兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

裏切られた小沢一郎

2010-09-05 05:05:55 | 世の中の動き
テルミドールのクーデーターで撃たれたロベスピエール


民主党党首選挙は、今日明日が山場である。分水嶺といってもよい。

選挙や権力闘争で敗北する陣営は、やることが裏目裏目になってしまい、全く支持が集まらないという状況になるケースが多い。

小沢陣営は、従来の選挙戦術である国会議員を囲い込むため、「大ローラー作戦」を展開している。
国会議員全員を訪問し、支持の依頼をしているのだ。
だが、この方法は今までは有効だったが、「キモい。おっさん、近寄らないで!」と、恐怖にかられた新人議員が逃げ、逆に菅支持に回るきっかけとなっている。

フランス革命の中、テルミドールのクーデーター(1794年07月27日)で失脚したロベスピエールも、恐怖によるリーダーシップで締め付けすぎたため、いつ捕まってギロチンの露になりそうな議員たちが集まり、談合し、恐怖政治を終わらせることに成功したのだ。

一方、菅陣営は党執行部による「永田町の外での囲い込み」を展開し、地方議員と党員・サポーター票を増やそうとしている。
こちらは、ローラー作戦もしているが、世論の風がどっちに吹いているかで大きく変わる。機密費を使ってでも、マスコミを味方につける、「情報戦」が中心だ。

国会議員票(412人×2p=824p)をめぐって、菅直人陣営、小沢一郎陣営双方による、態度未決定の議員への働きかけを強めているほか、相手方を支持する議員の切り崩しを進めている。
公職選挙法の範囲外で行われる選挙なので、買収、脅迫、強要、空約束、なんでもありである。
毎日新聞の調査結果が9月3日の新聞に掲載されているが、それによると、小沢一郎前幹事長が180人超、菅直人首相が160人超の支持を得ているそうだ。
もっと小沢氏の支持が多いと思っていただけに、菅直人陣営は善戦していると言っていいだろう。

国会議員票のうち、態度を保留している集団で、最も大きいのが旧民社党グループ(35人=70p)である。
民社党の支持母体は連合であり、党員・サポーター票に与える影響も無視できない。


ここのリーダーである田中慶秋氏(衆院:神奈川5区)は、当初、独自候補を立てる予定だったが、菅総理と首相官邸で会談した際、「早期の景気対策実施」の約束をとりつけ、独自候補を断念した。
また、旧民社党系グループの有力者の1人である直嶋経済産業大臣が、菅直人の支持を表明している。
グループ全体の意思決定は、週明けになるとはいえ、菅直人支持でまとまりそうである。


旧民社党グループが、小沢と菅どちらを支持するのかによって、勢力バランスは大きく変わる。
関ヶ原の戦いで、小早川秀秋の軍勢が一斉に松尾山から動いたのと同じインパクトを民主党選挙に与えるだろう。
小沢支持を表明した議員も、小沢不利とみると、いとも簡単に裏切るだろう。
そうしないと、敗北した一味とみなされ、弾圧されるからだ。

2010/09/05 橘みゆき 拝


政界の動向を知りたいのなら、世界初の左翼政権であるフランス革命政府が、どんなことをしたのか、歴史から教訓を見出すのが、よいだろう。
お勧めサイトは、フランス革命大解剖 である。

※ このコラムで参考となる記事 ※

(引用開始)
競る国会議員票、党員・サポーターは菅氏先行
2010年9月4日(土)3時6分配信 読売新聞

読売新聞社は3日、民主党代表選(14日投開票)の序盤情勢を調査した。

 再選を目指す菅首相と小沢一郎前幹事長がそれぞれ党所属国会議員160人程度の支持を固め、激しく競り合っている。態度を明らかにしていない国会議員約90人の動向が今後の焦点となる。
地方議員票と党員・サポーター票では現時点で菅氏が先行している。

ただ、投開票まで10日以上あり、論戦の行方しだいで情勢は変動する可能性がある。

 調査は、民主党の国会議員への取材、都道府県連幹部や地方議員、党員・サポーターへの聞き取りなどで実施した。

 代表選で投票権を持つ国会議員は412人。このうち約半数を占める衆参両院の当選1回議員から、両氏はともに70~80人程度の支持を得て拮抗(きっこう)している。

 菅氏は、自ら率いる菅グループのほか、前原、野田両グループの支持をほぼ固めた。閣僚、副大臣、政務官の「政務三役」でも約7割の支持を獲得した。

 小沢氏は、衆院の比例選出議員の支持で菅氏を上回っている。2009年衆院選で、候補擁立など陣頭指揮をとったことが影響しているとみられる。

 党内最大勢力である小沢グループの支持も、7割強を固めた。ただ、同グループの約2割は態度を明確にしておらず、「菅氏を支持する」とした議員も8人いた。

 一方、党内では、鳩山グループの4割、旧民社党系グループの5割、旧社会党系グループの3割弱が態度を明らかにしていない。

 菅、小沢両陣営は態度未決定の議員への働きかけを強めているほか、相手方を支持する議員の切り崩しを進めている。

 地方議員票と党員・サポーター票では、菅氏が世論の高い支持を追い風に、6割~7割を獲得する勢いを示している。

 小沢氏は地元の岩手県のほか、米軍普天間飛行場移設問題で菅政権への不満を強める沖縄県などで、地方議員や党員らの一定の支持を獲得する見通しだ。

 代表選は、国会議員、地方議員、党員・サポーターの投票結果をポイントに換算し、総計1224ポイントの過半数を獲得した候補が当選する。このうち国会議員票は計824ポイントで全体の約7割を占める。
(引用終了)

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