goo blog サービス終了のお知らせ 

高井良ゼミナール

高井良ゼミナールのblogですー

毎週、定期的に更新していきますのでお楽しみに!

2025年高井良ゼミ前期第5回

2025-05-08 18:19:02 | ゼミ日記

皆さん、こんにちは!

 

高井良ゼミのたかいらです。

 

GWも終わり、これから夏休みまで、長い日常が続きます。といいつつ、GWもひたすら日常でしたので、

何も変わっていないというのがほんとうのところです。今では貴重になった爽やかな季節、愛おしみながら、

ゼミでの学び、講義での学びを深めていけたらと思っています。

 

さて、本年度のゼミ、Starterの二週目のテーマは、「自分の「気になるニュース」を紹介し、メンバーのコメントを聴く」です。

私は、GW中の新聞記事から、「治安維持法から100年」、そして「「配給された自由」はいま」という東京新聞の社説を

紹介し、言論・表現の自由の尊さと、これらを守るための私たちの日々の思考・実践の大切さについて、話しました。

ゼミ生からは、「無自覚にマイノリティの人を排除している可能性があることに意識的でありたい」というコメント、

「生まれたときから自由があったため、当たり前であると思っているが、そういう世代からこそ、日本の過去の歴史や

世界の実情から学ぶことが大切」というコメント、「日本の報道の自由度ランキングが低迷しているなか、学校教育のなかで、

言論・表現の自由の価値と適切な使用法について学ぶ機会をもちたい」といったコメントがありました。

異質だと思う人たちを排除する(=ある人たちには自由が守られなくてもよいと考える)ところから、言論・表現の自由が

少しずつ蝕まれて、気づいたときには、言論・表現の自由が奪われてしまっている状態になる、ということを学びました。

「治安維持法」の時代に、労働者の過酷な生活を小説として綴った『蟹工船』の著者である小林多喜二が国家権力による

酷い拷問によって惨殺された、あまりにも痛ましい事件を思い起こしながら、ある人たちには自由が守られなくてもよいと

考えることの恐ろしさについて、思いを馳せました。言論・表現の自由が守られるための前提条件として、すべての人の

基本的人権を尊重するというものがあります。ほかの人の基本的人権を踏みにじる「権利」や「自由」というのは、

行使すべきではないのです。これらを「権利」、「自由」と主張したら、すべてがおかしなこととなります。

ほかの人を尊重するということは、決して容易いことではありません。しかし、ゼミ生のコメントから、ほかの人を

尊重することこそが、私たち自身が人間らしく生きることの土台であるということを気づかされました。

コメントしてくれた皆さん、ありがとうございます。

 

続いて、三人のゼミ生の本年度の研究計画書の読み合わせをしました。三人ともに大変素敵な先生、師匠との出会いを

経験しており、私も学びたいと思えた方々揃いで、インタビュー、そしてライフヒストリーが楽しみになりました。

アクティブで、ポジティブで、モチベーションを高めてくれる教育者の方々の存在は、ゼミ生からの話を聴くだけで、

こちらも元気が湧いてきます。教育とは、今を充実させるとともに、希望を育てていくことだと、また教えられた

次第です。

 

来週のゼミからは、自分史の読み解きに入ります。今年のテーマは「私の転機」です。トップ・バッターは、

私です。三人のゼミ生から、さまざまな角度から分析してもらえることを楽しみにしています。

 

それでは、どうぞお身体を大切にお過ごしください!

また来週お会いしましょう。

 


2025年高井良ゼミ前期第1回

2025-04-10 18:30:08 | ゼミ日記

皆さん、こんにちは!

 

高井良ゼミのたかいらです。

 

今年も4月になり、今日から高井良ゼミが始動しました。

 

何と29年目、光陰矢のごとしですね。人生の半分を高井良ゼミととともに歩んだことになります。

 

今年度も3名のゼミ生とともに、ゼミをスタートすることができました。

 

ゼミの場所が、学生にとっても、教員の私にとっても、学び豊かな場所であるように、

 

今年度もがんばっていきたいと思います。

 

久しぶりにゼミ生と再会し、スケジュールや課題図書を決めて、気持ちを新たにしました。

 

今年のStarter第一回目のテーマは「私の決断」、私は2003年のイギリス・ノリッチへの国外研究を

 

取り上げました。あの時代も、イラク戦争が起こるなど、容易ならざる時代でしたが、思い切って、

 

国外研究を決断したことで、私の人生は、それまでより遙かに豊かなものになりました。

 

第二の故郷のノリッチを得て、今にもつながる友人たちを得て、人生の喜びを知ることができました。

 

ノリッチでの国外研究の日々は、博士論文の執筆にもつながりました。

 

「二十数年前の私」の決断に感謝するばかりです。

 

皆さんにはこれまでどのような「決断」があったでしょうか?

 

これからゼミ生たちの「決断」について話が聴けることが楽しみです。

 

今日は、この辺で!

 

オーバーペースになりがちな4月です。

 

どうか無理をせず、お身体を大切にお過ごしください!!

 

来週からはゼミ生が登場します!

 

お楽しみに!!

 

       <ノリッチの大聖堂>=今も礼拝が行われています♡

 


高井良ゼミ後期第11回

2024-12-10 20:16:47 | ゼミ日記

皆さん、こんにちは!

 

高井良ゼミのたかいらです。

 

寒くなりましたが、お元気でお過ごしでしょうか?

 

私のうちでは、冬の命綱ともいえる「石油ファンヒーター」が、つい先日、壊れてしまいました(TT)

 

何とかしのいでいますが、皆さんもお気をつけてお過ごしください。

 

さて、先週12月5日のゼミでは、石塚さんのインタビュー(プラス・コメント)の読み合わせを行いました。

 

実に素敵な先生の魅力を上手に引き出しているインタビューで、小学校時代に人間関係やコンプレックスに苦しんでいた少女が、

 

中学校での先生との出会いと、自分自身の受容を通して、すべての子どもたちを分け隔てなく育てることができる先生として

 

石塚少年の前にあらわれる過程を、多くの皆さんにも読んでいただきたいと思っています。

 

そして、これからさらにもう一歩も二歩も、この作品は深まっていくことでしょう。

 

楽しみにしています。

 

次回は、久しぶりに、テキストの読み合わせを行います。

 

年内のゼミもあと二回となります。

 

 

ここまで歩みを進めてくることができたことを感謝しつつ、

 

またお会いしましょう!

 

たかいら


2024年高井良ゼミ 後期第7回

2024-11-11 12:15:16 | ゼミ日記

皆さん、こんにちは!

高井良ゼミのたかいらです。

暑い夏が続きましたが、ここ数日、急に寒くなりました。

体調を崩したりなさっていませんでしょうか?

また今日の午後から暑さが戻ってくるとのことですので、

どうぞ体調管理にお気をつけてお過ごしください。

さて、先週のゼミでは、私がStarterを担当し、「印象に残る映画」の話をしました。

 

私が紹介したのは、2021年に公開された「ONODA 一万夜を越えて」という映画です。

この映画は、日本の敗戦後、30年間もフィリピンのルバング島で「戦って」いた小野田寛郎大尉を

扱ったもので、原作も監督もヨーロッパ人(おそらくフランス人)によるものです。

諜報部隊のメンバーとして特殊な訓練を受けた小野田大尉は、日本の敗戦後も、

日本の無条件降伏や米軍からのメッセージを謀略と考え、自作のラジオを通して、

さまざまな情報を得ながらも、その枠組みのなかで、すべてを理解し、

自らの枠組みを組み替えることはありませんでした。

30年間の間に、部下を失い、現地の人々を多数死傷させています。

この映画は、この小野田大尉を断罪するのでもなく、ジャングルで30年間も生き続ける

生命力と部下との友情を克明に描写したものでしたが、明確なメッセージが示されない分、

むしろ観客が深く考えさせられるものとなっていました。

ゼミ生からは、本来ならば、このような映画を日本人が作るべきではなかったのか、という

問いや、戦争が恐ろしいのは、戦争で死ぬということだけではなく、戦争で生き延びた人間の

精神や考え方を歪めるところにあるのではないだろうか、という問題提起があり、

私の映画の紹介よりもずっと深いディスカッションができました。

世代の異なる学生たちと学び合えていることの幸せを噛みしめた一日となりました。

その後、久しぶりに広田照幸先生のテキストを読み、教育の「目的」と「機能」について、

ディスカッションしました。ゼミ生からは、学校教育の現状を考えると、教育の「目的」を

教師が理解していないように思えるという厳しい批判がありました。

理想とする「目的」と現実の「機能」の緊張関係のなかで、教育は、子どもたちを育てるものと

なるわけですが、大人がこの緊張関係を理解し、持ちこたえることができないと、教育と称する

営みは、子どもたちから、偽善や打算的なものとして見放されてしまいます。

こちらについても、ゼミ生のコメントが鋭く、私はただオロオロするばかりでしたが、

そもそも学力とは何かという問いとともに、教育にかかわる者たちは、与えられた答えを

機械的に適用するのではなく、つねに自分の頭で考え続けることが求められていることを、

改めて教えられたように思います。

オロオロしながらも、学びの多いゼミとなりました。

次週は、毎年恒例のゲスト講師、金子奨先生が来校されます。

今年度も深い学びを楽しみにしているところです。

それではまた次回お会いしましょう!


2024年高井良ゼミ 後期第3回

2024-10-07 11:47:49 | ゼミ日記

皆さん、こんにちは!

高井良ゼミのたかいらです。

10月になりましたが、まだ暑い日が続いています。

体調管理が難しい今日この頃ですが、皆さま、お元気でお過ごしでしょうか?

さて、今年の高井良ゼミは私を合わせて4人という少人数なので、Starterの廻りが早く

もう四巡目となりました。四巡目のテーマは、「未来の声に耳を澄まして未来の自分を語る」です。

輝かしい未来が待っている若き緑の日々を生きるゼミ生に対して、私は人生の坂道を下りつつあります。

この自分を受け入れながら、人生の晩秋の日々をいとおしみつつ、「一期一会」を大切に

生きていきたいという私の語りに対して、3名のゼミ生から温かいメッセージを

もらって、とても勇気づけられました。

その結果、私の坂道のイメージは、次のようなものに変わりました。

小さな野の花たちをいとおしみながら、「古い時計が時を刻むように」ゆっくりと一歩一歩

進んでいけたらと願っています。

さて、ゼミでは、韓国ゼミ研修旅行のプレゼンテーションを練り上げています。

5泊6日のさまざまな経験を10分のプレゼンテーションにまとめるというのは、

先週の石塚さんがコメントしている通り、大変難しいことです。

そのなかでも、ゼミ幹事の小峰さんががダイナミックな脚本を作り、岩木さんと石塚さんが

細部を造り込んで、ゼミ生主体のプレゼンテーションができそうなので、

私もわくわくしています。

海外に出かけて、たくさんの経験をして、それで終わりではなく、その経験から自分たちが

何を学んだのか、そしてそのことをこれからの学びや人生にどのようにつなげていくのか、

海外から戻ってきてからも学びを深めることができるのか、大学の海外ゼミ研修の良さだと

感じています。10月24日(木)のプレゼンテーションに向けて、来週もまた知恵を出し合い、

経験の省察を深めたいと思います。

それでは、今日はこの辺で!

 

次回は、小峰さんの担当となります。どんな未来のイメージが語られるのか、楽しみです。

 

季節の変わり目、皆さんもどうぞご自愛ください!