロテスタントの、最大にして最後の宗教戦争であり、舞台となったドイツの荒廃はなはだしく、これでドイツはいっそう後進国へ成り下がった。ハプスブルク家はブルボン家に破れ、ここからヨーロッパにおけるフランスの優位性が確定する。ただしハプスブルクは領土が縮小した反面、自領からプロテスタントを一掃でき、以降、宗教問題に悩まされることはなくなった。

P159
ナポレオンは愛妻ジョゼフィーヌにもはや子が産めないと見限って離縁し、新たな皇妃、それも自分に箔をつけてくれる由緒ある王家のプリンセスを物色し始めていた。(中略)最初はロシアのロマノフ王朝に狙いをつけたらしいが、すぐにも出産できそうな相手の方がいいと目を転じ、フランツ二世の娘マリー・ルイーズに白羽の矢を立てた。


【ネット上の紹介】
スイスの一豪族から大出世、列強のパワーバランスによって偶然ころがりこんだ神聖ローマ帝国皇帝の地位をバネに、以後、約650年にわたり王朝として長命を保ったハプスブルク家。常にヨーロッパ史の中心に身を置きながら、歴史の荒波に翻弄され、その家系を生きる人物たちの運命は激しく揺さぶられ続けた。血の争いに明け暮れた皇帝、一途に愛を貫いた王妃、政治を顧みず錬金術にはまった王、母に見捨てられた英雄の息子、異国の地でギロチンにかけられた王妃――。過酷な運命と立ち向かい、また定めのまま従容と散っていったヒーロー、ヒロインたちは、どこまでも魅力的。彼らを描いた名画に寄り沿い、その波瀾万丈の物語をつむぐ。
アルブレヒト・デューラー『マクシミリアン一世』
フランシスコ・プラディーリャ『狂女フアナ』
ティツィアーノ・ヴィチェリオ『カール五世騎馬像』
ティツィアーノ・ヴィチェリオ『軍服姿のフェリペ皇太子』
エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』
ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』
ジュゼッペ・アルチンボルド『ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世』
アドルフ・メンツェル『フリードリヒ大王のフルート・コンサート』
エリザベート・ヴィジェ=ルブラン『マリー・アントワネットと子どもたち』
トーマス・ローレンス『ローマ王(ライヒシュタット公)』
フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター『エリザベート皇后』
エドゥアール・マネ『マクシミリアンの処刑』