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「花のお江戸で粗茶一服」再読

2018年05月21日 19時42分40秒 | 読書(小説/日本)


「花のお江戸で粗茶一服」松村栄子

昨年11月に出版された作品。三部作の最終刊。
昨年再読し、今回再度読み返した。
やはりおもしろかった。

P392
「昔から雪は〈六つの花〉と言いましてね。こんな日には、もうそれ以上花はいらないってね。千利休の師である武野紹鴎というひとは、雪の茶会に花を一枝も入れず花入れだけを置いたそうですよ。有名な故事です。洒落てますわね」(「テレプシコーラ」のヒロインの名が「六花」と書いて、「ゆき」と読ませる。そういうことだったのか)


【おまけ】
「明日町こんぺいとう商店街」---架空の商店街を舞台にしたアンソロジーで、「粗茶一服」のスピンオフが掲載されている。
佐保が登場していい味を出している。
本編は終了してしまったので、このような外伝の形でも続いてほしい、と思う。




【ネット上の紹介】
弓、剣、茶の「三道」を伝える“坂東巴流”の嫡男・友衛遊馬、二十歳。家出先の京都から帰還するも、家元でさえ副業しなければ家族を養えない貧乏流派ゆえ、働き口を探してこいと言われてしまう。建造が始まったスカイツリーの警備員に収まるが、周囲からは「あそこの跡継ぎはダメだ」と後ろ指を指され、ガールフレンドとの仲も“行き止まり”。冴えない日々の中、曲者ぞろいの茶人武人にやりこめられながら、遊馬は自分の進むべき道をぐるぐると探しつづける。明日が見えないあなたに贈る笑えて泣けて元気になれる物語。