大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

新公会計と行政評価セミナー 参加

2010-07-15 10:29:03 | 未分類
昨日、表題のセミナーに参加しました。
あちこちの自治体の会計業務に関わっている方からご案内をいただいたものです。
もともと関心の高いテーマで、案内をいただいた時から楽しみにしていました。

総務省の新公会計では、集計方式が「総務省基準モデル」と「総務省改訂モデル」の二通りがあり、どちらかを選択するか、東京都・大阪府などは複式簿記をベースとした独自の集計方式をしており、その集計方法によって出てくる数字が違うのですが、どれも自治体の会計方法として認められています。
基準モデルでは自治体が持つ固定資産をより実態に近く評価し、それを集計データに乗せて集計することになっており、これが大変だということも大きな理由として、なかなか自治体がすすんで取り組まない状況にあります。
大府市も「改訂モデル方式」です。

でも、家計でも企業会計でも、持っている財産(資産)が幾らあるかを把握し明らかにすることは、将来設計や企業の経営に不可欠なもの。
「大変だからやらない」「これまでそんな数字はなくても会計報告は認められてきた」という問題ではないと思います。
その、固定資産評価がネックになっているとよく耳にすることを、実際に取り組みしているところはどうか?
という観点と、

会計情報と行政評価のリンク

というテーマにも惹かれました。
大府市では、行政評価システムで評価した内容は、担当課が当初予算要求を作る段階で、初めから画面に表示されるように設計してある、と以前財政課から説明を受けています。なるほどちゃんと評価と予算がつながっていると納得した次第なのですが、それでも、予算編成では一律何%カットということもしている(財政課談)
評価から予算・翌年の仕事へとサイクルを回すなら、一律ではなく評価の結果で縮減を判断すべき。
そんな違和感を持ったことを記憶しています。

午後半日の講座ながら適度に細やかに、本質に迫る内容の講座でしたが、
私の観点から特に書き置くこととして、会計の面では

固定資産評価は大きな負担になる仕事ではなく、要は「固定資産評価をするぞ」というやる気、決断の問題で、改訂モデルでも固定資産評価は段階的にしていかないといけないことになっている、
固定資産評価は、会計情報として要求されるから整備するというだけのものではなく、施設の更新にいくらかかるかの情報になる(減価償却費分を更新費用として積み立てる考え方。20年12月の一般質問で私は言及しています)
人口構成の変化により、市債など投資を将来世代が負担する考え方の不合理の指摘

といったもので、固定資産評価の重要性と、将来負担を経営的に冷静に見ないといけないこと、それには資産評価を始めとしたハードの維持更新(新設は基本的に考えない。納税世代が減少し高齢者福祉負担が増えるから)が大きな課題である、というこれまでの私の認識を、会計のプロの観点からも後押しをいただいた印象です。

行政評価と予算へのサイクルについて、
事務事業評価はやるけど総合計画の施策体系別の「施策評価」はされていない。事務事業評価を施策体系にはめた施策評価をつくり、目標達成には施策の中のどの事業を優先するのか「施策内で順位付け」する
評価を予算に反映させる手法として、施策内評価の優先度の高い事務事業の、評価で改善点として挙がった点を強化、優先順位が低かったものは厳しく削ぎ落とし、「一律カット」はしない
こちらは「こうなるといいのに」と思っていたことを実際の評価シートにして説明いただき、脳内イメージがロジック化できました。

大府市の行政評価は、今年から第5次総合計画に取り組むということで、評価システムも更新と聞いています。評価システムについてすでに提案できる時期にはありませんが、新たな行政評価システムを見たときの「行政評価システムを評価する」観点と、「行政評価システムに現れない自分なりの一律評価ルール」が明確化できました。

会計の面でも、行政評価の面でも、多くの収穫を得ることができました。
資料はボリュームがあり、マーカーであちこちにマークを。

藤沢市の公共施設マネジメント白書 は、大変解りやすい先進事例。大府市ではファシリティマネジメント戦略会議を立ち上げて数年(3年だったかな)になりますが、未だにこうした公表できる資料が作られていません。いつまでも幹部だけで会議室でやっていないで、目に見えるものを出す時期にさしかかっているのではないでしょうか。